使用許可などを受けた場合
「ホールの使用については、管理課からすでに了承を得ています」
このように、交渉ごとだけでなく単純な使用許可などを得ていると伝えるときにも、「了承を得る」を使って表現することができます。
事情を伝えて了承を乞う場合
「何卒ご了承くださいますよう、お願い申し上げます」
これは尊敬を表す接頭語「ご(お)」と丁寧語の「ます」を組み合わせた言い回しです。「了承を得る」というよりも、こちらの事情を伝えて「了承を乞う」場合のフレーズでしょう。相手の期待に添えないことを了承してもらうよう、お願いするときに使います。
上司や社外の人など、目上の人への使用も問題なし。メールや口頭でも使える、万能なフレーズです。
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「了承を得る」の言い換え表現
「了承を得る」に似た意味の表現に、「了解(りょうかい)を得る」「承諾(しょうだく)を得る」などがあります。「同意してもらう」という意味は共通していますが、ややニュアンスの異なる点もありますので、一緒にチェックしていきましょう。
「了解を得る」
「了承を得る」は、事情を汲んで納得するという意味でしたが、「了解を得る」となると、事情を理解してもらうという一歩踏み込んだニュアンスを含みます。とはいえ、語義はほとんど一緒と言って差し支えないでしょう。
ところが、近年「了解!」=「わかった!」の意味で、カジュアルな雰囲気で使われることが多くなってきました。そのため、ビジネスシーンで「了解」という言葉の使用は避けられる傾向にあるようです。
「了解を得る」を使った例文
「了解を得る」を使った例文を見ていきましょう。いずれも、「事情を理解してもらいたい場合」に用いられているのがわかりますね。
・「工期の遅れに関しては、クライアントから了解を得ています」
・「近隣住民の了解を得られるよう、話し合いを続けます」
「承諾を得る」
「承諾を得る」の「承諾」は「相手の意見や要求を聞いて受け入れること」。「諾する」には、「人からの依頼などを承知する」という意味合いがあります。
「承諾を得る」を使った例文
「承諾を得る」を使った文例は、下記のようなものがあります。いずれも許可や同意を得る文脈です。
・「イベントの参加には、保護者の承諾を得る必要があります」
・「社長の承諾を得てから、企画を実行に移します」
「同意を得る」
「同意」とは、「他人の意見などに対して、賛成すること」。つまり「同意を得る」とは、相手に説明して賛成してもらうこと、納得してもらうことを指します。
「同意を得る」を使った例文
「同意を得る」を使った例文を見ていきましょう。
・「社長、ビル建設の件について、近隣住民から同意を得ました」
・「何度も足を運んだおかげで、同意を得ることができました」
「心得る」
「心得る」には複数の意味がありますが、その中でも「事情をよく理解したうえで引き受ける」という意味が「了承を得る」と類似していますね。例えば、上司から何かを頼まれた時に「心得ました。お任せください」と答えるなど。
相手が忙しいなどの事情を理解し、「それなら私がやります」という意味を込めて「心得ました」ということができますね。
「心得る」を使った例文
「心得る」を使った例文を見ていきましょう。
・「悪いんだけど、この仕事代わりに引き受けてもらえないかな?」「心得ました。任せてください」
・「Cさんが休職したので、代わりに担当してもらえない?」「心得ました。代わりに担当します」
「承知する」
「承知」とは、「依頼・要求などを聞き入れること」。「申し出の件、確かに承知しました」などというように使います。
上司から「〜してくれない?」と依頼された時に、「承知しました」と答える時に使われる、ビジネスシーン必須の言葉ですね。
「承知する」を使った例文
「承知する」の例文を見ていきましょう。
・「その話でしたら承知しております」
・「お申し込みの件、承知いたしました」
「了承を得る」ビジネス英語で表現すると?
英語で「了承を得る」を表現すると、どのような表現になるのでしょうか。
最も近いのが「get approval(同意/承認を得る)」「obtain approval(承認/許可を得る)」など、承認という意味の「approval」という単語を使った言い回しでしょう。「obtain」は「手に入れる」という意味です。
こちらから了承を乞う「ご了承ください」の場合は、「Please understand …(~をご理解ください)」となります。
・I try to get approval from my boss.
(上司の許可をもらうために努力しています)
・Please kindly understand this matter.
(この件についてどうかご理解ください)
日本語の「了承を得る」にあるような、「こちらの事情を汲んで納得してもらう」というニュアンスは日本語独特のもの。英語では、この雰囲気にぴったりの表現はなかなか見当たりません。
「了承を得る」を正しく使いこなそう
「了承を得る」という言葉は、了承をしてくれた当人への敬意が含まれた表現ではないということがわかりました。通常の使用では組織内の連絡などで使用する、いわば社内用語と言ってよいでしょう。
もし目上や社外への使用の際は、より丁寧な敬語との組み合わせが必須ですね。了承を得るための表現は、様々あります。それぞれのニュアンスの違いに気づくと、よりスムーズなコミュニケーションができるようになりますよ。
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