「ご笑納」とは何?
そもそも、ご笑納とはどんな意味なのでしょうか。この項目では、ご笑納の概要についてご紹介していきます。
■「ご笑納」は「ごしょうのう」と読む
「ご笑納」は「ごしょうのう」と読み、「ご笑納ください」というような形で利用される言葉です。普段ビジネスで利用する「お受け取りください」という言葉より、いくらか柔らかい表現になっているのが特徴です。
■「ご笑納」はへりくだった敬語表現
日本語には、尊敬語や謙譲語などありますが「ご笑納」の「ご」は謙譲語を意味し、へりくだった敬語表現となります。しかし、へりくだった敬語表現にもかかわらず「ご笑納」という言葉はあまりビジネスシーンでは聞かないのはなぜなのでしょうか。それは「ご笑納」の「笑納」という意味が関係し、使用相手が制限されているのが理由です。
■目上ではなく親しい間柄で使うのが一般的
「笑納」の意味は前述の通り、「たいした物ではないけど、笑って寛大に受け取ってください」と、いくらか冗談めかした少し軽い表現となっています。「ご笑納」は親しい間柄や気軽にやり取りできる相手に使うのが一般的です。
そのため、上司など自分より目上の方やビジネス相手に使用するのは失礼にあたるため、ビジネスの場面ではほとんど使用されません。「ご笑納」を使用する際は、相手との関係性をしっかりと把握する必要があり、適切な相手か不安に思う関係性であれば使用を控えることをおすすめします。
「ご笑納」使用時の4つの注意点
ここまで、「ご笑納」の概要についてご紹介しました。次に、「ご笑納」を利用する際の注意点について説明していきます。
■謝罪やお詫びの際は使用してはいけない
相手に謝罪する際に、「ご笑納」という言葉は使用できません。冒頭でもふれたように「たいした物ではないけど、笑って寛大にうけとってください」という意味で、少し軽い表現だからです。
例えば、相手に誠意を持って謝罪する際に「ごめんごめん。」というような謝罪はしないでしょう。謝罪時に使用してしまうと、失礼な印象を与えかねないため注意してください。
■相手が写った写真がある場合は失礼にあたる
パーティや親睦会などで取引相手と記念写真を撮影して、その写真を相手に送る際に「ご笑納」という表現を使用してはいけません。この場面で「ご笑納」を使用してしまうと、相手が写っている写真を「たいした物ではない」「つまらない物」と言っていると同じであり、失礼にあたるからです。親しい間柄ほど使いがちですが、間違った使い方ですので注意しましょう。
■初対面の方へは使わない
前述でも触れたように、「ご笑納」は親しい間柄に対して利用することが一般的です。目上の方やビジネス相手はもちろん、初対面の相手に使用するのも適切ではありません。例えば、初対面の方と待ち合わせで遅れたとしましょう。
遅れてしまったのは仕方ないとしても、初対面の方に対して友達感覚のような謝罪はしないはずです。使う相手や状況を間違えると失礼にあたる「ご笑納」は、なれなれしいや無礼といった印象を与えないためにも、初対面の方には使用しない方が無難です。