■手紙のみの場合は「ご笑納」は使えない
ご笑納は、手紙やパンフレットなどにも利用できません。なぜなら手紙やパンフレットなどは読み物であって、納める物ではないからです。このような場合は、「ご笑覧」という言葉が適切です。しかし「ご笑覧」も同じように砕けた表現となるので使用するのは親しい間柄の方に留め、ビジネスの場での利用は控えましょう。
「ご笑納」の代表的な3つの類語
「お召し上がりください」「お受け取りください」「お納めください」の3つは、「ご笑納」の代わりに使用できる類語です。それぞれの特徴について、解説してきます。
■自分が良いと感じて贈るなら「お召し上がりください」
「お召し上がりください」は利用する相手やシーンが限定されないため、食べ物を渡す際や会食などのさまざまな食事シーンで使用可能です。ただし「お召し上がりください」は食べ物に関する時にしか使用できないため、その意味では利用シーンが制限されます。
「ご笑納」のように、物を納めるという表現方法としては「お受け取りください」や「お納めください」といった意味合いに近いでしょう。
■相手が受け取りやすくする「お受け取りください」
「お受け取りください」も「お召し上がりください」と同様に、多くの方が利用する表現方法の1つです。メールや会話などシーンを問わず、どの相手やどのタイミングでも使用できるため、相手に物を渡したり、送ったりする際には正しい表現方法といえます。
■相手が何か持ち帰る場合は「お納めください」
「お納めください」は、相手が何か持ち帰る場合に利用するのが一般的です。冠婚葬祭の場面でも利用できるので、使用しやすい表現方法といえます。
「ご笑納」の英語表現はさまざま
「ご笑納」の英語表現は、さまざまです。ここでは、「ちょっとした」というテイストを加えた2つの表現を記載します。
・「It’s just little thanks.(感謝のしるし)」
・「Here is a little something for you from my hometown.(私の地元のちょっとしたお土産です。)」
他にも、「ご笑納」にはさまざまな英語表現があるようです。英語での表現方法も覚えて、親しい外国人の方に物を渡す際に活用してみてはいかがでしょうか。
「ご笑納」を使う時はシーンと相手に注意しよう
ここまで「ご笑納」という言葉の意味や使用方法、類語などについてご紹介しました。「ご笑納」は敬語表現でありながら、親しい間柄の方にしか使用できないという特殊な特徴を持つ表現方法といえます。
「ご笑納」の特徴については次の通りです。
・へりくだった敬語表現
・親しい間柄の方に使うのが一般的
・渡すものや場面によっては使用できない
・ビジネスの場面では類語の使用が一般的で無難
・英語表現はさまざま
ビジネスの場面で使用するタイミングが少なく、プライベートでもあまり使い慣れない言葉であるため「ご笑納」はあまり馴染みのない言葉といえるでしょう。しかし、利用シーンや使い方によっては洒落た表現方法でもあり、まずは親しい間柄の方から使用してみてはいかがでしょうか。
使用する相手の関係性をしっかり見極める必要はありますが、上手に活用すれば表現方法の幅が広がることは間違いありません。言葉のレパートリーを増やして、心地の良いきれいな言葉を使えるようにしましょう。
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