謝罪の意味で深謝を使うケース
深謝は謝罪の意味でも使用できる便利な言葉です。謝罪の気持ちを伝えるときも、感謝のときと同様、「深謝いたします」と「深謝申し上げます」の2つの表現方法が一般的です。
深謝いたします
「深謝いたします」は、「深謝申し上げます」よりも身近な謝罪に使える表現です。例えば、取引先に誤って注文数より多くの商品を発送してしまったという場合、「このたびの不手際によりご迷惑をおかけしましたこと、深謝いたします。」と伝えるといいでしょう。
他にも、飲食店で予想以上にお客さまが来店し、ランチが品切れになった場合には、「本日は多くのお客様にご来店いただき、ランチメニューが早々に品切れとなってしまい、深謝いたします。皆様にご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。」と張り紙をすることで、謝罪の気持ちを伝えられますよ。
【例文】
・当方の説明不足によりご不快な思いをさせてしまい、深謝いたします。
・長らくお待たせしてしまいましたこと、深謝いたします。
・こちらの確認不足によりご不便をおかけしましたこと、深謝いたします。
深謝申し上げます
「深謝申し上げます」は、より丁寧に謝罪の気持ちを伝えたい場面で使えます。例えば、会計処理のミスで請求書に誤りがあった場合、「このたびの会計処理に不備があり、請求書に誤りが生じましたこと、深謝申し上げます。ご迷惑をおかけしましたことを重ねてお詫び申し上げ、速やかに訂正させていただきます。」などと謝罪することが適切です。
また、新商品の販売時に回線が混雑し、電話がつながらずにお客さまが購入できなかった場合には、「このたびは新商品の販売に際し、回線の混雑によりお電話がつながらず、お客様に多大なるご不便をおかけしましたこと、深謝申し上げます。心よりお詫び申し上げるとともに、今後このようなことがないよう、改善に努めてまいります。」と公式サイトやメールなどで謝罪の意を伝えるといいでしょう。
【例文】
・お約束の時間に遅れてしまい、ご迷惑をおかけしましたこと、深謝申し上げます。
・このたびの手違いにより多大なるご迷惑をおかけしましたこと、深謝申し上げます。
・こちらの対応に不備があり、ご不快な思いをさせてしまいましたこと、深謝申し上げます。
深謝の使い方の注意点
深謝は、謝罪にも感謝にもどちらにも使える便利な言葉ですが、使い方には少々注意が必要です。その中でも注意したいポイントについて見ていきましょう。
深謝に堪えません
「深謝に堪えません」という表現は、深い感謝の意を示す言葉として使うことができますが、実際にはあまり使われません。深謝は感謝と謝罪の両方に使えますが、感謝の意味で使う際には「深謝に堪えません」よりも、「深謝申し上げます」「深謝いたします」といった表現の方が伝わりやすいでしょう。
深謝の意を表します
「感謝の気持ちを伝える」という意味で、「感謝の意を表します」という表現を用いることは少なくありません。深謝は深い感謝を表す言葉のため、同様に「深謝の意を表します」と表現しても間違いなさそうですが、こちらもあまり使用しません。
感謝の気持ちを伝えたいときは、素直に「感謝の気持ちを伝えます」か「感謝の意を表します」が自然な表現となります。
深謝の類語と使い分けを紹介
深謝の類語には、次のものがあります。意味や使い分け方を見ていきましょう。
拝謝
「拝謝(はいしゃ)」も深謝と同様、話し言葉ではなく書き言葉として用いる言葉です。ただし、深謝は謝罪、感謝のどちらの意味にでも使えますが、拝謝は基本的には「感謝」の意味でのみ使用します。「謹んで感謝をします」という意味なので、目上の人への文章で使用するのが一般的でしょう。
【例文】
・長年にわたりご指導いただき、拝謝いたします。
多謝
「多謝(たしゃ)」も深謝や拝謝と同様、主に書き言葉で用いられる言葉です。厚く礼を述べる場合にも深くお詫びする際にも、使うことができます。
【例文】
・ご厚意に心より多謝いたします。
万謝
「万謝(ばんしゃ)」も基本的には書き言葉で使われます。深謝と同じく謝罪でも感謝でもどちらの意味としても使え、通常の謝罪や感謝よりも強い意味を表します。
【例文】
・この度のご尽力に対し、万謝いたします。
陳謝
「陳謝(ちんしゃ)」は書き言葉としても口語としても使用される言葉です。事情を述べて詫びる際に使う言葉で、感謝する際や軽い謝罪の際には使いません。
【例文】
・誠に申し訳ございません。深く陳謝いたします。
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最後に
「深謝」は、ビジネスや目上の人とのやり取りでよく使われる言葉です。感謝や謝罪の気持ちを表現する際に便利ですが、どちらの意味で使っているかが分かるように、前後の文で明確にする必要がありますね。他にも感謝や謝罪を伝える言葉はたくさんあるので、その場面に合った適切な表現を選んでみてください。
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