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2024.05.27

「ご足労」とは?基本の使い方から英語表現までご紹介

ビジネスシーンでも来客時に使用される「ご足労」というワードですが、正しい使い方をできているでしょうか? 今回は、そんな「ご足労」の使い方から英語表現までをご紹介します。

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「ご足労」の意味や読み方とは?

「ご足労」という言葉は、普段の同僚や友人との会話ではなかなか使う機会がありませんよね。まずは、基本的な意味やビジネスで使うときの注意点についてご説明します。

和やかな会議風景

(C)Shutterstock.com

読み方と意味

読み方は「ごそくろう」。「足労」とは、文字通り「足を疲れさせる」という意味。辞書で「」の文字の意味を調べると、「心やからだを使ってそのことに努めること。また、そのための苦労・努力。ほねおり」とあります(小学館『デジタル大辞泉』より引用)。

相手にわざわざ来てもらったり、決まった場所に行ってもらったりした際に、そのことへの感謝や恐縮の気持ちを伝える言葉です。また、ご苦労ではなく「ご足労」という言葉を使うことで、相手に足を使わせて負担をかけたことへ配慮している、というニュアンスになります。

ビジネス等で使う時の注意点

ビジネスシーンでは、主にこちらがいる場所までわざわざ足を運んでくださった取引先の人の労をねぎらうときに使います。「本日はわざわざご足労いただき、ありがとうございます」など相手の労力に感謝を表すことができるでしょう。

また「ご足労」は、主に取引先の相手など外部の人に対して使われます。同じ目上の人でも、社内の人に使うことは一般的ではないので注意が必要です。

使い方を例文でチェック

「ご足労」とは、相手の労力をねぎらう意味があるということはお分かりいただけたかと思います。

では、実際にビジネスシーンではどのように使われているのでしょうか。例文を通じて使い方をイメージしていきましょう。

「あいにくのお天気の中、ご足労いただきありがとうございます」

天気がすぐれない中、わざわざ足を運んでくれた相手へのお礼を伝えるときに用いられます。このように、お礼と共に相手を労る言葉を一言付け足すとより印象が良くなるでしょう。

「当日は会議室にてお待ちしております。ご足労おかけしますが、よろしくお願いします」

相手に来社や外出を依頼する際、よく用いられる言葉です。時間や場所を付け加えることにより、丁寧な印象になります。対話の場面だけでなく、メールでのやりとりでも使える表現です。

「この度はお忙しい中、ご足労をおかけ致しまして誠に申し訳ございません」

こちらの不手際で、先方に来てもらうことになってしまった場合のお詫びの言葉などとして使えます。面倒をかけたことへの謝罪の気持ちが大きい場合は、より丁寧さを心がけた方が良いでしょう。

言い換え表現にはどのようなものがある?

「ご足労」は便利な言葉ですが、使う相手やシーンによっては別の言葉の方が適切な場合もあるでしょう。そのような場合に、覚えておくと役に立つ「ご足労」の言い換え表現をご紹介します。

「本日は、お越しいただきありがとうございます。」

お越しいただく」は行くこと、来ることの尊敬語。相手に来てもらったことを、丁寧に表現した言葉です。わざわざ、はるばるなどを前につけることで、より丁寧なニュアンスで使うことができます。「お忙しい中」など相手に配慮した言葉を付け加えても良いですね。

「お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い致します」

お手数」は動作・作業にかかる労力を意味する言葉です。「手間や面倒をおかけします」という意味合いで使うことが多いです。

また、「ご足労」は社内の上司には使えませんが、お手数は社内のでも使用できるので覚えておくと便利な言葉です。

「何かとお手間を取らせてしまい、申し訳ありませんでした」

お手間」もお手数と同じような表現になりますが、こちらはあることをするのに費やす時間や労力を意味する言葉です。

相手に労力やお時間を使わせてしまいますが、といった相手へのお詫び、感謝を伝えたいときに使うと良いですね。

ご足労への返答方法

自分が顧客や取引先を訪ねて、「ご足労いただきありがとうございました」と言われたり、メールなどが届く場合もあるでしょう。このような場合は、相手の感謝の気持ちを受け止めつつ、自分のために時間を割いてくれたことに対する感謝を伝えると良いでしょう。

〈例文〉
こちらこそ、お時間を割いていただきありがとうございました。
・こちらこそ、大変お世話になりました。
・とんでもないことでございます。本日は、貴重なお時間をいただきありがとうございます。

「とんでもございません」などと謙遜だけで済ませてしまうと、相手のねぎらいを受け取らないような印象を与えてしまう可能性があります。「こちらこそ」とお互いをねぎらうか、感謝の気持ちをセットで伝えることを意識しましょう。

英語表現とは?

「ご足労」は、主にビジネスシーンで多く使われる言葉です。そのため、海外の取引先の相手とのやりとりでも使う機会があることでしょう。英語で「ご足労」を使いたい場合、どのような表現があるのでしょうか?

「ご足労おかけしますが」のようにクッション言葉として使う表現が英語にはありません。したがって、ご足労が含んでいる、来るという意味の「come」やご面倒・ご迷惑という意味の「trouble」をうまく活用すると良いでしょう。

1:「Thank you for coming all the way today」
本日は、わざわざご足労いただきありがとうございます)

Thank you」で 相手に足を運んでくれたことに対する感謝の気持ちを伝えられます。「all the way」が「はるばる」という意味なので、相手がわざわざ来てくれている というニュアンスを出すことができます。

2:「Could you come to my company? 」
(私の会社まで来ていただけませんか?)

Could you~?」 は相手に何かをお願いするときに使います。「Can you~?」 よりも丁寧な言い方として使えます。

3:「I’m sorry for the trouble」
(ご足労おかけして申し訳ありません)

trouble」には「迷惑、面倒」という意味があります。わざわざ足を運んでいただいて面倒をおかけしました、という気持ちを伝えたいときに使うと良いでしょう。

グラフを映し出すPC画面を見ながら握手する人々

(C)Shutterstock.com

最後に

言葉の正しい意味を知ると、いざという時に自信を持って使うことができます。適切な場面で気の利いた一言として、「ご足労」という言葉を使いこなせるようになれば、ビジネス・コミュニケーション力がアップすることでしょう。

メイン・アイキャッチ画像:(C)Adobe Stock

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