「善処」の3つの対義語とは
次に、「善処」の対義語を3つご紹介しましょう。「善処」が「よい方向への改善」を指すのに対して、対義語は「何も対処してくれないさま」「いい加減な対処のさま」を指します。対義語もあわせて覚えておきましょう。
なおざり
「善処」の対義語に「なおざり」が挙げられるでしょう。「なおざり」は、「真剣でないこと」「いい加減にして放っておくこと」という意味。相手がいい加減な対応をした場合に、「なおざりな対応だ」というように非難するときに使います。
次に、「なおざり」の例文を2つ挙げましょう。
・あの会社は宣伝ばかりで、実際の対応はなおざりだ。
・部活で忙しく、勉強がついなおざりになりがちだ。
おざなり
「おざなり」も「善処」の対義語として使えます。「いい加減に物事を処理すること」という意味です。「なおざり」と「おざなり」は「いい加減であること」という意味においては同じですが、「おざなり」はいい加減でありながらも「何らかの行動をする」のに対して、「なおざり」はいい加減で、なおかつ「何もせず放置する」という意味も含まれます。
次の2つの文章を比べてください。「なおざり」のほうは「何も対応しなかった」というニュアンスが含まれているのが分かるでしょう。一方「おざなり」は、いい加減ながらも対処していることが感じられます。
・首相は、国民の意見をなおざりにしている。
・首相は、国民の意見をおざなりにしている。
「おざなり」の例文もいくつか挙げましょう。
・12月は繁殖期のため、会計処理がおざなりになってしまいます。
・リフォーム会社にクレームを言ったら、おざなりな対応しかしてもらえなかった。
放置
「放置」も「善処」の対義語として使える言葉です。「放置」は、「かまわずに放っておくこと」という意味。「問題を未解決のまま放置する」というように、全く何も対処しない様子を表します。
「放置」も例文を2つ挙げましょう。
・上司に勤務時間の改善を求めたが、放置された。
・長い間放置された問題について、きちんとした対応が求められている。
「善処します」を英語で表現すると?
「善処します」は、曖昧な表現方法を好む日本的な言い方。英語でぴったりな表現というのはやや難しいですが、次の英語表現が近いでしょう。
・Please let me think what I can do.
私に何ができるか、考えさせてください。
・That situation is very difficult, but I will do my best.
とても難しい状況ですが、できる限りのことをしてみます。
ニュアンスに気をつけて「善処」を上手に使おう
「善処」は便利な言葉である反面、多用すると信用を落としたり相手を不安にさせたりする言葉でもあります。ビジネスをするうえでは、断定を避けたい場合もあるでしょう。しかし「善処」を使う場合は、あとから結論を伝えるなど誠意を持って対応することが大切です。「善処」のニュアンスに気をつけて、正しい場面で上手に使えるようになりましょう。
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com
▼あわせて読みたい