2. 目上の人に尊敬の念を示す
「光栄」という言葉は目上の人に尊敬の気持ちを表現するときにも使うことができます。例えば次のように話すのであれば、「嬉しい」や「感謝している」という気持ちに加え、相手を尊敬しているということを示せるでしょう。
・お会いすることができて、本当に光栄です。
・お褒めの言葉をいただき、光栄至極に存じます。
いずれも「嬉しい」や「感謝している」という気持ちを表現する言葉です。しかし「あなたに会うことができたということが、私にとっては名誉である」「あなたという素晴らしい人に褒められたことが、私にとっては誇らしい」という意味があるため、喜びや感謝よりは相手を尊敬する気持ちを前面に押し出しています。
「光栄」を使う際の注意点
「光栄」は、感謝や喜びといった気持ちを表現しつつも、相手へのリスペクトを表現できます。ビジネスにおいて、あるいは目上の人と接する際において非常に便利な言葉ですが、使用する際にはいくつか注意点があります。特に次の4点には注意をしてください。
1.「嬉しいです」がふさわしいときもある
「光栄」は相手に対する尊敬の気持ちを表現できる便利な言葉ですが、相手を尊敬するよりも感謝や喜びを強く表現したいときには、あまりふさわしいとは言えません。
例えば、誰もが知っているような素晴らしい賞を獲得し、上司が「良かったね」と褒めてくれたとしましょう。この場合は「上司に褒められた」ということよりも「素晴らしい賞を獲得した」というほうが注目すべきこと。「光栄です」ではなく「嬉しいです」や「ありがとうございます」のほうが適した返答になります。
2. 目下の人には使わない
「光栄」は相手が目上の場合に使う言葉なので、目下の人に褒められたときには使用しません。例えば部下が「課長、すごいですね!」と褒めたときには、「ありがとう」と素直にお礼を言うか、「みんなのおかげです」と相手の尽力についても褒めるといいでしょう。
3. 前後に敬語を含める
「光栄」という単語だけでは相手への尊敬の念を表現できません。丁寧な断定を意味する「です」を加えて「光栄です」としたり、「思う」の謙譲語「存じます」を加えて「光栄に存じます」と使用します。
4. 言い換えの言葉を覚えておくと便利
何度も「光栄です」と繰り返すと誠意がないような印象を与えるので、言い換えの言葉を覚えておきましょう。例えば以下の表現を使って、感謝や喜びの気持ちに相手への尊敬を加えることができます。
・このような素晴らしい評価をしていただき、恐れ入ります。
・ご覧いただけますと幸いに存じます。
「光栄」の意味を理解して正しく使おう
相手への尊敬の気持ちを伝えられる「光栄」は、便利な言葉です。しかし、尊敬よりも喜びや感謝が強いときには合わないときもあります。「光栄」の意味を正しく理解して、ふさわしい場面で使っていきましょう。
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