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2021.06.13

「克己」の正しい意味は!? 座右の銘にしたい「克己心」についても解説

克己には「自分自身の欲望や邪念に打ち勝つ」という意味があります。とくに克己の熟語である克己心は、座右の銘としてビジネスシーンで使用頻度が高い言葉です。ここでは克己を正しく活用できるよう、類義語や対義語を交えながら詳しく解説していきます。

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克己の意味や語源、使い方は?

克己は「己の欲望に打ち勝つ」という意味がある言葉で、中国の「論語」が語源といわれています。読み方は「こっき」で、主に「克己する」「克己的」「克己心」などの言い回しで使われる熟語です。

克己

この章では克己の意味を漢字の成り立ちから解説するとともに、語源や使い方についても深く掘り下げて説明していきます。なかなか耳慣れない言葉でも、正しい意味をしっかり押さえれば日常生活でも違和感なく使えるはずです。

■克己とは「欲望に打ち勝つこと」

前述した通り、克己の意味は「己の欲望や邪念に打ち勝つこと」です。漢字の成り立ちからも意味を理解してみましょう。

「克」の意味は「力を尽くして打ち勝つ」で「克服」や「下剋上」などに使われる漢字です。一方「己」には「自分自身」という意味があります。

熟語の構成から見ても、克己は「自分の欲望や衝動を抑える」や「自分をコントロールして邪念に勝つ」など意思の強さを表す言葉だとわかるでしょう。まさに自分自身を律する精神力を持つ、ストイックな人に適した言葉といえそうです。

■語源は中国の「論語」

克己は中国の「論語」に由来する説が濃厚で、書物のなかには「克己復礼」という四字熟語が登場します。「論語」とは孔子の教えを記したもの。中国の思想家および儒教の創始者である孔子と、その弟子による問答がまとめられています。

「論語」の顔淵篇には「子曰(しいわく)、克己復礼を仁となす」という一文があり、意味は「わが身を慎んで礼儀を守ること」です。この「克己復礼」が、「克己」の語源と言われています。

■使い方は「克己する」「克己的」「克己心」

克己は主に「克己する」「克己的」「克己心」という3パターンで使い分けられます。「克己する」とは克己の動詞で、意味は「欲望や邪念を自分自身の意思で抑える」です。「克己して勉強を頑張る」「自分の目標に向かって克己する」のように使われます。

2つ目の「克己的」とは「欲望に負けず自分自身を律するさま」を表す言葉です。「克己的な姿勢で挑む」「彼の克己的な行動を見習いたい」などの言い回しで活用できます。

3つ目の「克己心」は克己に感情や意思を表す「心」がついた名詞です。「自分自身の欲望を抑える気持ち」や「強い意志で突き進む精神力」を意味します。

克己の類義語

克己の主な言い換え表現は「自己修養」「自制」「自己抑制」「我慢」の4つです。それぞれの熟語について詳しく知れば、克己の意味や使い方をさらに正しく理解することにつながるでしょう。

克己

また、克己はビジネスシーンで使える言葉といえど堅苦しい印象もあるため、言い換え表現を知っておくと便利です。場面や相手によって言葉を使い分けると、違和感なく日常会話が成り立つでしょう。語彙力を増やしたい人も注目してみてください。

1. 自己修養

自らを律し、高めていくさまを表す言葉として言い換えられるのが「自己修養」です。「修養」とは「知識を高めるとともに品性を磨き、人格形成に努めること」。「自分自身」を意味する「自己」と合わさることで、自分自身を磨くための鍛錬を実行するさまを表します。

例えば「今後も自己修養に励みたい」「いつまでも自己修養の気持ちを忘れずにいたい」などと使うことができます。

2. 自制

「自制」とは「自分の欲望または感情を抑制する」という意味があるため、克己の言い換え表現として活用できます。意思や気持ちを表す「心」をつけた「自制心」という熟語であれば、克己心の類義語としても使える表現です。

例文としては「自制できない人は誘惑に負けやすい」「彼女は自制できる強い意志を持っている」など。「自制心」は「目標達成のため、まずは自制心を養いたい」「健康によい規則正しい生活をするには自制心が必要だ」のように使うことができます。

3. 自己抑制

克己の欲望や感情を抑え込むさまを「自己抑制」として言い換えられます。「抑制」の意味は「意識して衝動や、感情・思考を抑えつけること」。「自分自身」を意味する「自己」が合わさることで「意識的な努力により自分自身の衝動や感情を抑え込む」という意味になります。

例えば「自己主張と自己抑制を使い分けるのが大事だ」「誘惑に勝つには強い自己抑制力が必要」などのように使うことができる言葉です。

4. 我慢

「耐え忍ぶこと」「こらえること」などの意味がある「我慢」も克己の言い換え表現として使える言葉です。もともと「我慢」は仏教で煩悩の1つとして数えられ、「自己意識の強さから生まれる慢心」を指します。慢心を意味する「我慢」が転じて、現在では「辛抱する」「がんばる」のような意味になりました。

仏教語として使われる意味からも、克己と類似していることがわかるでしょう。「プロジェクトを成功させるには、ここが我慢のしどころだ」「我慢強い彼女だからこそ、素晴らしい業績を残せたのだろう」のように活用できます。

克己の3つの対義語

克己の主な対義語は「妥協」「放埓」「放縦」です。日常生活で頻繁に使わないような言葉もあるため、意味と使い方をしっかり解説していきます。

克己

対義語もしっかり押さえておくと、その対比として克己の意味をさらに理解しやすくなるはずです。例文を合わせてご紹介しますので、参考にしてみてください。

1. 妥協

克己の対義語として代表的な言葉は「妥協」です。「妥協」には「対立した事柄に関して双方の一致点を見つけ出し、穏やかに解決すること」以外に「追求せずにある程度のところで満足して努力を辞めること」という意味があります。徹底的に追及することなく諦めるさまは、克己とは真逆の状況だとわかるでしょう。

例えば「何度やってもうまくいかないのは安易に妥協してしまうからだ」「妥協せずに取り組んだので今までにない企画ができあがった」などのように使えます。

2. 放埓

活気の対義語である「放埓」とは「抑制するものが何もなく、勝手気ままで締まりのないさま」を表す言葉です。読み方は「ほうらつ」で、馬が「埒 (らち)」と呼ばれる柵から放れて出てしまうことが語源といわれています。自由気ままな様子は克己とは正反対の状態と考えられるでしょう。

「放埓」は名詞以外に「放埓な行動」「放埓なふるまい」などのように形容動詞として使うことができます。例えば「彼の放埓な行動によって、プロジェクトチームは崩壊しかけている」「放埓なふるまいのせいで彼の評判はすこぶる悪い」などのように活用してみましょう。

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