3. 放縦
「放縦」は「放埓」と似た意味を持つ言葉なので、克己の対義語として使うことができます。読み方は2つあり「ほうじゅう」と「ほうしょう」のどちらでも構いません。「規律がなく勝手気ままにふるまうこと」「節度がなくわがままなさま」などを表す言葉で、自分自身を律する克己とは真逆の意味とわかるでしょう。
「放縦」は名詞のほか「放縦な生活」「放縦だ」のように形容動詞としても活用できます。例文をご紹介すると「彼は今もなお放縦な生活を続けているようだ」「放縦だった自分を改め、真面目に生きることを決めた」などです。
克己の英語表現
克己を英語にする場合「self‐restraint」「self‐control」などの単語が当てはまります。「restraint」は「抑制」、「control」は「制御」を意味する言葉。それぞれに「自分自身」を表す「self」がつくことで「自分自身を律する様子」や「感情を支配し抑え込むさま」などを表します。
さらに細かく掘り下げると「self‐restraint」と「self‐control」は「外部からの誘惑や刺激に打ち勝つ能力や性質」という意味合いが強い言葉です。「自分が望むことも我慢して行わない」という内なる欲望や邪念を振り払う意味合いがさらに強い言葉としては「self‐denial」が使えます。
なお、上記でご紹介した単語は「克己心」という意味もあります。例えば「She has a self-denying spirit.(彼女は克己心がある)」のように表現できるので覚えておきましょう。
ビジネスで使われる克己心の意味と使い方
克己心は「欲望や感情に流されず邁進する気持ち」を表し、座右の銘としてよく用いられる言葉です。前述した通り克己の使い方はさまざまありますが、そのなかでもビジネスシーンで頻出する言葉は克己心だと考えられるでしょう。
強い精神力や自分自身を律する思考を表現できる言葉なので、ビジネスパーソンなら持ち合わせていたい心持ちといえるかもしれませんね。以下では克己心の意味をおさらいしながら、座右の銘としての使い方を解説していきます。
■克己心とは「目標に向かって邁進する心持ち」
克己心の意味を「自分自身の欲望や邪念を抑制し、突き進む意思」とご紹介しましたが、ビジネスシーンでは「欲望を制し、甘えることなく目標に向かって邁進する精神」という意味でも使えます。
克己心の「克」には「打ち勝つ」以外に「よくする」という意味もあるので、より高みを目指していくための心構えとも考えられるでしょう。まさにビジネスパーソンには必要な心がけといえそうです。
「克己心がある」「克己心が強い」「克己心を養う」「克己心を育てる」などのように活用できます。
■座右の銘として活用できる
克己心は「甘えずに自分自身の目標に向かって邁進する精神」という意味があるため、座右の銘として掲げる人も多いです。
座右の銘とは自分自身への励ましを目的として、心にとどめておく格言や信念。強い精神力が必要なスポーツ選手や高いパフォーマンスを求められる著名人などが、克己心を座右の銘としてあげているようです。
もちろんビジネスシーンでも活きてくる言葉なので、自分自身を律して躍進を目指したい人は活用してみるとよいでしょう。
克己心のある人とは? 3つの特徴をご紹介
克己心を持っている人の主な特徴として「努力家」「行動力のある人物」「チャレンジャー」の3つをご紹介します。克己心のある人とは「欲望に流されない強い精神力を持っている人物」。まさにビジネスで成功したい人こそ目指したい人物像といえそうです。
ここではその性質を解説していきますので、座右の銘に克己心を掲げたい人は参考にしてみましょう。
■目標達成意欲の高い努力家
克己心の強い人は、自分自身が立てた目標を達成するべくひたむきに努力する性質があるといえます。「妥協」が克己の対義語である点から考えても、克己心のある人は途中で諦めずに最後まで追及する精神力があると考えられるでしょう。
ただし、ときにはただ努力を続けるだけでなく、成功するための道筋や方法をよく考える場面も必要です。その計画性の高さも、克己心を養うには欠かせないものといえるでしょう。
■優れた行動力の持ち主
目標を達成するため、即座に行動へ移せる人も克己心が強い人といえます。克己心が「甘えることなく目標に向かって突き進む心」を表すことからも、克己心のある人は目標達成を深く意識していると考えられるからです。
目標に対して強い想いを持っているからこそ、達成するための行動力が自然と備わるのかもしれません。克己心を鍛えたい人は、何事も後回しにしないで実行に移す習慣を意識するとよさそうです。
■向上心の強いチャレンジャー
克己心のある人は向上心が高く、野心的ともいえます。自分自身をよりよくするための努力を惜しまず、新しいことにも果敢にチャレンジする傾向があるでしょう。むしろ「自分自身を成長させたい」「もっと高みを目指したい」という想いは、克己心をキープさせる源とも考えられます。
克己心を養いたい人は、これまで避けていたことやできなかったことに挑戦してみるのもよいでしょう。その一歩を踏み出せれば、新しい世界に飛び込む度胸や勇気が自然と身につくはずです。
克己心を養って頼られる人物になろう
ビジネスシーンでも日常生活でも頼りがいのある人物になるには、克己心を高める意識が重要です。
類義語や対義語の意味から見ても、克己心のある人は努力家なうえに向上心の塊であると考えられます。まさにより自分自身を高めたい人にこそ、目標へと掲げてほしい人物像といえるでしょう。
克己心の強い人物を目指したい人は、記事内でご紹介した特徴を参考にして少しずつ実践していきましょう。自分自身をコントロールできる強い精神や目標のために努力を惜しまないさまは、周囲から尊敬のまなざしを浴びるはずですよ。
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