「ご厚意に甘えて」の正しい意味と使い方を解説！「ご好意」との違いは？

「ご厚意に甘えて」の意味

「ご厚意」には思いやりのある心、「甘えて」には相手の好意に遠慮なくよりかかるという意味があります。「ご厚意に甘えて」は、相手の思いやりの心や好意に甘え、ありがたく受け取るという意味を持つ言葉です。

「厚意」と「甘えて」それぞれの意味とともに、「ご厚意に甘えて」について正しく理解していきましょう。

他人の気持ちを指す「ご厚意」

「厚意」は「こうい」と読みます。他人が自分に示してくれた気持ちを指し、「思いやりのある心」という意味を持つ言葉です。「ご厚意」の「ご」は、相手への尊敬の意を表しています。そのため、「ご厚意」は目上の人への使用に適した丁寧な表現です。

相手の好意によりかかる「甘えて」

「甘えて」は、動詞である「甘える」の連用形である「甘え」に、接続詞である「て」が付いた形です。「甘えて」には、相手の好意に遠慮なくよりかかるという意味があります。また、慣れ親しんでわがままに振る舞ったり思いやり表す「ご厚意」と、その気持ちに遠慮なくよりかかる「甘えて」という言葉で成り立っています。つまり、相手の厚意をありがたく受け取るという意味を持つ言葉です。

親切心は、ありがたいと思う反面、ときに恐縮してしまうこともあります。相手の配慮に対し、申し訳ないと感じてしまうこともあるでしょう。

「ありがとうございます」「恐れ入ります」といった言葉に「ご厚意に甘えて」を付け加えると、より丁寧な気持ちを伝えることができます。状況によっては、親切心を断る際にも使用できる言葉です。

「ご厚意に甘えて」は、相手の厚意をありがたく受け取るという意味を持ちます。

「ご厚意」と「ご好意」の違いは？

「ご厚意」は行為に焦点が当たり、相手の「してくれたこと」に対する深い感謝を表す際に適しています。一方、「ご好意」は気持ちに焦点が当たり、相手の「親切な心」そのものや、継続的な良好な関係における親切に対して使われることが多いです。

迷った場合は、より丁寧な「ご厚意」を使うのが無難ですが、それぞれのニュアンスを理解して使い分けることで、より適切な表現ができます。

【Domani編集部の体験談】ビジネスシーンでの適切な使い方

実際のビジネスシーンで「ご厚意に甘えて」を使用する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。Domaniの編集者たちの「ご厚意に甘えて」にまつわる成功・失敗談を踏まえつつ、使用法を見ていきましょう。

【episode1】クライアントとの関係を深めることに貢献

Domani編集部 T氏（28）

以前、クライアントから突然の仕様変更を打診された際、納期が厳しく困っていました。先方が「できる限り協力します」と申し出てくださったので、「ご協力いただけるとのこと、ありがたい限りでございます。ぜひ、ご厚意に甘えさせていただきたく存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」と返答。u003cstrongu003e感謝と依頼の気持ちを丁寧に伝えることで、より強固な信頼関係を築けました。u003c/strongu003e

【episode2】厚意に甘えるだけでなく提案や根拠を示すのが重要

Domani編集部 T氏（36）

役員の方から「何か困っていることはないか」と聞かれ、具体的な課題を深く考えずに「ご厚意に甘えて、〇〇の予算を増やしていただきたいです」と答えてしまったことがあります。後日、予算増の根拠を問われ、明確に答えられず。安易に厚意に甘えるだけでなく、u003cstrongu003e自身の提案や根拠をしっかり準備すべきだったu003c/strongu003eと反省しました。

「ご厚意に甘えて」の使い方と例文

「ご厚意に甘えて」は、会話はもちろんメールでも使用可能で、ビジネスシーンでの活用に適しています。より丁寧な表現が好まれる場面で使うと、相手に良い印象を与えることができるでしょう。ここからは「ご厚意に甘えて」の使い方や使用シーン、例文をご紹介します。

「ご厚意に甘えて」の使い方と使用シーン

「ご厚意に甘えて」は、相手の親切な申し出をそのまま受け入れるときに、感謝やお礼の気持ちを込めて使います。上司に食事をご馳走してもらったときや、お土産をもらったときにも適した表現です。体調不良で上司が早退を提案してくれたときにも、相手に対する感謝の気持ちを伝えられます。

目上の人にも使える「ご厚意に甘えて」は、上司や取引先にも積極的に使いたい言葉です。例文を参考に、使い方をマスターしていきましょう。

「ご厚意に甘えて」の例文

「ご厚意に甘えて」は、上司や目上の人への親切な行為に対し、次のように使用します。

上司に飲食店で奢ってもらったとき

お土産や差し入れを受け取るとき

勤務中に体調不良となり、早退を提案されたとき

イベントやパーティーなど招待されたとき

自分がやるべきことを代わりにやってもらったとき

恐縮や謝罪の気持ちを伝えたいとき

相手からの誘いを受けたいとき

「ご厚意に甘えて」の注意点

「ご厚意に甘えて」は、目下の相手や友人には使いません。また、状況によっては適さなかったり、お詫びの言葉を添えたりしたほうが良いこともあります。「ご厚意に甘えて」を正しく使用するために、以下の注意点を確認しておきましょう。

自分から見て目下の相手や友人には使わない

「ご厚意に甘えて」は、上司や目上の人に使う言葉です。自分より目下の部下や後輩、親しい友人には「遠慮なく」を使ったほうが良いでしょう。

目下の部下や後輩から厚意を受けたときには、次のように感謝の気持ちを伝えます。親しい友人には、素直に「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるだけでも十分でしょう。