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「益々」の意味はさらに、いっそう
「益々」には、「以前より程度が甚だしくなる様」「なおいっそう」という意味があります。よりいっそう良い状態になる、よりいっそう発展するといったポジティブな内容に使用する言葉です。
今後の状態や状況を表す言葉でもあり、「このプロジェクトが成功すれば益々重要な案件になるでしょう」のように「益々」の後に続く文を強調する働きがあります。また、もっと良くなるように、もっと発展しますようにという願いを込めることができる言葉です。
「増々」という漢字表記でも間違いではなく、意味合いも「益々」と同じです。しかし「益々」の慣用的表現が「増々」のため、「増々」を使うことはほとんどありません。ひらがなで表す「ますます」も意味合いや、使い方は同じです。
日常の会話では漢字表記の「益々」を使うと、堅苦しい印象になってしまうため、「お子さんの成長がますます楽しみですね」というようにひらがな表記の「ますます」を使う場合が多く、一方、ビジネスの場では漢字表記の「益々」を使います。
「益々」の後に続く言葉や、使い方を間違えると、相手や先方に失礼な表現になってしまうことがあるので注意が必要な言葉です。
「益々」の正しい使い方と使う時のポイント
「益々」の後には相手を敬う言葉を使います。そのため、利益増大、繁盛などポジティブな内容に使うのが正しい使い方です。「益々」を正しく使う際は、次のポイントを押さえておきましょう。
■「益々」を使う時はポジティブな内容に使う
「益々」の益という字には、利益や儲けといった意味合いがあります。また「益々」は、程度や数字が大きくなることを表現する「益す」を重ねた言葉です。
そのため「益々」は基本的には、今より良い状態になることや、今より発展していくなど今後プラスになる内容に使う言葉といえます。利益や儲け以外にも、健康や家庭の繁栄に対してポジティブな内容で使います。
■「益々」の後には相手を敬う言葉を使う
「益々」は後に続く言葉を強調する言葉でもあります。そのため、「益々」の後に続く言葉は相手を敬う言葉になっていることが重要です。
例えば、「益々のご活躍を楽しみにしております」という表現だと、敬語としては間違った使い方になります。「益々のご活躍をお祈り申し上げます」という表現が正しい使い方です。
「益々」を使った例文や類義語をご紹介
「益々」は、日常での会話やビジネスでも幅広く使われている言葉です。「益々」の例文には「更なる」「以前にも増して」「いっそう」があります。例文も併せてご紹介します。
■「益々」の日常会話での例文
日常の会話では、漢字で「益々」と表すと堅苦しい印象になってしまうことがあります。そのような場合はひらがなで「ますます」と表すと良いでしょう。
・テレビでうちの店が紹介され、益々お客さんが増えた
・息子がひとり歩きをするようになり、今後の成長が益々楽しみだ
・今日の午後は益々暑くなりそうです
天気や体調などを「益々」を使って表す際、「益々暑くなる」のように以前より良いとも悪いともとれる表現になる場合があります。その際は、より良くなるという意味の「益々」ではなく、ひらがなで「ますます」と表記すると良いでしょう。
また、「雪が降ると、ますます寒くなる」「風邪をひいてますます具合が悪くなる」など、以前より状態が悪くなる表現に使う時にも「(相手にとって)今よりも良くなりますように」と願いを込めて「ますます」と書くこともあります。
■「益々」のビジネスシーンでの例文
ビジネスでは、手紙や文書のあいさつ文に「益々」を使います。取引先企業の成績がさらに伸び広がることを願う、相手が第一線でさらに活躍することを願う、といった意味合いで使います。
・益々ご隆盛のこととお喜び申し上げます
・益々のご発展をお祈り申し上げます
・益々のご活躍、ご多幸をお祈り申し上げます
「益々」という言葉自体には、相手に対する敬意は含まれていません。「益々」の後に続く言葉は、ご活躍、ご隆盛といった言葉を使い、相手に敬意を表すことができる文章を作りましょう。ビジネスで「益々」を使う際は、縁起の良いことを表す際に使います。