「自己承認欲求」が強くなる原因とは?
なぜ「自分を認めたい」という欲求が強くなるのか、その原因として考えられるものを紹介していきます。
あまり褒められた経験がない
「自己承認欲求」が強くなる原因の1つに、子供時代に褒められた経験がない、あるいは少ないことが挙げられます。「誰にも褒めてもらえない自分はダメだ」と捉えるため、自分自身で自分を認める必要が生じるのです。
その影響もあり、自分に課すハードルをどんどん上げてしまいます。結果、「自己承認欲求」ばかりが肥大化し、自分を追い込んでしまうのです。
SNSにとらわれている
「SNS」が浸透しているのも、「自己承認欲求」が強くなる原因かもしれません。「いいね」やコメントなどは、他人が自分に興味があるかどうかを知るバロメーターの1つ。自分の価値を数字で明確に把握することができると感じてしまいます。それを気にし過ぎて、自慢やアピールばかりの投稿になることも…。
自分に自信がない
自分を認めたい気持ちはあるのに、コンプレックスがあったり、自信が持てない状態になると、「まずは周りに認めてほしい!」という思いが強くなることが考えられます。ちょっとでも褒めてくれる人に依存をしてしまう可能性も。
「自己承認欲求」を満たす方法とは?
ここからは「自己承認欲求」を満たす方法を紹介します。自分で満たすことができると、つらさや苦しさが少し緩和されるかもしれません。
自分を褒める
繰り返しになりますが、「自己承認欲求」は自分が自分を認めることで満たされます。大切なのは、「何かを成し遂げた自分」ではなく、「ありのままの自分」を認めることです。
今まで苦しいことやつらいことがあっても、なんとか乗り越えてきたはず。過去の頑張りがあるからこそ、今の自分がいる。そのことを否定せず、自分のことを褒め、認めてあげてくださいね。
身近な人の愛を感じる
家族や友人、パートナーの愛を感じてみてください。大切な人は、自身の一部と感じられることも。そのような人から「愛されている」と感じることで、「自分は価値ある人なのだ」と認めることができるでしょう。
自分を大切にする
条件をつけずに、自分で自分を大切にすることを心がける。自分の心地よさをキープするために、髪や服装を整えたり、着心地の柔らかい素材の服を選んでみたり、体にいいものを食べてみたり。「いつも自分が好きでいられる工夫」をしてみましょう。
「自己承認欲求」をうまく生かす方法も
厄介なものと思われがちな「自己承認欲求」ですが、実はうまく生かす方法があります。ここからは、その方法を見ていきましょう。
小さな成功体験を積み重ねる
自分で自分を認めるために、少しずつ成功体験を増やすといいですね。新たなことにチャレンジする、今やっていることのレベルを少しずつあげるなどをして、成功体験を積み重ねます。人は、自分の変化を感じることで、成長していると実感します。小さな成功体験は、「自己承認欲求」を満たしてくれるでしょう。
自分の強みを知る
「自己承認欲求」が強い人ほど、実は、具体的な自分の強みを知らないかもしれません。「あなたの強みは? 」と質問されて答えに困ると感じるなら、自己分析をして強みを知るといいですね。
自分の強みを知るには、周りの人や専門家に頼るのがいいでしょう。客観的に自分を見てくれる他者と一緒に、強みを見つけていく。その強みを通して、自分が注力すべきことを見つけたり、セルフコントロールを身につけらることが可能となります。
周りの人を褒める
「自己承認欲求」の強い人は、周りと競争しがちです。だからこそ、自分の周囲に目を向けて、周りにいる人の長所や強みを褒めてみるのはいかがでしょう?
相手のよい部分を見つけて伝えることは、周囲との調和を生み、場の雰囲気を変えるでしょう。それ以外にも、きっと多くのことを得られるはずです。
「承認欲求」が強い人との付き合い方
ここからは、承認欲求が強い人との付き合い方を紹介します。承認欲求が強い人とかかわるのは、大変なことも多いでしょう。しかし、付き合い方を心得ておくと、ストレス回避につながるはず。ぜひ参考にしてください。
承認欲求が強い人だと理解する
まず心がけたいのは、相手は承認欲求が強い人であると理解すること。承認欲求が強い人だとわかっていれば、心構えをした上でつき合えるはず。その意識があれば、相手の言動に振り回されることも減るでしょう。
相手の話を真に受け過ぎない
承認欲求が強い人は、話を盛ったり、誇張表現を使って気を引こうとしたりする傾向があります。話を真に受けてばかりいると、「この人は自分を受け入れてくれる」と思い、相手はさらに多くを求め、依存をするようになる可能性があります。
適度な距離を保ち、プライドを傷つけないようにする
承認欲求が強い人は、プライドを傷つけられると感情のコントロールが難しくなりがちです。注意や指示をする際は、その行為のみに触れることを意識するといいですね。絶対に避けたいのは、人格否定をしていると誤解させること。また、表現や言い方も注意を払うようにしてください。
適度な距離を保つのも、大切です。近づき過ぎると、自分も相手もつらくなるかもしれません。相手との距離をはかりながら、付き合うことをおすすめします。
最後に
「自己承認欲求」が強いのは、悪いこととではありません。向上心を持ち、自分を高めていけるのは素晴らしいことですよね。しかし、その度合いが強過ぎると、相手や自分を苦しめる原因に。まずは、「自己承認欲求」が強いこと自覚できれば、コントロールする事ができるようになります。
TOP画像/(c) Adobe Stock
【監修】キャリアコーチ・菊池啓子
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