トーク力とは
そもそも、トーク力とはどのようなスキルを指すのでしょうか。トーク力について掘り下げる前に、トーク力の意味や似ている言葉との違いを把握しましょう。
伝えたいことを相手に正しく伝えるスキル
トーク力とは、「自分の考えや意見を相手に正しく伝えるスキル」のことです。話の内容はもちろん、声のトーンや抑揚などの話し方も含まれます。
トーク力を磨くメリットは、自分の話に興味を持ってもらえたり、聞き手に好印象を与えたりするため、スムーズなコミュニケーションが取れるようになること。あらゆることを相手に分かりやすく伝えられれば、初対面の人ともすぐに打ち解けられます。
雑談力との違い
トーク力と雑談力の違いは、「目的」と「主体」です。トーク力は伝えたいことを相手に正しく伝えるスキルで、話し手に明確な目的があります。また、会話の中心となるのは「話し手=自分」です。
対して雑談力は、会話をしながら相手の情報を得て、距離を縮めたり信頼関係を築いたりするスキルを指します。情報を聞き出すために、会話の中心は「相手」になることが多いでしょう。
また、会話の明確な目的よりも、関係を深められるよう「相手を主役にすること」が重要です。雑談は、あいさつ+たわいない会話で構成されることが多いので、場を和ませる・気まずさを解消するなどの効果も期待できます。
トーク力がない原因
トーク力がある人とない人には、どんな違いがあるのでしょうか。トーク力を身に付けたい人は、まずはトーク力がない原因を知り、改善に役立てましょう。
そもそも人前で話すことが苦手
人前に出ると手足が震えたり、うまく声が出せなかったりした経験がある人も少なくないはずです。人前に立つという状況に緊張が高まり、赤面・震え・発汗などの身体反応が表れます。
また、失敗への恐怖や羞恥心から、人前で話すことに苦手意識を持つ人もいるでしょう。「上手に説明できなかったらどうしよう」「言い間違えたら恥ずかしい」など、自分にばかり意識が向くと、さらに不安を募らせてしまいます。
不安が強くなると体が余計に緊張して、ますます「人前で話すのは苦手だな」という意識になるのです。
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語彙力が乏しい
語彙力が乏しいと、伝えたいことを言葉でうまく表現できず、自分にはトーク力がないと感じる人もいます。語彙力とは「人が持っている単語の知識と、それを使いこなす能力」です。
語彙力の欠如は、誤解を招く原因にもなります。例えば、「今日食べたケーキがすごかった」と言われた場合、おいしかったのかおいしくなかったのかは話し方や表情で判断できても、その理由までは分かりません。ケーキの感想を正しく相手に伝えるためには、味を具体的に表現する語彙力が必要なのです。
また、専門性の高い話をする場合は、語彙力の有無が理解度に直結します。「専門用語を正しく使えているか」「用語の意味を正しく説明できているか」と不安になる人は、そもそも専門用語を理解できていない可能性があります。
トーク力がある人の話し方の特徴
トーク力がある人は話の内容が面白いだけでなく、話し方にも工夫が見られます。トーク力がある人の話し方の特徴を押さえて、できることからマネをしてみましょう。
ハキハキと話す
トーク力がある人の話し方に見られる特徴の一つに、「ハキハキと話す」ことが挙げられます。会話をしているときに相手から聞き返されたり首をかしげられたりして、自信をなくしたことがある人もいるのではないでしょうか。
トーク力のあるなしではなく、そもそも話している内容を相手が聞き取れていない可能性があります。流暢に話そうとする気持ちや緊張から、早口になっている可能性もあるでしょう。
また、早口で話そうとすると口の動きが小さくなるため、小声になりがちです。人前で話すときは、大げさに感じるくらい大きな声でゆっくり話すように心掛けましょう。
言葉のチョイスが的確
自分の考えや意見を正しく伝えるためには、伝えたい内容と同じ意味を持つ言葉選びが重要です。トーク力がある人は言葉のチョイスが的確なので、聞いている人も話の内容を想像しやすくなります。
例えば、「赤い口紅」について説明する場合、使う言葉によって想像する口紅が異なるはずです。
・透明感があるシアータイプの赤い口紅
・キラキラしたラメ入りの赤い口紅
・ツヤを抑えたマットタイプの赤い口紅
・潤いのあるツヤ系の赤い口紅
また、学生が使う流行語は、学生同士なら問題なく伝わっても、親や先生には伝わらない可能性があります。的確な言葉をチョイスするには、話を聞く相手の語彙力にも配慮する必要があるのです。