間の取り方がうまい
トーク力がある人の話し方には、「間の取り方」にも特徴があります。「間」とはしゃべらない時間、つまり沈黙です。会話をしている中で、不意に訪れる「沈黙」に苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。
気まずい空気に耐えられず、矢継ぎ早に話して沈黙を埋めようとする人もいますが、それは逆効果にもなり得ます。改行のない文章が読みにくいのと同じで、スムーズな会話をするためには「間」が欠かせません。
「間」は、使い方次第で大きな武器になります。聞き手の思考を整理する時間にしたり、重要なことを伝える前に注意を引いたり、使い方はさまざまです。
▼あわせて読みたい
話し方以外の特徴
トーク力がある人は、話し方や言葉の使い方がうまいだけではありません。この他にも、聞き手を引き付けるためのさまざまな工夫を行っています。どんな特徴があるのか見ていきましょう。
非言語的コミュニケーションを使う
トーク力がある人は、話術以外の「非言語コミュニケーション」をうまく使っています。
その重要性を示す根拠が、「メラビアンの法則」です。「7-38-55の法則」「3Vの法則」とも呼ばれ、コミュニケーションで受け取る情報の影響力を示す法則になります。
コミュニケーションにおいて、「言語(verbal)」「聴覚(vocal)」「視覚(visual)」から情報を受け取ったときの影響力は以下の通りです。
・言語情報:7%
・聴覚情報:38%
・視覚情報:55%
つまり、話し方や声のトーンなどの聴覚情報よりも、ジェスチャーや表情といった視覚情報から影響を受けやすいのです。トーク力がある人は話術だけでなく、視覚情報を活用することにも長けています。
記憶に残る鉄板ネタがある
トーク力がある人の多くは、記憶に残る鉄板ネタを持っている傾向にあります。聞き手の記憶に残る話とは、感情を大きく揺さぶられる話です。話のジャンルは問わず、笑える話でも泣ける話でも構いません。
いろいろな人に話す鉄板ネタは、トークの練習にもなります。何度も繰り返し話すことで余裕が生まれ、ジェスチャーや適度な間を入れるなど、トーク力も洗練されていくのです。聞き手の反応を見ながら、アドリブを加えることも可能になるでしょう。
トーク力を鍛える方法
トーク力の中にもさまざまな技術があるように、トーク力を鍛える方法も多岐に渡ります。自分に合った方法を見つけて実践し、トーク力を高めましょう。
まずは自分のトーク力の現状を知ろう
トーク力に限らず、スキルを磨く際には自分の現状を把握することが大切です。人の話し方には少なからず癖があり、本人が自覚していない癖もあります。
自分のトーク力や話し方の癖を知るには、自分が話している様子を録画するのがおすすめです。人と話している場面でも、一人でスピーチ練習をしている場面でも構いません。撮影した動画を見ると、自分では気付けなかった癖が見つかります。「あの~」「えっと~」といった口癖や間の取り方、話しているときの視線など、トーク力を上げるために改善すべきポイントが分かります。
本やラジオなどで語彙力や表現力を増やす
トーク力を鍛える際には、1人で漠然と練習するよりも、手本となる存在を見つけるとよいでしょう。おすすめは本やラジオ、テレビなどのメディアです。本や新聞などの活字媒体は、語彙力の強化に適しています。あらゆる情報が文字だけで表現されているため、言葉を選択する腕が上達するでしょう。
ジェスチャーや表情に頼らず、聞き手を引き付けるトーク術を学ぶなら、声のみのラジオが最適です。また、テレビや落語は非言語コミュニケーションを含めたトーク力の手本となります。芸能人や落語家はしゃべりのプロです。ジェスチャーや抑揚、視線など、トーク力に必要なあらゆる技術を学べるでしょう。
場数を踏むことが大切
トーク力は伝えたいことを伝えるためのスキルですが、会話は相手との相互コミュニケーションになります。聞き手にとって心地よい話し方や間の取り方を身に付けるには、場数を踏むことが大切です。
人前で話すことが苦手な人にとっては、場数を踏むこと自体が苦痛に感じることもあるでしょう。しかし、相手に伝わりやすい表現は、人前で話して聞き手の反応を見なければ分からないのです。
他人の前で話すと緊張してしまう人は、家族や友人など、失敗する姿を見せられる人に話を聞いてもらいましょう。鉄板ネタになり得るエピソードなら、何度も練習して表現力を磨いてから話すのがおすすめです。
こちらの記事もたくさん読まれています
「説得力」のある人に共通する話し方とは? 今から実践できる説得力を高める簡単な方法
ムードメーカーになりたい! 5つのタイプ別の特徴となり方、診断テストもご紹介
▼あわせて読みたい