【目次】
・自己開示とは?
・自己開示の効果について
・会話力を高める!自己開示のやり方
・自己開示しない人・できない人の特徴とは
自己開示とは?
自己開示とは具体的にどのような行動を指すのでしょうか。「自己呈示」との違いについても見ていきましょう。
自分の情報を他者に伝えること
自己開示とは、会話の中で「自分の情報」をありのままに他人へ提供することです。出身地や学歴、家族構成、食べ物の好み、趣味、特技、弱点など、自分に関する情報が含まれます。自分の情報を開示すると、相手も情報を教えてくれるようになり、この自己開示によって初対面の人とも会話が弾み、お互いの距離を縮めることができるようになります。
自己開示と自己呈示の違い
自己開示はあくまでも「素の自分」をさらけ出す言動です。相手にほめてもらったり、周囲に認められたりすることを目的にした言動は「自己呈示」と呼ばれています。もし、自分の出身校が誰もが憧れる有名大学だったとして、相手に出身校を聞かれた際に「○○大学です」と答えるのは自己開示です。それとは別に、出身校について聞いていない状況で「○○大学にいたときにこんな失敗をして…」と話すのは自己呈示と受け取られます。
一見在学中の失敗談をフランクに話しているように見えますが、実は優秀な大学を出ていることをほのめかし、相手によく思われたいという意識が働いているのです。就職試験の面接などでは、自己開示を求められているのについ自己呈示をしてしまうケースもあるそう。
自己開示の効果について
仕事・プライベートにかかわらず、自己開示は良好な人間関係の構築に役立ちます。自己開示で得られる効果を具体的に見ていきましょう。
話し上手な人の会話の特徴とは?相づちなど目に見えるアクションも取り入れてみて
短期間、短時間で相手からの信頼を得やすい
自分の情報を伝えることは「相手を信頼しているよ」というサインにもなります。例えば、職場で知り合った人や保育園のママ友などと親しくなるためには、まず相手との信頼関係を築く必要があります。
そのようなときに、あなたが自己開示をすることによって、数回会話をするだけでも相手はあなたに心を開きやすくなると考えられます。場合によっては、自身が抱えている悩みなども打ち明けてくれるかもしれません。
返報性の法則で、より親密に
自己開示をすると「返報性の法則」によって、相手もあなたに対して自己開示をしやすくなります。あなたが情報を教えてくれたことに対して、自分のことも話してみようと思うのです。例えば、あなたが出身地や家族の話をすれば、相手も同じことを伝えやすい状況が発生します。あなたと会話をすると盛り上がると分かれば、相手の方から自己開示をしてくるかもしれません。自己開示をすればするほどお互いの情報交換が進み、より親密になれます。
自分に自信を持つことにもつながる
自己開示は相手との信頼関係を築くほかに、自分に自信を持つきっかけにもなります。自分が話した内容に相手が賛同してくれたり、価値観を認めてくれたりすると、うれしく思うのは自然なこと。
例えば趣味の話をしたときに、相手にも同じ趣味があり一緒にやろうと盛り上がれば、相手があなたのことを受け入れたことになります。また、あなたが考えたアイデアを相手が応援してくれるときは、自分と同じ考え方の人がいることに嬉しく感じ、実行する勇気をもらえます。
会話力を高める!自己開示のやり方
自己開示は会話の幅を広げ、相手の情報を得ながら信頼関係を築くのがポイントです。自分のことを話すだけではなく、相手が話しやすい雰囲気を作ることが大切です。会話が弾む自己開示の方法を紹介します。
聞きたいことは自分から開示
相手に聞きたいことがあれば、先に自分から情報を開示しましょう。どんなスポーツが好きなのか知りたいときは、まず自分が好きなスポーツの話からはじめます。何の前触れもなく「スポーツは何が好きですか?」と聞かれても、相手はどう答えてよいのか分かりません。「なぜいきなりそんなことを聞くのだろう」と、不審に思われてしまう可能性もあるので自分から質問へとつなぐ話題をふりましょう。
とはいえ「テニスが好きで毎週スクールに通っているんです」のように、自分のことだけ話すのもNGです。せいぜい「どこのスクールか」を聞かれる程度で、相手の好きなスポーツを聞き出す目的は果たせません。「私はテニスが好きでスクールに通っているくらいです。あなたはどんなスポーツがお好きですか?」と質問形式にすると、相手は答えやすくなります。
会話中に話のネタに困ったことはある?100人に聞いたオススメ&避けるべき話のネタ・臨床心理士の解説も紹介
返事にプライベートな話を挟む
職場の同僚やクライアントと一緒にいるときは、仕事の話題が中心になり自己開示をしにくい場合があります。雑談を盛り上げたいときは、質問に返答する際にさりげなくプライベートな情報を挟んでみてはいかがでしょうか。
例えば「今日は寒いですね」と話しかけられたら、「本当に寒いですね。実は北海道の出身なので寒さには強いのですが、今日はさすがにこたえます」のように返します。自分の出身地を開示することで相手の出身地を聞くことができるかもしれませんし、「家でやっている寒さ対策」など、話題を広げるきっかけになります。
いきなり深いところまで話さないよう注意
自己開示をするときは、情報の出し過ぎに注意が必要です。短期間で仲良くなりたいと思うあまり、一度にいろいろなことを話してしまっては相手も混乱します。また、知り合ったばかりの人から重い悩み相談されてしまっては、相手にとっては迷惑です。プライベートに深く踏み込むような話題は、相手との信頼関係を十分に築いてからでも遅くはありません。最初は出身地や趣味などの話しやすい内容に、会うたびに少しずつ情報を出していくのが自己開示のポイントです。
自己開示しない人?できない原因とは
自己開示はコミュニケーションを円滑にするために有効な手法です。しかし誰もが積極的に自己開示できるとは限りません。どんなに自分のことを話しても、相手が心を開いてくれないケースもあります。自己開示をしない、またはできない人の特徴を見ていきましょう。
相手を信じられない
自己開示は自分の情報をさらけ出すことです。相手に少しでも不信感を持っている場合、自分のことを話す気にはなれません。初対面の人から「あなただけに伝えます」などと、急に重大な秘密を打ち明けられたら、ほとんどの人は「本当は誰にでも話しているのでは?」とかえって疑いを抱きます。そのような相手には、あえて自己開示をしたいとは思わないものです。また、警戒心が強く心配性な人も、自己開示をしにくい傾向があります。相手にどう思われるのかが不安で、どこまで情報を出せばよいのか分からず、上手く自己開示できないのです。
自己開示がプレッシャーになっている
会話は本来、当人同士の自由な意思で行うものです。無理に話題を探したり、話したくないことを話したりする必要はありません。ところが会話の相手が自己開示を始めると、自分もお返しをしなくてはという空気になることもあります。自己開示にプレッシャーを感じ、口が重くなってしまうのです。自己開示が苦手な人は、当たり障りのない情報を出すことから始めていきましょう。趣味や好きな食べ物などの情報であれば、変に思われず、相手も話題を振りやすくなります。
あわせて読みたい
▶外資系IT企業の女性リーダーが実践!仕事がやりやすくなる職場のコミュニケーション術【ワーキングマザーの仕事術】
▶会話が続かないのはなぜ?初対面の人との会話に適したネタもご紹介