俯瞰とは | 基礎知識をおさらい
俯瞰(ふかん)の意味は、「高いところから見下ろす」「物事の全体像を捉える」です。物理的な意味としても、比喩的な意味としても使われます。
特にビジネスシーンで多用されるため、見聞きする機会の多い言葉です。しかし、「俯瞰で見る」のように、誤った使い方をしているケースは少なくありません。
ここでは俯瞰の意味や読み方、よくある誤用を解説します。俯瞰を正しく使えるように、基礎知識を理解しておきましょう。
■俯瞰の意味や読み方
俯瞰には2つの意味があります。1つ目は「高いところから下を眺める・見下ろす」という物理的な意味です。2つ目は比喩的な意味で、「広い視野で客観的に物事を見る」です。
元々は物理的な意味をもつ言葉でしたが、「全体像を捉える」が転じて、「自分自身の状況などを客観視する」といった意味で使われるようになりました。
漢字の成り立ちを見ると、「俯」には「うつむく」「身をかがめる」、「瞰」には「高いところから見下ろす」という意味があります。それぞれの漢字の意味を知っておくと、俯瞰のイメージが掴みやすくなるでしょう。
■よくある俯瞰の誤用
俯瞰のよくある誤用として、「俯瞰で見る」が挙げられます。特にビジネスシーンでよく使われますが、二重表現のため正しい言い回しではありません。
なぜ「俯瞰で見る」が二重表現なのかというと、俯瞰にはすでに「見る」という意味が含まれているからです。「見下ろす+見る」と意味が重複してしまうため、二重表現として扱われます。
正しい意味として使うなら、見るを取って「俯瞰する」だけで構いません。または、「俯瞰的に捉える」などに言い換えることも可能です。
【例文付き】俯瞰の使い方3つ
俯瞰には、主に3つの使い方があります。
1.物理的な使い方
2.比喩的な使い方
3.ビジネスシーンでの使い方
それぞれの使い方を覚えておくと、さまざまな場面で俯瞰を使えるようになるでしょう。特に俯瞰は誤用されることが多い表現であるため、正しい使い方を理解することが大切です。
ここでは、俯瞰の3つの使い方を例文とともに解説します。
1.物理的な使い方
物理的な使い方で俯瞰を使用するのは、何かを高いところから見下ろすときです。例えば、写真を撮影する場面や、上から何かを見渡す場面などが挙げられます。
俯瞰を物理的な意味で使う際の例文は以下を参考にしてください。
【例文】
・指揮者が指揮台から演奏者を俯瞰する。
・高層ビルから街並みを俯瞰する。
・SNS用の写真を俯瞰撮影する。
2.比喩的な使い方
俯瞰には、「広い視野に立って客観視する」「全体像を捉える」といった比喩的な使い方があります。例えば、自分が置かれている状況や、自身の人生について考える場面などが当てはまります。
俯瞰の比喩的な使い方を例文で確認しましょう。
【例文】
・自分の現在の状況を俯瞰的に捉えて、物事の優先順位をつける。
・ミスをして落ち込みましたが、人生を俯瞰して立ち直りました。
・自分自身を俯瞰する力を磨く。