【目次】
・「百戦錬磨」の意味や読み⽅とは?
・使い⽅を例⽂でチェック
・類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
・英語表現とは?
・最後に
「百戦錬磨」の意味や読み⽅とは?
「百戦錬磨」は、漫画やゲーム・小説などでよく使われているので、馴染みのある方が多い四字熟語ではないでしょうか。けれども、改めて意味や使い方を聞かれると不安になる方も多いのでは? この記事でしっかりと確認しておきましょう。
読み⽅と意味
「百戦錬磨」は「ひゃくせんれんま」と読みます。「百戦」は100回分の戦いを指すのではなく、数が多いことを意味し、技芸などを鍛え磨く「錬磨」と合わさった四字熟語で、意味は「数多くの実践によって鍛え抜かれる」となるのです。
「百戦錬磨」と「百戦練磨」はどちらが正しい?
「鍛え磨く」や「練り磨く」を意味する「錬磨」は「練磨」という漢字で表記する場合も。片方は、「鍛錬」や「錬金術」の「錬」、もう一方は「練習」や「訓練」の「練」ですね。
辞書を引いたところ「百戦錬磨」は出てきましたが、「百戦練磨」では出てきません。しかしながら、「練磨/錬磨」の項目ではどちらの「れんま」でも使用可能と取れる「百戦―」という表記となっています。
このことから、「れんま」だけで使用する場合は「練磨」「錬磨」共に使用可能ですが、四字熟語として使用する場合は「百戦錬磨」を使用するのが無難であると言えるでしょう。
使い⽅を例⽂でチェック
それでは、「百戦錬磨」の使い方を、例文と共に確認していきましょう。
1:「彼は百戦錬磨のプロボクサーだ」
例文は、プロボクサーとしていますが、「百戦錬磨」は実際に戦うような職業でなくても、もちろん活用することができます。スポーツ選手だけでなく、営業が得意で顧客の心をつかむのが上手な人、囲碁や将棋で強い人、その道を極めている人に対して形容詞として使えますね。
2:「百戦錬磨の彼女でも、負けることがある」
勝ち続けている人に対してだけでなく、こういった表現でも使えます。どんなに勝ち続けている人も、どんなに順風満帆でその道を極めていても、時には失敗や苦難に出会いますね。「百戦錬磨」を使うことで、今までの強さが際立ち、意外性のある結果となったことがわかります。
3:「このゴルフドライバーは、私と百戦錬磨を乗り越えてきた相棒だ」
実は例文のような表現をすれば、人だけでなく物にも形容できる言葉です。自身がある道を極めてきた過程で、長年使ってきた愛着のある道具や機械、時にはカバンやペンだったりすることもあるでしょう。自身の経験とともに物を紹介したり、説明する際にも使えます。ただし、会話での表現よりも文章表現の要素が強くなります。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
次に、類語や言い換えはどんなものがあるのか。一緒に見ていきましょう。
1:千軍万馬
「百戦錬磨」と同じく大きな数字から始まる「千軍万馬」は「せんぐんばんば」と読みます。大規模な軍隊を表した言葉で、勢いのある軍隊を指す時にも使い、多くの苦難や戦闘を乗り越えて、育った経験豊かな人材のことも指すことも。一般的には人生経験豊かな人という意味で使用します。
同じ意味合いで似た四字熟語に「千兵万馬(せんぺいばんば)」もありますので、併せて覚えておきましょう。
2:海千山千
世の中のことを知り尽くしているという意味を持つ「海千山千」。「うみせんやません」と読みます。様々な経験を経て酸いも甘いも知り尽くしているというニュアンスの言葉で、特に異性関係の経験が豊富であることを指し使われることも。経験豊富という意味では「百戦錬磨」に近いですが、ネガティブな要素を含むため、使い方には気をつけましょう。
3:飽経風霜
初めて見る四字熟語の方も多いのではないでしょうか。「ほうけいふうそう」と読み、飽きるほど何度も経験するという意味の「飽経」と、試練や苦労を意味する「風霜」の2つの熟語から出来ている言葉。苦難を飽きるほど経験して、世渡りの術を身に着けている人に使います。ただし、やや狡猾さのある人を指すので、「海千山千」と同様に使い方には気をつけてくださいね。
英語表現とは?
では、英語での「百戦錬磨」と同様の単語が存在するのか。3つ紹介しますので、確認していきましょう。
1:「veteran」
「百戦錬磨」に近い英単語の1つが「veteran」で、意味は「老練」「老巧」です。日本語でもすっかりお馴染みで、「ベテラン」は日常的に使用しますね。日本では専門家や熟練者を指しますが、英語圏で「veteran」は、退役軍人や老兵など軍人を指す言葉でもあります。まさに多くの戦場を潜り抜け鍛えられた人たちですね。その道に長く携わってきた人も表現できる言葉です。
例文:He is a veteran Japanese tea ceremony master.(彼は老練な茶道家です)
2:「expert」
「expert」も皆さん「エキスパート」というカタカナ表記でよく目にされるのではないでしょうか。専門家や熟練者を意味し、「veteran」がある程度年齢が上の方に使うのに対し、「expert」は技量や専門性の高さに対して使用します。
例文:She is an expert in penmanship.(彼女は書道の名人だ)
3:「professional」
こちらも日本語と言っても過言ではないほど当たり前に使っていますね。「professional」つまり「プロフェッショナル」です。日本では「プロ」と略して職業の前につけて使うことが多いですね。意味は「専門家」「玄人」など一つの職業に従事し、極めているというニュアンスで使用できます。
例文:My sister is a professional musician.(私の妹はプロの音楽家です)
最後に
改めて、「百戦錬磨」について解説しましたが、使い方など理解できましたか?言葉に馴染みはあっても、細かいニュアンスなどは知らなかった方もおられたかもしれません。逆に英語の方が日常生活で使っていた方も多いと思います。日本語・英語ともに親しみのある言葉。どちらも正しく使っていきましょう。
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