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【目次】
エアープランツの人気の秘密
エアープランツの人気の秘密を探りましょう。エアープランツには、一般的な植物とは違う魅力があります。
土がなくても育つ植物
エアープランツとは、空中でも育つ植物のことです。大気中の水分を吸収することで生長する、特殊な性質があります。土が不要でディスプレイの仕方が自由自在にアレンジできることから、最近インテリアとして人気を集めています。
また、「エアープランツ」という種類の植物が存在するわけではありません。ブロメリア科チランジア属・パイナップル科チランジア属など、さまざまな多年生植物を総称してエアープランツと呼びます。(学名は「Tillandsia」のため、チランジアと呼ばれることもあります。)土がない空中でも問題なく育つことから「エアープランツ」と呼ばれるようになったのです。
本来は、北アメリカ大陸南部からメキシコにかけての乾燥地帯で自生している植物です。樹木や岩場で育ち、雨や空気中の水分を吸収していきます。
品種は700種類を超えるともいわれています。お気に入りのエアープランツを選んで飾れば、オリジナルのインテリアグリーンとして楽しむことができるでしょう。
「エアープランツ」の育て方、おしゃれな飾り方は? 管理のポイントも紹介|Domani
エアープランツの基本の育て方
エアープランツの育て方にはコツがあります。品種によって多少の違いはありますが、まずは基本的な育て方を見ていきましょう。
風通しのよい明るい場所に置く
エアープランツを屋外で育てる際は、明るさのある半日陰など、直射日光が当たらない場所で育てます。室内の場合は明るい窓辺などに置き、レースカーテンを閉めるなどして、やわらかい光を当ててあげましょう。
エアープランツの品種によっては、強い日差しに弱かったり、日が届かなすぎたりすると枯れてしまうことがあります。本来生育に土が必要なく丈夫な植物ではあるものの、あまりに苦手な環境が続くと弱ってしまうでしょう。日差しの管理を徹底することが大切です。
季節の温度・湿度の変化によって、思いがけずエアープランツにとって苦手な環境になってしまうことがあります。夏場は30℃を超えないよう、冬場は10℃を下回らないようにエアコンなどで温度調整をしましょう。できる限り風通しのよい場所に置くことが望ましいですが、エアコンの気流が直接当たる場所に置くことは避けます。また、乾燥にも弱いので湿度も管理してあげるとよいでしょう。
定期的にエアープランツの様子を見て、弱っている様子がないか確認しましょう。
霧吹きで水を与える「ミスティング」
エアープランツは乾燥地帯で自生するため、比較的乾燥に強い植物です。しかし、全く水やりをしなくてよいわけではありません。
普段の水やりには「ミスティング」という方法を用います。霧吹きを用い、全体に霧がかかるように水を与えましょう。基本的には週に2回ほどの頻度が理想的です。ただし、エアコンがきいた室内で育てている場合や、乾燥に弱い品種には毎日ミスティングを行うとよいでしょう。
時間帯は、夕方~夜間に行うことを推奨します。昼間はエアープランツの葉の気孔が閉じてしまっており、水分を与えても吸収できません。また、水やり後はエアープランツをきちんと乾かしましょう。水が溜まっている状態で放置すると、腐敗の原因になります。
乾燥が気になるときは「ソーキング」
エアープランツの乾燥が気になる場合には、「ソーキング」を行いましょう。ソーキングは、バケツやボウルなどの容器に水を張り、4~6時間ほどエアープランツを漬け込む水やり方法です。
水やりを長い期間忘れてしまっていたり乾燥した部屋で管理したりすると、エアープランツが弱ってしまいます。また、旅行や出張などで長く家を空ける場合などにも、枯れないように事前にソーキングで水分を与えておくと安心です。
ソーキングした後は、必ず逆さまにして風通しのよい場所でよく乾かし、葉の間に水が溜まらないようにしましょう。葉の間に水が残った状態で放置しておくと、根本から腐ってしまうことがあります。
頻度は、乾燥の度合いによって月に1~2回ほどを目安に、普段のミスティングと併用するのもおすすめです。
エアープランツは主に2種類
エアープランツには、大きく分けて2種類あります。種類ごとの特徴を把握し、自分の好みに合った方を見極めましょう。
銀色がかった「銀葉種」
銀葉種は、葉が銀色のように見える品種のエアープランツです。葉の表面は「トリコーム」という白い産毛で覆われており、ふわふわした外見をしています。トリコームには水分を吸収する役割もあるので、銀葉種は乾燥に強いのが特徴です。ミスティングなどで水をやる回数が少なく済み、家を空ける時間が長い人でも育てやすく手間が少ない品種です。
一方で、銀葉種は湿気に弱いデメリットがあります。風呂場などの湿気が強すぎる水場には置かないようにしましょう。湿気や直射日光を避ければ丈夫に育ちやすいので、初心者におすすめの品種といえます。
緑色でつるっとした「緑葉種」
緑葉種のエアープランツは、名前の通り鮮やかな緑色が特徴です。銀葉種と比較して葉の表面にトリコームが少なく、乾燥しやすくデリケートな品種です。銀葉種よりも栽培にテクニックを要するでしょう。直射日光と乾燥に弱い品種なので、窓辺に置くのは避けます。水やりの頻度も週2~3回ほどを目安に、気持ち多めに水やりするとよいでしょう。
緑葉種は、鮮やかな緑色とつるつるとした肌触りが人気です。エアープランツの栽培に慣れてからチャレンジしてほしい品種といえます。
エアープランツの選び方
元気な個体の見分け方、種類などについて知って、エアープランツ選びに役立てましょう。
葉や色や形、根元を確認
まずは葉の色や根元の状態、形などに着目しましょう。葉の色が生き生きとしており、傷みがないかを確認します。葉焼けで色褪せてくすんでいる、傷みやすい個体である可能性があります。また、黄色や白い斑点ができて変色しているものは、病気にかかっているかもしれません。鮮やかな色をしており、切り傷などがない元気なものを選びましょう。
また、重さと硬さにも注目です。持ち上げてみてしっかりと重さがあれば、水分が行き渡っている証拠です。硬さを確かめるときは、株の中心あたりを触ってみましょう。株の中心がスカスカだったり柔らかかったりする個体は、腐敗している可能性があります。
しっかりと状態を見極め、元気なエアープランツを購入しましょう。
咲いたときの花の色で選ぶ
エアープランツの中には、花を咲かせる品種もあります。花を咲かせるエアープランツの代表的な品種には、キアネア・カッパーペニー・ストロビリフォルミス・コットンキャンディなどです。上手く育てると、鮮やかでかわいらしい花を咲かすでしょう。花の色は品種によって異なりますが、オレンジ・ピンク・パープルなどが多いです。好きな色の花を咲かせるかという基準で、品種を選ぶのもおすすめです。
ほとんどの品種では花が咲くまでに時間がかかるため、花が咲く前に植物自体が枯れてしまうこともあります。花を咲かせる可能性を上げるには、できるだけ大きな株を購入することです。また、コットンキャンディやキアネアなどは、花をつけやすい品種といわれています。
大きく育つ大型品種もあり
エアープランツは10㎝前後のサイズが一般的ですが、中には直径30cm以上の大型品種も存在します。80cmを超える品種もあり、どっしりと貫禄があります。エアープランツの大型品種は、小型品種と比べてゆっくりと生長します。また、明るい場所を好みますが直射日光を苦手とするため、置き場所には工夫が必要です。
大型の品種は、大きなものほど比較的高値で取引されます。かなりスペースを取るため、自宅の置き場所を考慮しながら選ぶとよいでしょう。代表的な大型の品種として、キセログラフィカ・ファシキュラータ・ストラミネア・ドゥラティー・カピタータ・テクトルムなどが挙げられます。
銀葉種のおすすめエアープランツ
銀葉種は、銀色のように見える葉が特徴的な品種です。初心者でも育てやすい銀葉種のおすすめを見ていきましょう。
イオナンタ
イオナンタは、葉や花の色の変化やコントラストを楽しめる、インテリアとしてもぴったりのエアープランツです。エアープランツの中でも、難易度が低めの品種からトライしてみたい人におすすめの品種といえます。
暑さにも寒さにも強く、季節を問わずに栽培できます。生長も早いので、エアープランツの管理の仕方を学びながら育てられるでしょう。
イオナンタは、株が充実すると花を咲かせます。葉先が赤・黄色に色付いてきたら、間もなく花が咲くでしょう。イオナンタには品種が多く、それぞれ葉や花の形や色付き方が異なるので、ぜひ好みに合ったものを選んでみてください。
商品名:イオナンタ
カプトメデューサエ
カプトメデューサエは、うねりのある独特な葉の形をしており、ギリシア神話に出てくる「メデューサ」が由来です。葉の形がまるでメデューサの髪の毛がうねっているかのように見えることから名付けられました。ある程度株が大きく生長すると、筒状の花を咲かせます。赤紫色の花と葉の緑のコントラストが美しく、インテリアのアクセントとしてもおすすめです。
原産地は、北アメリカの南部から南米にかけて、広いエリアで育ちます。実際に手に取って購入する際は、葉が傷んでおらず、きれいな緑色をした株を選びましょう。
商品名:カプトメデューサエ
テクトラム
テクトラムは葉の表面のトリコームが長く、ふわふわとした見た目が人気のエアープランツです。砂漠に自生できるほど乾燥に強く、丈夫な品種です。直射日光を避ければ真夏でも育てられます。長期間家を空けなければならないことがある人や、エアープランツ初心者にも管理しやすい品種です。
水やりの頻度が少なくてOKな分、生長がゆっくりで花を咲かせにくい特徴があります。一方で、水やりを頻繁にしすぎると、トリコームから短い葉が出てきて見た目のバランスが悪くなることがあります。乾燥気味の環境で管理することで、白いトリコームがきれいに保てるでしょう。
白っぽい見た目を生かして、他のグリーンと組み合わせたコーディネートするのもおしゃれでしょう。
商品名:テクトラム
ウスネオイデス
ウスネオイデスは、細い葉がたくさん茂った見た目でインテリアとして人気があります。ボリューミーでやわらかい触り心地をしており、海外では緩衝材としても使用されるほどです。葉の表面がトリコームで覆われているので、空気中の水分を取り込む力が強いです。多少乾燥してもすぐに枯れるということはないでしょう。
生長すると30~50cmほどの長さになるので、部屋にあるだけで見応えがあります。春頃に5mmほどの小さな黄緑色の花が咲かせ、甘い香りを放ちます。長さがあるので天井から吊るしたり、木などに貼り付けたりして飾るのに適しているでしょう。
「スペインのコケ」を意味する「スパニッシュモス」や「サルオガセモドキ」という別名で呼ばれることもあります。
商品名:ウスネオイデス
緑葉種のおすすめエアープランツ
緑葉種のエアープランツは、緑色が美しくつるんとした触り心地が魅力です。インテリアとしてグリーンを取り入れたい人におすすめの、緑葉種のエアープランツを紹介します。
トリコロール
トリコロールは、緑葉種の中でもメジャーな品種です。赤・黄色の花苞(かほう)・紫の花が特徴的であることから、3色を意味するトリコロールと名付けられました。3色のコントラストが楽しめる、鮮やかさが魅力の品種です。
トリコロールは日当たりを好み、乾燥に弱い特徴があります。根がよく生長することから、素焼き鉢で育てるのがおすすめです。葉の間に水が溜まると腐敗の原因となるため、水やりの後にはしっかりと乾燥させましょう。
また、葉の先が細く尖っているので、子どもやペットがいる家庭では取り扱いに注意しましょう。
商品名:トリコロール
ブッツィー
つぼ形で斑点模様があり、見た目がユニークなエアープランツです。メキシコやパナマで生育していた品種です。
時間をかけて生長し、赤いつぼみから紫の筒状の花が咲きます。花が咲いた後は子株を多く出すため、群生で育てたい人にもおすすめです。細長い葉がうねっている見た目は、インテリアとしても存在感があります。
ブッティーは湿気が多い状態を好みます。水苔などに植え込むことで、空気中にぶら下げるよりも湿度が保たれやすいでしょう。
商品名:ブッツィー
ブルボーサ
葉の根元が大きく膨らみ、つぼ形のシルエットがかわいらしいエアープランツです。本来は木の上や、灌木林(かんぼくりん)などの湿気の多い場所に自生しています。水分を好むので、他の品種よりも水やりを多めにする必要があります。日差しに弱いため、置き場所や湿度の管理に注意しましょう。
花が咲いた後に子株が付くこともあります。生長スピードは比較的ゆっくりです。
商品名:ブルボーサ
ブラキカウロス
放射状に伸びる鮮やかなグリーンの葉がスタイリッシュなエアープランツです。育てやすいうえに生長が速く、初心者にもおすすめの品種といえます。
上手に育てれば、夏場に紫色の花を咲かせます。開花時には葉の全体が赤く紅葉し、色の変化が美しいことからも人気がある品種です。
湿度を好み乾燥には弱いので、他の品種よりも多く水やりを行うとよいでしょう。比較的丈夫ですが葉がやわらかく薄いため、店頭で購入の際には葉に傷が付いたり切れたりしていないか確認しましょう。
商品名:ブラキカウロス
エアープランツのおしゃれな飾り方
お気に入りのエアープランツをおしゃれに飾りましょう。自宅の空間を彩るすてきな飾り方を紹介します。
木のアイテムと組み合わせる
エアープランツは植物なので、木製のアイテムとの相性が抜群です。アースカラーで統一感のあるやさしい印象に仕上がるでしょう。
例えば、木製の小さなトレーの上にエアープランツを置き、棚やデスクなどにディスプレイするだけでもおしゃれです。殺風景になりがちなリビングやテーブルの上などに置くのもよいでしょう。グリーンがよく映えて洗練した空間になります。
トレー以外にも、木製のカゴや底にウッドチップを入れた空き容器に置くのもおすすめです。
透明なガラス容器に入れる
透明なガラス容器にエアープランツを入れるだけで、オブジェが出来上がります。シンプルなデザインが、どんな空間にもマッチするでしょう。
空きビンやハンギングポットなどの中に、エアープランツを入れます。手先が器用でなくても簡単にアレンジができるので、忙しい人にもぴったりです。特に吊り下げるタイプのポットなら、子どもやペットの手に届きにくくなります。先の尖った植物などを飾りたいときにも、ケガの恐れが少なく安心です。
プレートに付けて壁掛けにする
エアープランツを木の板に取り付けるだけで、オリジナルパネルの完成です。インテリアに合わせた木を選ぶことで、お部屋に統一感がでておしゃれになるでしょう。
壁掛けのディスプレイをする際には、木の板にコの字型などの金属パーツを打ち込みます。金属パーツの隙間にエアープランツを差し込みましょう。木の板や金属パーツは、100円ショップやホームセンターで手に入ります。
木の板以外にも額縁や浅めの木箱にエアープランツを差し込んでも、すてきなアレンジになります。お気に入りの材料とエアープランツを組み合わせて、部屋のインテリアや好みに合わせたDIYをしてみてはいかがでしょうか。