面面の楊貴妃(めんめんのようきひ)
面面の楊貴妃の意味は、以下のとおりです。
面面の楊貴妃(めんめんのようきひ)
各人はそれぞれ自分の妻を、中国の楊貴妃のような美人であると思っていること。人それぞれ好みがあり、好きになると欠点も隠れて美しく見えることのたとえ。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「面面の楊貴妃」とは自分の妻が美人であるとそれぞれが思っており、好きになれば欠点さえも見えなくなる様を表現しています。「蓼食う虫も好き好き」と同様に、恋愛に関して人の好みはさまざまであると表現したいときに使用します。
例文
・私の妻は浪費家なところがあるが、私にとっては面面の楊貴妃である
・上司は自分の妻を面面の楊貴妃だと、いつも周囲に言いふらしている
割れ鍋に綴じ蓋
割れ鍋に綴じ蓋の意味は、以下のとおりです。
割れ鍋に綴じ蓋(われなべにとじぶた)
破損した鍋にもそれ相応の蓋があること。どんな人にも、それにふさわしい伴侶があることのたとえ。また、両者が似通った者どうしであることのたとえ。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「割れ鍋に綴じ蓋」とは、どのような人にも相応しい相手がいると表現したいときに使用する言葉です。蓋と鍋が対であるように、一般的に配偶者を示すときに使用します。また綴じ蓋には「修繕した蓋」という意味があるため、「閉じ蓋」と表現するのは誤りです。
例文
・私と妻は、まさに割れ鍋に綴じ蓋の関係だといえるだろう
・割れ鍋に綴じ蓋ということわざがあるように、彼と彼女の関係は誰が見てもお似合いです
・夫はいろいろと文句を言いながらも、いつも私を気遣い、労ってくれるので割れ鍋に綴じ蓋なのでしょうね
「蓼食う虫も好き好き」の対義語
「蓼食う虫も好き好き」の対義語の1つである「熊野松風は米の飯(ゆやまつかぜはこめのめし)」の意味は、以下のとおりです。
熊野松風は米の飯(ゆやまつかぜはこめのめし)
謡曲の「熊野」と「松風」は米の飯のようにだれにも好まれる名曲であるということ。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「熊野松風は米の飯」とは、誰からも愛されるという意味を持つことわざです。お米はみんなから好かれていることをたとえに用いて表現しています。つまり人それぞれの好みは異なるという意味を持つ「蓼食う虫も好き好き」とは対照的な表現といえるでしょう。
「蓼食う虫も好き好き」の意味を理解しよう
「蓼食う虫も好き好き」には人それぞれ好みがあり、自分の価値観だけでは判断できない様を表現したことわざです。他人の好みを否定するときにも使用するため、良い印象を与えづらい言葉ともいえるでしょう。また、人の好みを否定しそうになる自分を戒めるときにも使用します。
「蓼食う虫も好き好き」には類語や対義語もあるため、これらについても意味を正しく理解することが大切です。ご紹介した言葉を正しく使って、豊かな表現ができるようになりましょう。
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