「待てば海路の日和あり」とは?
読み方と意味
「待てば海路の日和あり」は、「まてばかいろのひよりあり」と読み、「我慢強く待っていれば、必ず好機が訪れる」という意味です。
「待てば海路の日和あり」に使われている単語を、もう少し細かく見ていきましょう。「待てば」は、待っていればという意味。「海路」は、船が通る道、航路のこと。「日和」は、何かをするのにちょうど良い天気のことです。
これらから、「じっと待っていれば、必ず海の穏やかな、航海に適した天候がやってくる」というのが直接的な意味というのがわかります。海の天候、航海のタイミングを表すこの言葉が転じて、日常では、「我慢強く待っていれば、必ず好機が訪れる」という意味として使われています。「待てば海路の日和あり」は、ビジネスシーンや日常でも使うことができ、私たちの会話でも登場することがある言葉なので、ぜひ覚えておきましょう。
由来や語源
「待てば海路の日和あり」は、「待てば甘露の日和あり」の言い方を変えたもので、これが「待てば海路の日和あり」の語源です。
「待てば海路の日和あり」の語源である「待てば甘露の日和あり」は、中国で生まれた言葉。中国の伝説で、仁政を行った治世には、天が吉兆として「甘露(甘い露)」を降らせたというものがあり、「待てば甘露の日和あり」は、この伝説に由来しています。
少し難しい言葉が続いたので補足しておきましょう。仁政というのは、民に思いやりのある政治のこと。吉兆は、めでたいことが起こる前触れ・兆し(きざし)のことです。
この「待てば甘露の日和あり」が海を渡って日本に伝わった時に、日本では「甘露」という言葉に馴染みがなかったことから、「海路」に変化して定着したという説があります。「待てば海路の日和あり」も、「待てば甘露の日和あり」も、どちらも正しいので、セットで覚えておくといいでしょう。
ちなみに「甘露」というのは、前で説明した「天が降らす甘い露」という意味以外に、上質な煎茶や、甘くて美味なことのたとえとしても使われます。現代においては、「天が降らす甘い露」という意味よりも、「甘くて美味」という意味で使われることのほうが多いので、こちらも頭の片隅に置いておくといいでしょう。
使い⽅を例⽂でチェック
それでは実際に「待てば海路の日和あり」の使い方を、例文を用いて詳しく紹介します。
「待てば海路の日和あり」という言葉があるんだから、失敗してもすぐに諦める必要はない
一度の失敗で諦めず気長に挑戦していれば、いつか好機が訪れるという、励ましの言葉です。仕事で失敗した時などの励ましによく使われます。
苦しい時には「待てば海路の日和あり」と、自分を励ました
何をやっても上手くいかない時に、「今は苦しくても、いつか好機が訪れるだろう」と自分を励ましたということを表しています。
「待てば海路の日和あり」というから、そのうち素敵な人が見つかるでしょう
恋愛が思うようにいかなくても、いつかはその人にあった素敵な人が見つかるだろうという意味です。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
「待てば海路の日和あり」の類語や言い換え表現もチェックしておきましょう。
石の上にも三年
がまん強く耐えていればいつか必ず成功する、諦めずに続ければいずれ成果が得られるという意味です。
初めて社会に出た時に、この言葉を送られた人も多いのではないでしょうか。仕事を辞めたいと先輩に相談した時などにも、「石の上にも三年」という言葉が聞かれるかもしれません。