「蓼食う虫も好き好き」の意味
「蓼食う虫も好き好き」の意味は、以下のとおりです。
蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきずき)
タデの辛い葉を食う虫もあるように、人の好みはさまざまであるということ。
(引用:小学館『デジタル大辞泉』より)
「蓼食う虫も好き好き」とは、人の好みはさまざまであり、自分の価値観だけでは判断できないという意味を持つことわざです。他人の趣味嗜好を否定するときにも使用される言葉ため、一般的にはあまり良い印象を与える言葉ではありません。
「蓼食う虫も好き好き」の「蓼(たで)」とは、茎や葉に苦みのある「ヤナギタデ」という植物のことです。苦みのある蓼を好んで食べる虫もいるということが由来となり、人の好みは一概ではない様を表現しています。
「蓼食う虫も好き好き」の使い方
「蓼食う虫も好き好き」は、人の好みはさまざまであることを伝えたいときに使用する言葉です。人によって感じ方が違うため、好みもそれぞれであると表現したいときに使います。
また恋愛においても好みはさまざまであり、一概には決められないと表現したいときにも使用できます。人の好みを否定する自分を、戒めるときにも使用できるでしょう。ここでは、「蓼食う虫も好き好き」の使い方をご紹介します。
人の好みはさまざまであることを伝えたいときに使う
例えばAさんがかわいいと感じたキャラクターに対して、Bさんはかわいくないと感じる場合もあるでしょう。ほかにも趣味や味の好みなど、人によって感じ方はさまざまであると表現したいときに、「蓼食う虫も好き好き」を使用します。ただし「蓼食う虫も好き好き」は人の趣味を否定するときにも使用されるため、悪いイメージに取られる可能性もあります。
例文
・苦手な人が多いパクチーを好きだなんて、蓼食う虫も好き好きなんだな
恋愛でも使用される言葉である
恋愛においても人の好みはさまざまであるため、「蓼食う虫も好き好き」と表現することができます。例えば誰もが良さを感じられない異性と結婚した人に対して、「蓼食う虫も好き好き」と表現できるでしょう。
また人の好みを否定してしまいそうになる自分を戒めるときにも使用されます。
例文
・長年憧れてきた人が、あんなに自己中心的でわがままな人と結婚するなんて。まあ蓼食う虫も好き好きだから仕方ないよね
・蓼食う虫も好き好きなのだから、人の好みに意見するのは良くありません
「蓼食う虫も好き好き」の類語4つ
「蓼食う虫も好き好き」の主な類語は、「三者三様」「千差万別」「面面の楊貴妃」「割れ鍋に綴じ蓋」の4つです。「三者三様」と「千差万別」はともに、人によってさまざまな違いがあることを意味する四字熟語です。
「面面の楊貴妃」は人それぞれ好みがあること、「割れ鍋に綴じ蓋」は誰にでも相応しい相手がいる様を表現したことわざで、「蓼食う虫も好き好き」の類語とされています。詳しく見ていきましょう。
三者三様
三者三様とは「さんしゃさんよう」と読み、考え方ややり方が人それぞれ異なるという意味の四字熟語です。人は一人ひとり違っており、3人集まれば3通りの考えが生まれることを表現しています。
例文
・人の意見は三者三様なのだから、反対意見が出てくるのは当たり前のことです
・三者三様に作業を進めていくと、同じお題でも全く異なった作品が出来上がるものです
千差万別
千差万別の意味は、以下のとおりです。
千差万別(せんさばんべつ)
種々さまざまの違いがあること。また、そのさま。千種万様。せんさまんべつ。「―な(の)意見」
(引用:小学館『デジタル大辞泉』より)
「千差万別」とは物事がさまざまに異なっており、同じではない様を表現した四字熟語です。「千」や「万」には数が多いこと、「差別」には区別や違いといった意味があります。「千差万別」は人のみならず、さまざまな事柄に対して使用できます。
例文
・1クラス40人も集まれば、千差万別の考えがあっても何ら不思議はありません
・たとえ同じ病気にかかったとしても、症状は千差万別である
・チームメンバーの考え方は千差万別であり、どれも一理あるといえるでしょう
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