李下に冠を正さず(りかにかんむりをたださず)
「李下に冠を正さず」とは、誤解を受ける行動はするべきではないという意味です。
「李下」とはすももの木の下を指し、そこで冠をかぶり直していると、すももを盗んでいるように見えることを表しています。疑いをかけられるような行動は慎むべきという教えです。このような教えは「君子、危うきに近寄らず」と通じるものがあります。
瓜田に履を納れず(かでんにくつをいれず)
「瓜田に履を納れず」とは、人に疑われるような行動は慎むべきというたとえです。
「瓜田」とは瓜の畑、「履」は履きものを指します。「瓜田に履を納れる」とは瓜畑で靴を履き替えるという意味合いで、「瓜田に履を納れず」はそのような行動をすると瓜を盗んでいるように見られるため、慎むようにすべきという意味です。
慎重に行動するべきという「君子、危うきに近寄らず」と同じような教訓を持つ言葉といえるでしょう。
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「君子、危うきに近寄らず」の対義語
「君子、危うきに近寄らず」には対義語もあります。危険な行動を促す内容で、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」や「危ない橋も一度は渡れ」が代表的です。
「君子、危うきに近寄らず」とは一見、正反対に思える言葉ですが、それぞれに教訓となる内容が込められています。ここでは、「君子、危うきに近寄らず」の対義語となる言葉の意味を見ていきましょう。
虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」とは、大きな成果を得るためには危険をおかすことも必要だという意味です。
ここでは「虎子」がいることが前提で、「虎子」という成果を得るためには、虎穴に入る危険をおかす価値があることを伝えています。ただ、危険をおかすことを推奨しているわけではありません。大きな利益を得るためには、ときに危険を冒す勇気も必要だと教える言葉です。
危ない橋も一度は渡れ(あぶないはしもいちどはわたれ)
「危ない橋も一度は渡れ」とは、危ないとわかっていることでも一度は挑戦してみるべきという意味です。安全な方法ばかりとっていたのでは成功は難しく、時には挑戦することも大切だということを示しています。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と同じく、危険な行動を勧めているわけではありません。保身に走らず、チャレンジ精神も持つべきことを諭している言葉です。
「君子、危うきに近寄らず」は教訓にされる言葉
「君子、危うきに近寄らず」は、賢い人であれば慎重に行動するという意味で、災いを招く言動や行動は慎むべきという教えです。教訓とされることが多い言葉で、軽はずみな行動をとることを諫めています。類語も多くあるため、あわせて覚えておくとよいでしょう。対義語もありますが、それぞれに教えとなる意味合いがあります。こちらも一緒に確認しておくことをおすすめします。
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