齟齬(そご)
「齟齬」とは物事がうまく噛み合わない、もしくは食い違っているという意味の語句で「そご」と読みます。「齟齬をきたす」といった使い方をするところが特徴的です。
【例文】
・今後の我が社の経営方針について、コンサルティング会社の意見と大株主の意見とが【齟齬】をきたしているため、どう判断すべきか困っている。
・お互いの意見を丁寧にすりあわせて、【齟齬】をきたさないようにしてください。
・教師が教えた内容に【齟齬】があると、生徒が混乱するので気をつけなければならない。
矛盾(むじゅん)
「矛盾」とは矛と盾のことで、二つの物事が食い違って辻褄が合わないという意味です。「この盾を通す矛はない」「この矛で通せない盾はない」という言葉で矛と盾を売っていた商人の言葉に「その矛でその盾をついたらどうなる」と聞かれて答えに窮した中国の故事成語が由来になっています。
【例文】
・上層部の指示に【矛盾】があると、組織運営がうまくいきません。
・容疑を否認する供述があまりにも【矛盾】していたので、容疑者が犯人である可能性は高まった。
二律背反(にりつはいはん)
「二律背反」とはもともとは哲学用語で、相互に矛盾する二つの命題が同じくらいの妥当性をもって主張されることを意味します。哲学者カントの使ったドイツ語「アンチノミー」の訳語です。どちらの命題を選ぶか、悩む場面で使われることが多い言葉といえるでしょう。
【例文】
・レストランで提供する料理の質の向上と材料費の削減とは【二律背反】の関係にあるので、両立するのは困難です。
・残念ながら、この愛を貫くことと親の言いつけを守ることとは【二律背反】しているので、簡単には結論を出すことができません。
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自家撞着(じかどうちゃく)
「自家撞着」とは同一人物の言動が食い違っているという意味です。自家は自分という意味があります。つまり「自家撞着」とは「自己矛盾」を起こしている状態を表す言葉です。
【例文】
・彼が言い訳するたびに、根拠となることが異なっているので、【自家撞着】に陥っている。
・彼は「世のため人のために情報をシェア」していると言うけれど、彼が情報を拡散することで傷つく人がいるのだから、彼の発言は【自己撞着】だと思います。
「相容れない」の読み方と意味を知って正しく使おう
「相容れない」とはそれぞれの立場や主張が相反していて、両立しないという意味です。それぞれの意見や存在を許容できない場合にも使います。相容れないの読み方は「あいいれない」です。相は互いにという意味があり、容は許容や受容のニュアンスがあります。
「相容れない」関係はたくさんあり、ビジネスの場面はもちろんのこと、日常生活でもよく使われる言葉なので、正しい読み方と意味を知って、正しく使いましょう。
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