雪平鍋とは?
雪平鍋とは、どのような鍋を指すのでしょうか?まずは、雪平鍋の基礎知識を見ていきましょう。
古くから使われる片手鍋を指す
雪平鍋とは、底が丸みを帯びていて、注ぎ口と持ち手の付いた片手鍋のことです。重量が軽く、熱伝導率が高いため、煮る・焼く・蒸す・炒めるといった、さまざまな調理法に適しています。水分が蒸発しやすいため、調理時間の短縮にもつながります。
雪平鍋は本来、業務用として作られていたことから、「場所を取らず重ねられるように」との意味合いも込めて、ふたが付いていないのが一般的です。もちろん、料理人だけではなく、家庭での使用にもおすすめの鍋です。
特徴的な「槌目」がある
雪平鍋の特徴は、「槌目(つちめ)」と呼ばれる表面の凸凹があることです。日本の伝統的な手法である「鍛金(たんきん)」で施された槌目には、雪平鍋の強度と熱伝導率を高める役割があります。
一昔前は、職人が一つ一つ金槌を使って手作業で打ち込んでいたものの、近年では打ち込みマシンを使用して大量生産していることも珍しくないようです。職人が手作業で槌目を打ち込んだ雪平鍋は、槌目の特徴がそれぞれ異なり、一つの味わいとして楽しむことができます。
雪平鍋の選び方
雪平鍋は、素材によって特徴が異なるため、使用目的に合わせることが大切です。また、家族の人数や使用シーンに合わせて、使いやすいサイズ・持ち手を選ぶことも重要に。雪平鍋の選び方を参考に、長く愛用できるものを見つけましょう。
素材で選ぶ
雪平鍋の主な素材は「アルミ製」「ステンレス製」「銅製」の3種類です。
雪平鍋の中でもメジャーな「アルミ製」は、丈夫で軽く、扱いやすいのが特徴です。熱伝導率が高いため、比較的短時間で調理を行えます。ただし、アルミ製の雪平鍋は、中で食材を保管してしまうと腐食の原因になる点や、焦げ付きやすい点には注意が必要です。
また、「ステンレス製」の雪平鍋は、焦げ付きにくくお手入れしやすいのが特徴です。保温性にも優れているため、煮込み料理などの時間をかけて調理したいシーンに向いています。しかし、アルミ製よりも熱伝導率が低いことから、スピーディーな調理には不向きといえます。
アルミ製とステンレス製のメリットを併せ持った「銅製」の雪平鍋は、料理にこだわりたい人におすすめです。煮物は荷崩れしにくく、焼き物はふっくらと仕上がります。一方で、お手入れに手間がかかることや、価格が高めなことがデメリットです。
サイズで選ぶ
家族の人数や調理の目的に合わせて、サイズを選びましょう。雪平鍋は、直径15cmほどの小さめサイズから、30cmほどの大きめサイズまで種類が豊富です。
家族がいる場合は、20cmほどの雪平鍋がおすすめです。みそ汁や煮物など、どのような料理でも使い勝手がよいでしょう。30cmほどの雪平鍋であれば、大きめの食材を丸ごと茹でることができますが、重量が増えるため、片手で扱いにくくなる点には注意が必要です。
収納スペースを確保できるのであれば、用途に合わせて複数のサイズをそろえておくのもよいでしょう。
持ちやすさもポイント
雪平鍋の持ち手は、木製が一般的です。雪平鍋を加熱しても熱くなりにくく、滑りにくいのが特徴です。ただし、木製の持ち手は、長期間使用していると劣化します。永く使うためには、取り換えられる持ち手を選びましょう。
雪平鍋は片手で持つことから、握りやすさをチェックしておくことも重要です。特に、サイズの大きな雪平鍋は、持ち手が細いと扱いにくくなります。そのため、持ち手は太くて丈夫なものがおすすめです。
近年の雪平鍋は、ステンレス製やプラスチック製の持ち手のものも増えています。木製よりもデザイン性が高くなるほか、耐久性がアップする点も魅力です。
一つは持っておきたいおすすめ商品
雪平鍋は種類が多く、選ぶ際に迷う人も少なくありません。ここでは、一つは持っておきたいおすすめの雪平鍋を紹介します。アルミ製・ステンレス製・銅製の各素材の中から、目的に合わせて選びましょう。
北陸アルミニウム「雪平鍋」
「北陸アルミニウム」の雪平鍋は、直径18cmと使いやすいサイズです。家族の人数が多くても、幅広い調理に活用できるでしょう。内側に目盛りが付いているため、スムーズに調理を行えるのもうれしいポイントです。
また、「アルマイト加工」が施されているので強度が高く、天然木でできた取っ手は、継ぎ目の金属部分が長いので焦げにくくなっています。水切れしやすい注ぎ口が付いており、お皿に移しやすいのも魅力の一つです。
ただし、ガス火専用の雪平鍋なので、IHには対応できません。
商品名:北陸アルミニウム 雪平鍋
和平フレイズ「燕三 雪平鍋」
ステンレス製で、シンプルなデザインが特徴です。「ものづくりの街」として有名な、新潟県燕三条市の職人の手によって作られています。古くから伝承されている技術が駆使され、使いやすさと機能性を兼ね備えた「燕三 雪平鍋」は、料理にこだわりたい人にもおすすめです。
少し厚めに設計されているため丈夫で、さまざまな用途で活用できます。IHに対応しているのも、うれしいポイントです。
商品名:和平フレイズ 燕三 雪平鍋
中村銅器製作所「銅製 行平鍋」
「銅製 行平鍋」は、直径約15cmと小ぶりのサイズです。職人が一つ一つ丁寧に仕上げているため、世界でたった一つの雪平鍋となっており、長く愛用したい人におすすめです。使い込むほどに風合いが変化するのも、魅力の一つといえます。
また、銅製は熱伝導率がとても高いため、この雪平鍋一つでバリエーション豊かな調理ができます。ただし、銅製の雪平鍋はお手入れに手間がかかるため、使用前にお手入れの方法を確認しておくことが大切です。
商品名:中村銅器製作所 銅製 行平鍋
長く使うための豆知識
雪平鍋を長く使うためには、お手入れも大切です。適切にお手入れをしながら、雪平鍋でさまざまな調理方法にチャレンジし、食卓を彩りましょう。
黒ずみ予防・防止法
アルミ製の雪平鍋は、長く使用していると黒ずみが発生します。「見た目がよくないから、きれいにしたい」と考える人もいるでしょう。黒ずみは、「クエン酸」と「お米のとぎ汁」を使用することで、除去・予防ができます。
1. 雪平鍋に水を張る
2. クエン酸を小さじ2杯ほど入れて、中火で15分ほど煮る
3. 火を止め、冷めたらスポンジでこする
4. 黒ずみが取れたら、お米のとぎ汁を入れる
5. 10~15分ほど沸騰させる
6. お湯を捨てて、しっかり乾かす
クエン酸がない場合は、リンゴの皮や芯・梅干し・レモン・酢などでも代用できます。家庭にあるアイテムを活用すれば、手軽に行えるでしょう。
また、お米のとぎ汁を入れて沸騰させることで、酸化被膜を形成できるため、黒ずみが発生しにくくなります。ただし、持続力は低いので、定期的に対策するのがおすすめです。
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雪平鍋で作ってみたい料理
雪平鍋は、和食を作るのにぴったりです。熱伝導率が高いため、煮る・炒めるなどさまざまな調理方法に対応できます。
例えば、雪平鍋はゆっくりと時間をかけて煮込むことに向いているので、だしを取ったり、炊き込みご飯を炊いたりするときに活躍します。もちろん、みそ汁を作る際にも重宝するでしょう。
また、カレーのように最初に具材を炒め、その後煮込むような料理も、雪平鍋一つで行えます。熱伝導率が高い故にお湯がすぐに沸くので、麺を茹でるときに使うのもおすすめです。
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