「花梨」とはどんな植物?
庭木としても人気の高い植物の「花梨」。その「花梨」とは、そもそもどんな植物なのでしょうか。まずは花や実、木材の特徴、花言葉などをチェックしていきましょう。
「花梨」とは?
「花梨(かりん)」は、中国原産のバラ科カリン属の植物。別名は「安蘭樹(あらんじゅ)」。英語で表すと「Chinese quince(中国のマルメロ)」です。「花梨」という名前は、三味線や座卓などに使われるタイ、インドネシアの木「かりん」の木目に似ていることから由来したといわれています。
■「花梨」の花の特徴と花言葉
・「花梨」の花の特徴
「花梨」の花の開花時期は4月の下旬頃。白や薄いピンク色の可愛いらしい花をつけます。
・「花梨」の花言葉は「豊麗」「唯一の恋」
花言葉は、豊かで美しいという意味の「豊麗」。春には豊かな美しい花を咲かせることから由来しています。そして、もう1つ「唯一の恋」という花言葉もあります。この花言葉の由来は、女神アフロディーテの聖花が「花梨」であることから。アフロディーテが、唯一本当の恋をした相手が夫。そのことから「唯一の恋」という花言葉になったとされています。
■「花梨」の実の特徴と収穫時期
「花梨」の実は、黄色く楕円形をしていて、芳しい香りが特徴的。10〜11月に実をつけます。「花梨」の実は、非常に硬く渋みがあるため、生で食べるのには適しません。砂糖やアルコールに漬けるなどの加工が必要になります。また、古来より中国では、「花梨」の実は、その芳醇な香りを生かして芳香剤として使われることもあります。
■「花梨」と「マルメロ」の違い
「花梨」とよく似て、間違われるのが「マルメロ」という果物。「花梨」と「マルメロ」を見分けるポイントは、2つあります。「花梨」の実は楕円形をしているのに対して「マルメロ」は、洋梨のような形をしていること。もう1つは、「花梨」の実はツルツルしていますが、「マルメロ」にはうぶ毛のようなものが生えているのが特徴です。
■「花梨」の木材の特徴
「花梨」の木材は、非常に重く硬いのが特徴。高級家具や民芸品などに用いられます。しかし、木材として流通している「カリン」の多くは、東南アジアに多く生育するマメ科の「カリン」。バラ科の「カリン」とは別種になりますが、マメ科の花梨木材も高級品。木肌が美しいのに加え、非常に硬く、丈夫であるのが特徴です。
「花梨」の食べ方とレシピ
前述のとおり、「花梨」の実は生では食べられません。アルコールや砂糖に漬けるなどの加工をしてから、食べることができます。また、「花梨」の実は非常に硬いため、実を切る際は怪我をしないように気をつけてください。「花梨」の代表的な食べ方には、「花梨酒」(水割りやソーダ割り、ロックなど様々な楽しみ方ができます)「はちみつ花梨ジュースの素」(水やお湯、紅茶で薄めて美味しくいただけます)などがあります。