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【目次】
プロも愛用する「ストウブ鍋」って?
「ストウブ鍋」は、優れた機能性とおしゃれな見た目で、料理を愛する人たちから人気を集めています。どのような特徴を持った鍋なのか、まずはストウブ鍋の基本的な情報をチェックしましょう。
フランス調理器具メーカーの鋳物鍋
ストウブは、フランスのアルザス地方で誕生したクックウェアブランドです。鍋やセラミック製品などの調理器具を製造しており、中でも「鋳物ホーロー鍋」はプロの料理人をはじめ、さまざまな料理好きの人達から支持されています。
ストウブの鋳物ホーロー鍋は型に金属を流し込んで成型し、職人が手作業で仕上げていることが特徴。製品ごとに微妙に違った風合いがあり、手作りならではの味わい深さを感じられます。煮る・焼く・蒸す・炒める・揚げるなど、ほとんど全ての調理法に対応できる万能な鍋です。また、食材から出る水分で調理ができる「無水鍋」としても利用でき、素材そのもののおいしさを引き出します。
人気のストウブ鍋!3つの魅力
ストウブ鍋は一般的な鍋にはない魅力があります。「おいしい料理を作りたい」と思っているなら、持っていて損はありません。どんな魅力があるのか詳しく見ていきましょう。
料理をおいしくする「アロマ・レイン」
ストウブの鍋ふたにはポツポツとした突起がいくつも付いています。これは、食材を加熱した際に出る水蒸気が、水滴となって再び降り注ぐようにするための工夫です。
加熱時に出た水蒸気は鍋の中を対流しながら「食材の旨味を凝縮した水滴」に変化し、ふたの裏に付着。ストウブではこの水滴を「アロマ・レイン」と呼び、食材から出た水分をうまく使うことで、野菜の甘味や風味が感じられ、肉や魚はふっくらとした食感に仕上がるのです。ふたの裏から降り注ぐアロマ・レインは、ストウブ特有の「旨味が凝縮されたようなおいしさ」が生まれる理由のひとつといえるでしょう。
保温性や耐久性に優れた素材
ストウブ鍋は、保温性や耐久性に優れているところも魅力です。鋳物ホーロー鍋は保温性が高く、いったん温度が上がると下がりにくい特徴を持っています。熱伝導率にも優れ食材を均一に加熱できるので、通常の調理だけでなく「低温調理」にもおすすめ。食材にゆっくりと熱を加えて煮崩れを防止したいときや、じっくりと煮込んで味を浸透させたいときに向いています。
分厚い鉄製で耐久性が高く、長い間愛用できるところも見逃せません。高温で調理をしても壊れにくく、オーブンに入れて調理することもできるため、ひとつの鍋を大事に使い続けたい人にぴったりです。
カラーバリエーションが豊富
ストウブ鍋はベーシックなブラック以外に、個性豊かなカラーが豊富です。コンロに置いておくだけで絵になり、明るい色を選べばキッチンのワンポイントにも。「見せる収納」にも適した、デザイン性の高い鍋です。
「スタンダードカラー」と「マジョリカカラー」の2パターンがあり、スタンダードカラーは温かみのある「チェリー」や落ち着いた雰囲気の「グレー」など。2019年に新たにスタンダードカラーに加わった「カンパーニュ」は、ナチュラルなホワイトでどんなテーブルコーディネートにもなじむ、万能な色合いです。
一方、マジョリカカラーは独特のツヤ感が特徴で「バジルグリーン」や「グランブルー」など、シックなラインナップ。エレガントで深みのあるカラーが好きな人におすすめです。
ストウブ鍋 4つの形
ストウブ鍋にはさまざまな形やサイズがあり、バリエーションが豊富です。中でも多くの人に支持されている3つの形を紹介します。形によって適した料理が異なるため、事前に把握しておきましょう。
幅広い用途に使える定番の「ラウンド」
ラウンド型のストウブ鍋は、ごく一般的な鍋の形と同じ「円形」のタイプで、幅広い料理に使用しやすいオールラウンダーな定番商品です。コンロの上で場所を取らず、日常の料理はもちろん、オーブンに入れてパンやケーキを焼く際にも使用しやすい形状といえます。
ふたの裏にある突起「ピコ」の役割を実感しやすく、食材の旨味が十分に引き出された味わいを楽しめるところもポイント。コンロに沿うように置けるので、食材にムラなく熱が入ります。迷ったときはラウンド型を選ぶと失敗が少なく、最初の1台にぴったりです。サイズ違いの鍋は重ねられ、コンパクトに収納できます。
素材をそのまま調理できる「オーバル」
オーバル型は「横長の楕円形」をしており、魚や長さのある野菜などを切らずに調理したいときにおすすめです。トウモロコシを丸ごとゆでたり、焼き芋を作ったりしたいときなどに活躍するほか、エビフライやトンカツといった、長さがある揚げ物を作るときにも便利。
ラウンド型に比べるとやや低く作られているので、テーブル上で料理を取り分けたいときにも使いやすいタイプ。奥行が狭く一般的な家庭用のオーブントースターにも入れやすい形状で、ラウンド型が使いづらいシーンにも対応可能です。小さめのサイズを選べば、グラタンやアヒージョなどをオーブントースターで作ることもできます。
日本食にぴったりの「ジャポネスクシリーズ」
ジャポネスクシリーズは、日本食を調理しやすいような設計に作られたシリーズです。「Wa-NABE」や「ラ・ココット de GOHAN」などの商品があり、それぞれ特徴が異なります。
Wa-NABEは、出汁がしっかりと煮立つように、底の形状をラウンド型にした煮物に最適な鍋です。鍋の丸みに沿うように鍋底から対流が起こり、出汁が食材に染み込みやすくなっています。
ラ・ココット de GOHANは、「羽釜」に着想を得て作られた鍋です。丸くカーブしたフォルムが鍋底から大きな対流を起こし、土鍋でお米を炊いたときよりも甘味のある、ふっくらとした食感を引き出します。
2台目には浅型の「ブレイザー・ソテーパン」
ブレイザー・ソテーパンは「炒めてから煮込む料理」に適した浅型の鍋です。パエリア・すき焼きなどをよりおいしく調理したいときに向いています。食卓で鍋を囲んで食べたいときも安心。浅型で取り分けやすいのが魅力です。ふたの裏には「システラ」と呼ばれる突起があり、ほかの形状の鍋と同様に凝縮された旨味を引き出します。
定番!ラウンド型は人数で選ぶ
ラウンド型のストウブ鍋は定番の形状で、さまざまな調理法に向いています。食事をする人数に合わせて、ちょうどよいサイズを選びましょう。サイズごとの特徴や、おすすめの使い方を紹介します。
1人向けの10cm・14cm・16cm
10~14cmのラウンド型のストウブ鍋は、少量のおかずを作りたいときに活躍します。
10cmはデザート用の器としての使用や、ミニサイズのグラタンを作りたいときなどにおすすめです。非常に小さいため、家庭によっては五徳にうまく乗せらないことがあるかもしれません。加熱調理の場合には、オーブンを活用するのがよいでしょう。
1人分のランチや夜食を作るには、14~16cmが向いています。1人前のうどんや、0.5~1合までの少量の炊飯にちょうどよいサイズです。丼に移し替えず、そのまま器として使うこともできて洗い物を減らせます。
また、16cmは中程度のじゃがいもが約3個入る大きさで、少量の副菜を作りたい場合などに便利。おかずをもう1品足したいときや、メインディッシュに添える野菜をゆでたいときも重宝します。
2~3人向けの18cm・20cm
2~3人分のおかずを一度に作る機会が多い家庭には、18cmや20cmがおすすめです。1人程度家族が増えても対応できる絶妙な大きさで、臨機応変に使えます。副菜にもメインディッシュにも使いやすい大きさで、みそ汁やスープはもちろん「日常的なおかず作り」でオールマイティーに使いたい人におすすめ。2~3人分の唐揚げや天ぷらなどの揚げ物がスムーズに作れるなど、幅広い用途に対応できます。20cmあれば2~3合のお米を炊けるので、毎日の炊飯に利用してもよいでしょう。
3~6人向けの22cm・24cm
22cm以上の大きさがあるラウンド型のストウブ鍋は、3~6人分の料理を一度に作りたいときに向いています。「家族そろって食卓を囲む機会が多い家庭」で使いやすく、おかずを作り置きしたいときにもおすすめです。
22cm・24cmはストウブ鍋の特徴である、ふたの裏の「ピコ」の効果を最も実感しやすい大きさとされています。24cm程度の大きさがあれば、キャベツのような大きめの野菜も丸ごとゆでられて、下ごしらえが簡単に。ミートソースやカレーなどを大量に作り置きしたいときも、容量が大きい分調理しやすく重宝します。茶碗蒸しのように容器ごと蒸す料理を作る際も、利用しやすい大きさです。
オーバル型は料理に合わせて選ぼう
オーバル型は「作りたい人数分」で考えるのではなく、「作りたい料理の種類」に合わせて鍋のサイズを決めると失敗を減らせます。サイズによって適した料理が異なるため、使う目的を具体的にイメージしてから購入するとよいでしょう。どんな料理に向いているのか、サイズ別に紹介します。
アヒージョに便利な11cm・15cm
11cm・15cmのオーバル型のストウブ鍋は、アヒージョにぴったりなサイズです。アヒージョはオリーブオイルで海鮮や野菜などを煮込み、鍋ごと食卓の上に提供して楽しむ料理で、小さくカットしたパンを浸して食べます。ただし、ラウンド型と同様に11cmのオーバル型のストウブ鍋は、使用している五徳のサイズによっては小さすぎて乗せられないことがあるため注意が必要です。
アヒージョ以外にも1人分のオニオングラタンスープや、ソーセージのグリルなどを作りたいときに使いやすい大きさです。お菓子やデザートの器としても活躍します。
小魚の煮物に17cm・23cm
鰯や小鯵などの「小さな魚をそのまま煮込みたい」ときは、17cm・23cmのサイズが便利です。アスパラガスやインゲンのような、縦長の野菜の煮込みやソテーなどにもぴったり。エビフライや串カツのように、ある程度の長さがある揚げ物を作りたいときにも向いています。少ない量の油で、細長い食材を効率よく揚げられるところが魅力です。横長なので、一般的なオーブントースターにも入れやすい大きさ。1人分のグラタンやオーブン焼きなど、幅広い料理が作れます。
ローストチキンには27cm
27cmのオーバル型のストウブ鍋は「丸鶏」を煮込んだり、ローストしたりできるサイズです。イベントやおもてなしに適した料理を作れます。3~6人分のブイヤベースや、アクアパッツァなどの料理にも。料理が完成したら食卓の上に器ごと置けば、パーティーの演出アイテムとしてテーブルを華やかにしてくれるのも魅力です。
サツマイモやトウモロコシのような大きめの野菜を、丸ごと調理したいときにも使い勝手がよいでしょう。オーバル型のストウブ鍋で焼き芋を作るときは、熱の通り具合を見ながら位置を置き替えるとムラなく加熱でき、おいしく仕上がります。
子育て家庭におすすめ!ストウブ鍋5選
ストウブ鍋は大きさやデザインのバリエーションが豊富で、さまざまなシーンに合ったものが揃います。多くの種類があるストウブ鍋の中から、子どものいる家庭で使いやすいものを見ていきましょう。
ピコ・ココット「ラウンド ココット 18cm グレナディンレッド」
メインディッシュや少量のおかずのどちらにも使える、18cmのラウンドココットです。小さめの玉ねぎが約3個入る大きさで、2~3人分の煮物やお浸しなどの副菜が作れます。熱伝導率に優れ、急いでいるときもスムーズな調理をかなえてくれます。育ち盛りの子どもの栄養バランスを考えて、おかずを一品足したいときにも活躍するでしょう。
グレナディンレッドは、ザクロの色をイメージした、おしゃれなカラーです。落ち着きがある中にも存在感があり、独特の美しいツヤを楽しめます。さまざまな用途に向いていることから、最初の1台におすすめです。
商品名:ピコ・ココット「ラウンド ココット 18cm グレナディンレッド」
ピコ・ココット「オーバル ココット 27cm カンパーニュ」
大きな肉をカットせずにそのまま調理できる、27cmのオーバル型のストウブ鍋です。ローストチキンやサムゲタンのような鶏を丸ごと使う料理を作ったり、大きめの魚を煮込みたいときに重宝します。たくさんの料理を一度に作れるので、3~6人で鍋を囲みたいときにもおすすめ。子どもの誕生会やクリスマスなどのイベントでも、活躍してくれます。蓄熱性が高いので料理が冷めにくく、鍋ごと卓上に置いて使えば温かい料理を楽しめるところも魅力。「田舎風」という意味のカンパーニュは、ニュアンスのある穏やかなカラーで、食卓をおしゃれに演出してくれます。
商品名:ピコ・ココット「オーバル ココット 27cm カンパーニュ」
Wa-NABE「Wa-NABE M ブラック」
鍋料理やみそ汁など、和食をおいしく仕上げてくれるストウブ鍋です。定番のピコ・ココットとは違い、雪平鍋のようにやや丸みのある浅型をしています。日本人にとって「より親しみやすい形」を追求して作られ、鍋底をラウンド型にすることで素材を対流させて火を通しやすい工夫がされていることがポイント。Mサイズは直径が18cmで、2~3人分のみそ汁や副菜を作りたいときにおすすめな大きさです。ベーシックで使いやすいマットなブラックカラーで、ほかのクックウェアとのコーディネートがしやすくなっています。
商品名:Wa-NABE「Wa-NABE M ブラック」
ラ ココット de GOHAN「ココット de GOHAN 20cm カンパーニュ」
昔ながらの「羽釜」の形状にインスピレーションを受け、誕生したストウブ鍋です。日本のご飯のおいしさを追求して作られたシリーズとなっています。羽釜と同じように、熱をムラなく米粒に伝えることができ、一般的な電気炊飯器では作りにくいおいしいご飯を炊き上げたい人におすすめです。1合程度の少量のお米を炊きたいときも、ふっくらとした仕上がりを目指せます。20cmは3~5合を一度に炊けるサイズで、よくお米を食べる家庭でも使いやすいでしょう。
商品名:ラ ココット de GOHAN「ココット de GOHAN 20cm カンパーニュ」
ブレイザー ソテーパン「ブレイザーソテーパン 26cm」
すき焼きのように、炒めて煮込む料理に適した浅型のストウブ鍋です。コンロに沿うように置けるラウンド型で、熱伝導率に優れています。料理が冷めにくく、鍋ごとテーブルの上に置いて食べる料理にぴったりです。ふたを外したときの高さは「7.2cm」と浅型で、鍋から料理を取りやすく煮込み料理などを家族みんなで囲みたいときにも使えます。
大きめのハンバーグ5個程度を同時に焼ける大きさがあり、食べ盛りの子どもがいても安心です。夕飯のメインディッシュを多めに作りたいときや、料理を余分に作ってお弁当のおかずとして利用したいときにも活躍します。
商品名:ブレイザー ソテーパン「ブレイザーソテーパン 26cm カンパーニュ」
ストウブ鍋のよくある疑問
ストウブ鍋を一般的な鍋と同じように使用してよいのか、悩むこともあるでしょう。丈夫な作りになっているとはいえ、使い方を間違えると破損してしまいかねません。使用法やお手入れ方法など、ストウブ鍋のよくある疑問を解消しましょう。
IHや直火でも使用できる?
底が滑らかに作られているストウブ鍋は、IHでも直火でも使用できます。ただし、14cm以下の小さなラウンド型や11cm以下のオーバル型では、小さすぎてIHヒーターが作動しないことがあるので注意が必要です。
一般的なIHヒーターを使う場合、12cm以上26cm以内のサイズのストウブ鍋がおすすめですが、使用している「IHヒーター本体に対応しているサイズ」を確認してから購入しましょう。また、キャンプで焚火や炭火を使用して調理する際は、温度調節が可能なコンロとは違い高温になりすぎて、変色したり痛んだりする可能性があります。
参考:使える鍋の見分け方 | おしえて!IH | IHクッキングヒーター | システムキッチン | Panasonic
食洗機OK?洗い方やお手入れ方法
ストウブ鍋は、食洗機での洗浄を推奨していません。食器洗い用のスポンジや中性洗剤を使用して洗いましょう。金属製のタワシや研磨剤を含む洗剤を使用すると、鍋肌が傷ついてしまうことがあります。
焦げ付きができてしまった際は、鍋の中に水と中性洗剤を入れて放置し、コゲを浮かせて落とします。それでも落ちない汚れには「重曹」が効果的です。水を入れた鍋に鍋底が見えなくなる程度の重曹を振りかけてから、弱火で溶かします。水が少なくなったら少量ずつ足し、重曹が溶けるまで煮ましょう。鍋が冷めるまで待ってから、スポンジと中性洗剤で洗い流します。
参考:FAQ – 鋳物製品| STAUB
参考:ストウブ鍋の焦げ付きを取る方法 | キッチンマイスター|ZWILLING・STAUB公式webメディア
まとめ
ストウブ鍋は、食材の旨味を引き出し、保温性や耐久性に優れている鍋。上手に使用すれば、これまでに感じられなかった食材の魅力に気付けます。さまざまなサイズ展開があるので、人数や作りたい料理にあわせて適切なものを選びましょう。料理好きな人なら、大小のサイズをそろえておくとさまざまなメニューを作れて便利です。見た目がおしゃれなので器を兼ねて食卓の上にそのまま出すこともでき、できたての料理を振る舞えます。使いやすいサイズやお気に入りのカラーを見つけて、おいしい料理を作りましょう。
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