【目次】
・「柊」の意味や読み⽅とは?
・「柊」の特徴
・「柊」の花言葉
・「柊」の英語名は?
・最後に
「柊」の意味や読み⽅とは?
寒い時期、よく見かける植物の1つに「柊」がありますね。冬になると赤い実をつけ、クリスマスツリーやリース、ケーキの飾りつけにも使われます。ですが、そのイメージの「柊」は「セイヨウヒイラギ」で、日本の「柊」とは別物だと知っていましたか?
最近では、子供の名づけにも人気の漢字で、特に冬生まれの男の子につけられることが多いようです。今回は「柊」の読み方や意味、特徴、花言葉、英語名を紹介します。
<読み⽅と意味>
「柊」は訓読みが「ひいらぎ」、音読みでは「しゅう」と読みます。名づけの読みでは「しゅう」がよく使用されるようです。漢字の成り立ちは、冬に花をつける木であることから、木へんに冬で「柊」となりました。名前の由来は、「柊」特有の硬いギザギザの葉で、指などを傷つけ、ヒリヒリと痛むことを表す、「疼(ひいら)ぐ」という古語から来ていると言われています。
「柊」の特徴
クリスマスの飾りなどで使われる造花の「セイヨウヒイラギ」は知っていても、植物の「柊」は見たことがない人もいるかもしれませんね。「柊」は日本や台湾が原産地で、山などに自生する常緑樹です。日本では福島県以南で、特に四国や九州に生息しています。
実は幹は小ぶりですが、頑丈なため、将棋駒、印材、そろばん玉、櫛や楽器の一部にも使用されている樹木です。それでは、特徴3つを紹介します。
1:ギザギザの葉
濃い緑色の肉厚でギザギザの葉先は、棘状になっているのが「柊」の葉の特徴。この棘は、年々小さく丸くなっていきます。「柊」は成長速度が遅いため、鉢植えで育てることが可能で、剪定も少しずつ行う程度でいい植物です。生垣にするのも適しており、葉がチクチクしていることで、防犯面でも最適のようです。
また、「柊」の葉は、地域によっては薬として使われていた時代も。インディアンの間では、「ヒイラギ茶」があり、心臓の刺激薬として飲まれていたようです。
2:小さい白い花
あまり印象にないかもしれませんが、「柊」は、「金木犀」の花を白くしたような小さな花を咲かせます。実は「柊」は「金木犀」と同じ「モクセイ科」。香りは「金木犀」とは違い、ほのかに香る程度ですので、機会があれば花に近づき香りを嗅いでみましょう。
因みに、「セイヨウヒイラギ」は「モチノキ科」で、名前は似ていても属性が違う植物です。季節は11月から12月の寒いシーズンに咲きますが、寒さに弱いこともあり、北国では原生のものはないようです。
3:黒い実
「柊」と聞くと、「赤い実」がイメージだと答える方が大半だと思いますが、実が赤いのは「セイヨウヒイラギ」で、日本や台湾原産の「柊」は黒っぽい実をつけます。「柊」の実は、有毒であり、幼児が誤飲すると死亡することもあるので、取り扱いには要注意です。
「柊」の花言葉
「柊」は種類もたくさんあることもあり、花言葉もたくさん存在します。その中から、今回は「柊」と「セイヨウヒイラギ」の代表的な3つの花言葉を紹介いたします。
1:用心深さ
これは、ギザギザの葉で、ケガをすることからつけられた花言葉です。他にも、「柊」特有の棘のある葉から連想してつけられた花言葉の「保護」は、棘に魔除けの効果があることから来ています。
この「保護」という花言葉には、キリスト教が深く関連していると言われ、「キリストを邪悪から守った」という話も。その他に、「柊」の葉枝が「いばらの冠」を、赤い実が磔刑で流れた「イエスの血」を表すとも言われています。由来を知ると少し怖いですね。
2:先見の明
こちらの花言葉も、「柊」の葉の特徴から連想されたものです。年月を経て、棘が丸くなり、初めの頃の姿形にとらわれず、先を見渡すことが出来ることから出来た花言葉です。「先見の明」は「先を見通す賢さ」を表す言葉。そういったことからも「柊」が名づけに人気があるのがわかりますね。
3:家庭の幸せ
こちらは「セイヨウヒイラギ」の花言葉で、「domestic happiness」 を訳した言葉です。西洋でも古くから、魔除けの植物として知られています。「家庭の幸せ」という花言葉から、クリスマスに飾られるようになったと言われています。こちらも、良い意味の花言葉なので、クリスマスだけでなく、部屋に飾ってみたくなりますね。
「柊」の英語名は?
「柊」の英語学名は「Osmanthus heterophyllus」で、英語名は複数あります。「Chinese holly」が「柊」、「holly」が「セイヨウヒイラギ」を指します。また、「セイヨウヒイラギ」は、「クリスマスホーリー」や「イングリッシュホーリー」とも呼ばれています。これは、西洋において「柊」は、キリスト教と深く関係があり、クリスマスの飾りによく使われているところから呼ばれています。
「柊」を日本では、「鬼の目突き」と言われています。節分にイワシの頭を柊に刺した「鰯柊」を、鬼が家に入らないように魔除けとして玄関に飾ります。また、「鬼門」に「柊」の鉢植えを置いたりします。
最後に
「柊」について、色々と紹介してきました。「柊」と「セイヨウヒイラギ」の違いを知らなかった方も多いのではないでしょうか。日本の「柊」は、赤い実ではなく、黒い実だったりというのも意外だったのでは。ですが、どちらも魔除けの植物として扱われていたことなど、共通点も多いですね。
これから「クリスマス」と「節分」を迎えるまでに、違いを覚えて、それぞれのイベントで「柊」を飾って、楽しみましょう。