【目次】
「蝗」の由来や読み⽅とは?
最近、マンガやアニメ、トレーディングカードに「蝗」という字がつくキャラクターが出てきますが、読めますか? 日頃この漢字を目にする方は少ないと思います。だからこそ、ついつい検索して、読み方や由来など知りたくなりますね。この記事では、由来や読み方をはじめ、特徴や英語名を紹介しますので、確認しましょう。
由来と読み⽅
「蝗」は「いなご」と読み、「稲子」とも「螽」とも書きます。バッタによく似た昆虫の総称です。 因みに中国ではバッタのことを、「蝗」と書きます。古くは「いなごまろ」と擬人化されて呼ばれていたこともあったようです。
何故「蝗」が「虫」に「皇」と書くのかというと、昔の中国では、ワタリバッタによる農作物を全滅させてしまう災害は天災であり、皇帝の不徳からくるものだと信じられていたからだと言われています。そして、中国ではバッタを指していた「蝗」が、日本に伝来した際に、間違って「いなご」につけられてしまった為だそうです。
「蝗」の特徴
地域や年代によっては、「蝗」に馴染みのある方もいると思いますが、バッタと何が違うのか、どんな昆虫なのか知らない方もいると思いますので、特徴を3つ紹介します。
水田に住んでいる
「蝗」はバッタと違い、水田や湿田に住んでいます。イネ科植物の葉を食べて生息している昆虫です。「稲子」と表記することからも、稲と関係のあることがよくわかりますね。夏から秋によく見かける虫で、秋に地中に産卵し、鳴かない虫でもあります。羽で飛ぶというよりは、後ろ脚の発達により、脚力で飛び跳ねています。
食べられる
「蝗」は世界各地で、たんぱく質、カルシウムを多く含むこともあり、食用昆虫と認識されています。旧約聖書では昆虫食は禁止されているものの、「蝗」だけは例外的に食べることを許されていました。それくらい古くから食べられています。
また、害虫駆除を兼ねて大量に捕まえていたことも要因でした。戦後の食糧難には、「蝗」で飢えを凌いでいた話を聞いたことがある人、体験した方もいるでしょう。日本では、郷土料理で有名なイナゴの佃煮や甘露煮などが定番ですが、最近ではイナゴソフトクリームや、醤油の代わりになる「蝗」の醤油風調味料を開発するなど、幅広い商品が出てきているようです。
農業害虫
「蝗」は顎が発達している為、稲などの茎や葉を難無く食べてしまいます。米農家などにとっては、農業害虫となります。江戸時代や明治時代に北海道で発生したイナゴの大群による被害が有名で、近年では1986年に鹿児島県、2007年に関西国際空港で発生しました。日本では環境や地理的条件で、大群は発生しにくいとは言われていますが、農業害虫であることには、変わりません。