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2023.11.08

【付和雷同】は褒め言葉とけなし言葉のどちら?由来や使い方も見てみよう

ネガティブな意味で使われることに注意

「付和雷同」は自分の主張を持つことなく、むやみに他人に同調するという意味の言葉です。特にビジネスシーンにおいては、ネガティブな意味で使用されることが多いことに留意しましょう。

見方を変えれば、「周りの空気を読んで対応できる」「人を気遣い、その人に寄り添うことができると捉えることもできるかもしれませんが、そのような意味で使われることはほぼありません。

そのため、褒め言葉のつもりで「付和雷同だね」と言ったとしても、相手は否定の意味で受け止める可能性が高いでしょう。軽い気持ちで他人の評価に用いることは避けましょう。

「付和雷同」の類語・対義語

付和雷同」には似たような意味をもつ類語、反対の意味である対義語がいくつかあります。特に類語は言い換え表現として使うことができるため、覚えておくと表現が広がります。ぜひ確認してみてください。

ここでは「付和雷同」の類語である「尻馬に乗る」「唯々諾々」、対義語の「志操堅固」「独立独歩」について、意味や例文を交えた使い方などを解説します。

付和雷同

類語は「尻馬に乗る(しりうまにのる)」「唯々諾々(いいだくだく)」など

尻馬に乗る」は分別無く他の人に同調して軽はずみな言動をしたり、調子に乗って人のまねをするという意味です。軽々しく行動するさまのたとえです。「尻馬に乗って、よく調べずに株を買ってしまった」などと使います。

唯々諾々」は、少しも逆らうことなく従うさまをたとえる言葉です。「唯々」「諾々」は両方とも「はいはい」と答える声をあらわしています。「彼女は唯々諾々と従うイエスマンだ」といった使い方をします。

【尻馬に乗る:しりうまにのる】分別もなく他人の言動に同調して、軽はずみなことをする。人のあとについて、調子に乗ってそのまねをする。「―・って騒ぐ」

【唯唯諾諾:いいだくだく】少しも逆らわずに他人の言いなりになるさま。「唯唯諾諾として命令に服している」

対義語は「志操堅固(しそうけんご)」「独立独歩(どくりつどっぽ)」など

「志操堅固」は、思想や主義などを一貫して守り、変えようとしないことを意味します。しっかりした人物のことをあらわすため、「付和雷同」とは対照的な意味であることがわかるでしょう。「志操堅固な思想の持ち主に憧れる」というように使います。

「独立独歩」は誰の助けも借りずに、自力で物事を行うことのたとえです。自分で考え行動するさまは、他人の意見に安易に合わせてしまう「付和雷同」の正反対であるといえるでしょう。「独立独歩な生き方をしてきた」などと使います。

【独立独歩:どくりつどっぽ】1 他人にたよらず、自分の信じるところに従って行動すること。独立独行。「独立独歩の精神」2 他に並ぶもののないこと。

自分の意見を持ち「付和雷同」にならないようにしよう

付和雷同」は、自分の主義や主張を持たず他人の意見に合わせてしまうことをあらわす言葉です。他人の意見や考えに安易に同調することに対して、ネガティブな意味で使うことが多いでしょう。

付和雷同

「付和」も「雷同」も安易に人の意見に従うという意味で、同じような言葉を合わせてできたのが「付和雷同」です。由来は中国古代の書物『礼記』にあるといわれています。

似た意味を持つ類語としては「尻馬に乗る」、「唯々諾々」などがあります。言い換え表現として覚えておくと語彙の幅が広がるでしょう。反対語は「志操堅固」や「独立独歩」などです。

場の空気を読み人の意見に合わせることも時には必要です。しかし、自分の考えを持たず、常にその調子だと「付和雷同」な人になってしまう可能性があります。状況に応じて自分の主張ができるようにしましょう。

写真・イラスト/(C) shutterstock.com

(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

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