愛嬌、あなたは私の愛を退ける
こちらは白い「山茶花」の花言葉です。冬の風に吹かれながらも健気に咲く姿に、昔の人は愛らしさを感じたのでしょうか。「愛嬌」という花言葉がつけられています。
永遠の愛
こちらはピンク色の「山茶花」の花言葉。冬が来て他の花が枯れても、「山茶花」は寒さに負けずひたむきに咲き続けます。その姿から「永遠の愛」という言葉がつけられたようです。
「山茶花」と椿の違いとは?
冬の庭に彩りを添えてくれる植物に「山茶花」と「椿」があります。どちらもよく似ているため見かけた時に違いがわからない、という方も多いのではないでしょうか? わかりやすい見分け方やポイントを紹介します。
花びらが落ちる方が「山茶花」
「山茶花」と「椿」の一番の見分け方は、花の散りかた。花びらがばらばらに散っているのが「山茶花」。花首ごと落ちているのが「椿」です。違いに迷ったときは、ぜひ足元をみてみましょう。ちなみに「椿」は、花が丸ごと落ちる姿から「首が落ちる姿に似ていて縁起が悪い」とされ武士に嫌われていました。有名なエピソードですね。
10月頃から開花する方が「山茶花」
「山茶花」と「椿」は、開花時期も若干異なります。「山茶花」は、10月から12月。「椿」は12月から4月です。秋頃から開花しているものは「山茶花」である可能性が高いといえます。ただし、花の品種や気候によっても変わってくるため、迷ったときは他の見分け方と併用してみましょう。
花が平面的で薄い方が「山茶花」
見た目もそっくりな両者ですが、若干特徴に違いが見られます。椿に比べて、花が平面的で薄いのが「山茶花」です。対して花が筒状で花びらに厚みのあるものが「椿」です。ただし、両者とも八重咲きなどの種類があるため見分けがつきにくいことも。シンプルな「山茶花」や「椿」ほど見分けやすいポイントといえるでしょう。
葉っぱのぎざぎざが深い方が「山茶花」
花が咲いていない時期は「葉っぱ」で見分けることもできますよ。葉っぱのぎざぎざのことを「鋸歯(きょし)」といいますが、このぎざぎざが深いものが「山茶花」。比較的浅いものが「椿」です。今度公園や庭で見かけたときは、葉もチェックしてみましょう。
葉っぱに毛が生えている方が「山茶花」
両者は葉も似ていますが、「山茶花」の方が葉の大きさがやや小ぶりです。また、葉に細かな毛が生えているものが「山茶花」。葉に毛が生えていないものが「椿」です。ちなみに実のもととなる子房の部分にも「山茶花」は毛が生えていますが、「椿」にはほとんど見られません。種類によっても若干の差はあるかもしれませんが、迷ったときは参考にしてみましょう。
山茶花の育て方
山茶花の育て方のポイントをご紹介します。
栽培環境
山茶花は庭植えの場合も鉢植えでも水はけと水もちがよく、有機物の多い土を好みます。土には有機質を多く含み、肥料や水を保ちやすくする腐葉土を混ぜましょう。
山茶花は日当たりの良い場所を好みます。西日が直に当たる場所は避けると良いでしょう。日陰でも育ちますが、花数が減ったり花色が薄くなることがあります。また、比較的寒さには強いと言えますが、冬の乾いた寒風が吹き付ける場所は避けると良いでしょう。
苗木の植えつけ時期
苗木の植えつけは、地植えも鉢植えも3月~4月または9月~10月に行います。比較的穏やかな気候の時期を狙って植えつけを行うと覚えておくと良いでしょう。
水やり
地植えの場合も鉢植えでも、植えつけ時にはたっぷり水をやることを心がけましょう。鉢植えの場合は、根がしっかり張ったあとも、土の表面が乾いたタイミングを目安に水やりをします。地植えの場合は、根が張ったあとは水やりは必要ありません。
肥料
地植えの場合は、2月ごろに寒肥として有機質肥料を埋めておきます。鉢植えの場合、開花後の3月ごろと9月ごろに追肥を行います。花のついている場合は咲き終わるのを待ってから肥料を追加しましょう。土にしっかり栄養を与えることで、葉が枯れたり、花のつきが悪くなることを防げます。
ふやし方
山茶花は、さし木でふやすことができます。6~7月に春に新しく伸びた枝を10~20cm切り取ってさし穂に利用します。湿らせた土にさし、直射日光を避けた明るい場所で管理します。しっかりした根が出るまで水切れしないように注意しましょう。空気穴をあけた透明のビニールを被せると、日に当てながら湿度も保つことができます。順調に根が育てば、3か月後を目安に鉢上げすることができます。
また、山茶花は種からも育てることができます。種まきの時期は、種子が採取できる10月ごろまたは3月ごろが適切です。採取した種は、乾燥しないうちにすぐに撒くと良いでしょう。翌年の3月に撒く場合は、種が乾燥しないように水苔に包んでビニール袋に入れ、冷蔵庫など冷暗所で保管しましょう。発芽までは1か月ほどかかります。花をつけるまでにはかなりの年月を要するため、気長に育てましょう。
英語表現とは?
「山茶花」は、英語の学名である「Camellia sasanqua」や「camellia」といいます。「camellia」とは「椿」という意味です。
最後に
「山茶花」の特徴や種類、花言葉などを紹介してきました。 「山茶花」は、古くから観賞用として親しまれていたようですね。また、花だけではなく木材は建築に使われていたり、種は髪につける油に利用されていたりと、昔の人々の生活に役立っていた植物であることもわかりました。
ぜひ今度、公園や街中で見かけたときは、先述したポイントを参考に、「山茶花」か「椿」か見分けてみてはいかがでしょうか?
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