似た意味の言葉・ことわざ
・一を以って万を知る(いちをもってばんをしる)
・一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)
「一を以って万を知る」は物事の一部分を知ればすべてがわかること、「一を聞いて十を知る」は物事の一部を聞くだけで全容を理解できることを表し、「一事が万事」と似たような意味で使えます。
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反対の意味の言葉・ことわざ
・木を見て森を見ず
・木を数えて林を忘れる
・鹿を追う者は山を見ず
「木を見て森を見ず」の意味は、ささいなことに気を取られて物事の本質を見失うことです。その字のとおり、注意が木にしか向いておらず、森全体を意識していないことを表します。
「木を数えて林を忘れる」も似たような意味をもち、小さなことだけに意識が向いていて全体が見えていないような場面で使います。また、「鹿を追う者は山を見ず」とは、目先の利益に夢中になっていて他のものが目に入らないような状態を表す言葉です。
「一事が万事」を英語で表現すると?
「一事が万事」の英語表現をご紹介します。それぞれ詳しく見てきいきましょう。
False with one can be false with two.
False with one can be false with two.は「一事が万事」と同じようなシーンで使うことができる英語のことわざです。「一つのことについて偽る人は、二つのことについても偽る」という意味があり、一つを見るとすべてを判断できるというニュアンスを含んでいます。
falseの意味
真実ではない
事実と異なる,偽の,うその,〈情報などが〉にせの,〈態度・行為などが〉見せかけの(⇔true)
〈引用(小学館 プログレッシブ英和中辞典)より〉
If apart of a thing is seen, all of it can be judged as to whether it is good or had.
「一事が万事」の持つ「一つの事を見れば、他のすべてのことを推し量ることができる」ことを直接的に伝えたい場合は判断という意味を持つ「judge」を使って「If apart of a thing is seen, all of it can be judged as to whether it is good or had.(物事の一部を見れば、全体が良いか悪いか判断できる)」と表現すると良いでしょう。
judgeの意味
〈人・競技などを〉判定[審査]する;自判定を下す
事を〉判断する,〈人・事を〉(…だと/…ということだと)断定する,決め込む≪to be/that節≫;自(…から)判断する≪from,by≫
〈引用(小学館 プログレッシブ英和中辞典)より〉
He that will steal a pin will steal an ox.
He that will steal a pin will steal an ox.は直訳すると「ピンを盗む男は牛も盗むだろう」となり、「一事が万事」と同じニュアンスをもつ英語のことわざです。ただし、ピンを盗むぐらいわずかな物事だからと放置しておくとそのうち牛をも盗むだろうという、悪いことは小さな芽でも摘んでおかなければならないという意味を含むフレーズですので、使う際には注意が必要です。
stealの意味
他〈金・物を〉(場所・人から)盗む;自盗みをする,こそどろをする,(…から)抜き取る(away)≪from≫
〈引用(小学館 プログレッシブ英和中辞典)より〉
「一事が万事」を正しい意味で使ってみよう
「一事が万事」は人を評価する際に多用されることわざで、一つを見るだけですべてを判断できるという意味があります。由来となったエピソードなどはなく、昔から根付いている物事の判断の仕方になぞらえたものとされています。
ネガティブな意味合いが強い表現のため、使う相手や状況には注意が必要でしょう。「一事が万事」の正しい意味や使い方を理解し、ビジネスシーンや日常会話に取り入れてみてください。
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