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「帯に短し、襷に長し」の意味と由来
Domani読者の皆さんは、仕事や日常生活で中途半端な状況に遭遇することってありませんか? そんな時に使える便利な表現が「帯に短し、襷に長し」です。覚えておくと使えるシーンが出てくるかもしれません。早速、意味から紹介します。
意味は、中途半端で役に立たないこと
まずは、辞書で調べた言葉の意味を紹介します。
帯(おび)に短(みじか)し襷(たすき)に長(なが)し
中途半端で役に立たないことのたとえ。
『デジタル大辞泉』より引用
「帯に短し、襷に長し」とは、布の長さが帯にするには短すぎて、襷にするには長すぎる状態を指します。このことわざは、何かを作るための素材や問題を解決するための手段、人材などが中途半端で、適切なものが見つからないときに使われます。
つまりは「どちらにも使えない中途半端な状態」のことを表しているんですね。
帯には短いけれど、襷だと長い?
襷よりも長いのが、帯ですよね。一般的な帯と襷の長さは次の通りです。帯と襷の長さはずいぶんと違うことがわかります。
・一般的な帯の長さ:約3.6~4.3m
・一般的な襷の長さ:約2.1~2.4m
「帯に短し、襷に長し」の使い方と例文
「帯に短し襷に長し」は、どのような使い方をするのでしょうか? ここからは、使い方のポイントと例文を紹介します。たとえとして用いる表現ですので、意味はしっかりと把握しておきたいですね。
【使用するシーン】中途半端で役立たないことを指して使う
せっかく購入したのに、中途半端で使えない商品だった…。こういうことって日常生活の中でよくありますよね。このような状況を表す場合に「帯に短し、襷に長し」を使います。
具体的な例を挙げましょう。素敵なバッグを見かけたけれど、普段使いするには大きすぎるし、旅行に使うには容量が足りず、買っても使わなさそうです。このような場合に「帯に短し、襷に長し」をたとえとして用います。
「帯に短し襷に長し」を使った例文
ここからは「帯に短し、襷に長し」の具体的な例文を紹介します。いくつもの例文に触れると、使い方のイメージがつかみやすいかもしれません。
例文
・購入したTシャツだが、息子には大きすぎるし、私には小さすぎた。「帯に短し、襷に長し」とはこのことだ。
・まさに「帯に短し、襷に長し」で、ちょうどいい難易度の問題集を見つけるのに苦労した。
・私の英語力は日常会話は問題なくても、まだまだビジネスでは通用せず、「帯に短し、襷に長し」といったところだろう。
「帯に短し、襷に長し」はビジネスシーンでも活用できる
「帯に短し、襷に長し」は、ビジネスシーンでも使われます。どのように活用したらいいか、見ていきましょう。
【使用するシーン】知識や能力不足の状況を表す
「帯に短し、襷に長し」は、知識や能力が不十分な状況を指して使うこともあります。必要なレベルに達しておらず、中途半端なさまを表す際に、たとえとして用いることが多いでしょう。また、製品やサービスなどのレベルやクオリティなどに対して使うこともあります。
ビジネスシーンで用いるときの例文
ビジネスシーンでこの言葉を使う際の注意点を押さえつつ、具体的な例文を見ていきましょう。なお、この表現は褒め言葉として使うことはなく、特に人に対して用いる場合は慎重を期する必要があります。
例文
・新しいリーダー候補を考えているのですが、どの人材も帯に短し、襷に長し。飛び抜けて適性がある人は見当たりません…。
・昨日先方が提案してくれた新しいシステムですが、帯に短し、襷に長しで、これといった特長もなく、強い魅力を感じないという意見が大半でした。
・〇〇部長の送迎会の会場探しをしているのですが、A 店は狭すぎるし、B店は広すぎます。C店は会社と駅から遠すぎて、ちょうどいいところが見つかりません。どの店も帯に短し、襷に長しで、行き詰まってしまいました。
なんとなくイメージはつかめたでしょうか? 例文を見てもわかるように、ポジティブな意味では使わないため、誤解を招かないように注意してください。
「帯に短し、襷に長し」の類義語
「帯に短し襷に長し」の類義語として3つの言葉を紹介します。もっとも意味が近い表現は、「褌には短し、手拭には長し」です。言い換え表現として使用できますよ。
褌には短し手拭には長し(ふんどしにはみじかしてぬぐいにはながし)
「帯に短し、襷に長し」と同じ意味で使えるのが、「褌には短し手拭には長し」です。「褌にするには短すぎるが、手拭にするには長すぎる布」という意味から、中途半端で使いものにならないたとえとして用いられています。ちなみに、一般的な褌の長さは約2m程度。手拭の長さは約1ⅿ前後とされています。