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LIFESTYLE 漢字クイズ

2023.12.04

【欠伸】←なんと読む? 実は読み方が4通りあるんです

 

欠伸形(あくびのがた)

「欠伸」という単語を用いた熟語には「欠伸形」というものもあります。読み方は「あくびのがた」です。単語の「欠伸」と「形」を合わせた熟語のように感じますが、これは、ここまでにご紹介した「呼吸運動」に関連する意味とは、全く異なる意味をもちます。では一体どのような意味をもつ熟語なのでしょうか。

意味

欠伸形(あくびのがた)」は、50cmほどの竹に、長方形の穴を空け、生け口とした花器のことを指します。つまり、茶道で用いられる道具のひとつということです。

全体の形状が、人間があくびをしている姿に似ていることから、この名前がついたとされています。そういった由来から考えると、呼吸運動としての「欠伸」との繋がりもあるといえるでしょう。

欠伸形」は、茶道で用いられるとあって、普段はあまり目にすることのないものです。そのため、人間が「欠伸」をする姿は、このように道具の名前となることもあると覚えておきましょう。

「欠伸」の由来は「枕草子」から

では「欠伸」というのは、いつの時代からある言葉なのでしょうか?「欠伸」という単語の由来を知るには、平安時代までさかのぼります。

欠伸

平安時代、有名な古典文学のひとつである『枕草子』。そのなかに登場した動詞「欠ぶ」こそが「欠伸」の由来とされています。同書では以下のような一節に「欠ぶ」という単語が登場します。

ながやかにうつあく(欠)びて(訳:長々と欠伸をして)

残念ながら「欠び」の語源は、未だわかっていません。

しかし「欠伸」という単語が、平安時代の言葉を基に生まれたものであることはおわかりいただけたでしょう。

「欠伸」の使い方を例文でご紹介

「欠伸」という言葉の使い方がわからないという方は少ないでしょうが、念のためここでいくつか例文を紹介します。いずれもさまざまな小説から抜粋した一文ですので、参考にしてください。

欠伸

 

・膝の三毛猫は、彼女の膝を飛び下りると、毛並みの美しい背を高くして、快さそうに【欠伸】をした/『影』芥川龍之介

・その笑が、日南に居て、蜘蛛の巣の影になるから、鳥が嘴を開けたか、猫が【欠伸】をしたように、人間離れをして…/『茸の舞姫』泉鏡花

・五十分目には退屈を催し、一時間目には【欠伸】が出る/『現代日本の開化』夏目漱石

まとめ

「欠伸」の意味について解説しました。普段何気なく使っている単語でも、その意味や由来、慣用表現などを深く知ると、とても興味深いもののように感じませんか?

欠伸

「欠伸をしている姿を連想させる花器があるなんて知らなかった」という方も多いはず。

日常的に使っている言葉であっても、ときにはじっくりとその単語について考えてみることも面白いものですよ。

写真・イラスト/(C) Shutterstock.com

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