漢字の由来は?
「朝餉」は見たとおり「朝」と「餉」といった2つの漢字から成る単語です。そこで、それぞれの漢字の由来について、解説していきます。
まずは「朝」という漢字。朝は2つ以上の漢字を組み合わせてできた「会意文字」です。
朝の「辺」の部分から見ていきましょう。上下は「草」を表す象形文字、その間の「日」は太陽を表しています。次に「つくり」の部分。月とは、川の流れから生まれた象形文字です。
「草+日+水」から、草の間に日が昇り、潮が満ちていく様を示して「朝」となります。
次に「餉」について解説します。こちらも「食」と「向」から成る会意文字です。
まずは「辺」である「食」は、食器に食べ物をのせ、その上からフタをする様から成る象形です。そして「つくり」である「向」は、家と窓を表した象形文字。
この2つを合わせて「食を向ける」となります。つまり「餉」は、誰かに対して「食」を届けるといった意味をもつ漢字であると解釈できるでしょう。
語句の由来は?
残念ながら「朝餉」という語句がいつから使われていたのか、その詳細はわかっていません。
しかしもともとは「あさけ」と読まれており、それが近世以降に「あさげ」と濁るようになったことはわかっています。
「餉(け)」の由来は、食べ物を入れる器として「筍」が使われており、筍を「け」と読んだことに、由来しています。
「朝食」をあらわすその他の語句
前述したように、日本語には同じ意味であっても、さまざまな言い回しが存在します。
一人称を表す単語に「私」「自分」「僕」「オレ」「我」があるように、朝の食事を表す言葉もたくさんあります。
最後に、おさらいの意味も込めて「朝食」を表す語句をすべてチェックしてみましょう。同じ意味を指す単語を多く知っていることは、ボキャブラリーを増やすうえで非常に効果的です。「朝餉」とともに覚えておきましょう。
朝食/朝ごはん/朝飯/朝餐/朝御飯/朝の食事/朝げ
言い換え表現も覚えて活用を!
「朝餉」とは何なのか、読み方や意味、言い換え、由来について解説しました。「朝にとる食事」を表現するだけであっても、さまざまな言い換えができます。また同じ意味であっても「朝御飯」と「朝めし」のように、ニュアンスが異なる単語もあります。それこそが日本語の面白みでもあり、難しい点でもあるでしょう。
「朝餉」とは朝食であるとともに、天皇が食べる軽食という意味でもあります。主語が天皇であることを強調したいときには、役立つ単語です。またあえて古めかしい表現をしたいときにも、「朝餉」は役立ちますので、ぜひ使ってみてください。
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