「夕餉」とは?
「夕餉」とは、何と読むかわかりますか?「夕」という漢字が使われている通り、私たちが毎日夕方に行うことをさす言葉です。まずは、「夕餉」の読み方から意味、使い方まで解説していきます。
意味や読み方
「夕餉」とは、「ゆうげ」と読み、「夕食」のことをさします。もともとは「ゆうけ」と読んでいたそうですが、現在では「ゆうげ」と、濁音で読むのが一般的です。ちなみに、「夕餉」のほか、「朝餉(あさげ)」「昼餉(ひるげ)」という言葉もあります。それぞれ、「朝食」「昼食」という意味です。
「餉」は、あまり見慣れないため、読み方がわからなかったという方も多いでしょう。「餉」という漢字は、音読みで「ショウ」、訓読みだと「かれい」「おく(る)」などと読みます。「食」と「向」からなり、「食糧を送り届ける」「酒食をすすめる」といった意味を持つ漢字です。
【夕餉(ゆうげ)】
《古くは「ゆうけ」》夕方の食事。夕食。夕飯。
<小学館 デジタル大辞泉>より
使い方
「夕餉」は、現代ではあまり耳にしない言葉ですので、使い方がわからないという方も多いはず。しかし、「夕餉」は、「夕食」や「夕飯」などと同様に使えます。下記に、例文を挙げますので参考にしてみてください。
・夕餉前の時間に、軽く運動をする。
・明日は久しぶりに家族全員揃って、夕餉を食べる。
・フルタイムで働いたあとの夕餉の支度は大変だ。
・今日は海外留学に行く娘との最後の夕餉だ。
・夕餉時になると、公園は一気に静まりかえった。
「夕餉」の類語は「夕食」「晩飯」など
次に、「夕餉」と同じ意味を持つ言葉を紹介します。「夕餉」は古風な言い方ではあるものの、「夕食」という意味なので、類語はいくつも挙げられそうです。それぞれの言葉の読み方や意味、「夕餉」との違いについても解説していきます。
夕食
「夕食(ゆうしょく)」は、馴染みのある言葉ですよね。あらためて意味を辞書で引いてみましょう。
【夕食(ゆうしょく)】
夕方にとる食事。夕飯。夕餉(ゆうげ)。
<小学館 デジタル大辞泉>より
辞書にある通り、「夕食」と「夕餉」に違いはなく、同じ意味の言葉です。なお、「夕」は、日が沈み、夜になろうとする時のことをさします。日本では、夕方や日が暮れる頃に食事を楽しむ習慣があったため、「夕食」という言葉ができたのでしょう。
晩飯
「晩飯」とは「ばんめし」と読みます。意味は、「晩の食事」「夕食」など。「晩」は、夕暮れや夜を意味します。「夕食」と同じ意味ではありますが、夕方にとる食事というよりは、日が暮れてからとる食事というイメージでしょう。
丁寧で上品な印象を与えたい場合は、「晩飯」ではなく、「夕食」「夕餉」を使ったほうがいいでしょう。
夜御飯
「夜御飯」は、その漢字の通り、「夜の食事」「晩ご飯」という意味です。「夜ごはん」や「夜ご飯」などとも書かれます。会話などで一般的に使われていますが、「夜御飯」は、近年になってできた言葉なのだとか。
そのため、「夜ごはん」には、「違和感を覚える」「幼いイメージがある」と感じる方もいるよう。ビジネスの場面や、年配の方と話す際には、避けたほうがいいかもしれません。
1日の食事をあらわす熟語には「朝餉」「昼餉」も
続いて、「夕餉」のほかに、食事をあらわす熟語をいくつか見ていきましょう。ここでは、「夕餉」と同じく、「餉」という漢字を用いた「朝餉」「昼餉」「午餉」といった3つの言葉をピックアップ。それぞれの言葉の意味や読み方、例文も紹介します。
朝餉
「朝餉」の読み方は、「あさげ」もしくは「あさがれい」。読み方によって意味が異なるので、それぞれ紹介しましょう。まず「あさげ」と読む場合は、「朝食」のことをさします。一方、「あさがれい」と読む場合は、「天皇の日常の食事」のことを意味します。儀式などで食べる特別な食事のことではなく、天皇が日常で食べる軽食のことをさします。
例文:朝餉は1日のなかでもっとも重要な食事だ。