臍(へそ)を曲げる
「臍を曲げる」とは機嫌を悪くして、意固地になるという意味です。この場合は臍を「へそ」と読みます。日常でもよく使われる言葉なので、おなじみでしょう。
【例文】
・残業が長引いてしまって約束の時間に大幅に遅れたために、彼女はすっかり【臍を曲げて】しまっていてなかなか機嫌を直してくれませんでした。
・取引先の営業部長はいったん【臍を曲げる】と大変ですので、メンツを立てるように気を使っていただけると幸いです。
【目次】
「臍を噛む」の類義語3つ
「臍を噛む」という言葉には、前述した語源を考えると「後悔しないように気をつけよう」という教訓のニュアンスが含まれていると考えられます。
「臍を噛む」のいくつかの類義語をチェックして、ニュアンスの違いなどを確認してみましょう。
後悔先に立たず(こうかいさきにたたず)
「後悔先に立たず」は「やってしまったことはあとになって悔やんでもしょうがない」という意味です。「ことを行う前には熟慮することが必要である」という教訓の意味を含んでいます。
【例文】
・【後悔先に立たず】だから、しっかり準備して社内の昇進試験にのぞんでくれたまえ。
・【後悔先に立たず】とはよくいったもので、私の軽率な行動でお客様にご迷惑をおかけしたことは悔やんでも悔やみきれません。
切歯扼腕(せっしやくわん)
「切歯扼腕」とはとても悔しがっているさまを表す言葉です。切歯は歯ぎしり、扼腕は自分の手でもう一方の自分の手首をつかむことで、中国の「史記」が語源になっています。読み方は「せっしやくわん」です。「臍を噛む」ほど、教訓のニュアンスはありません。
【例文】
・得意先の発注をライバル会社に取られて、営業のA君は【切歯扼腕】していました。
・あの日、【切歯扼腕】した経験が今日の自分を築いています。
後の祭り(あとのまつり)
「後の祭り」は、祭りの後に山車を出すように、手遅れであること、無駄なことを表す言葉です。
【例文】
・ろくに練習しなったのだから、相手チームに大差をつけられて、どんなに悔しがっても【後の祭り】です。
・電車が遅れて、プレゼンに遅刻したとからといって、豪雨を恨んでも【後の祭り】でしょう。
まとめ
「臍を噛む」はどうにもならなくなったことを悔やむという意味です。臍がへそであることがわかれば、イメージをつかむことができるでしょう。
中国の故事「春秋左氏伝」が語源となっていて、やるべきときにやるべきことをやらないと、後悔するという逸話から生まれた言葉です。意味を間違って使って臍を噛んでしまわないよう正しく使ってください。
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