目上の人相手には注意が必要
先述のとおり、「昔取った杵柄」とは相手に対して褒め言葉として使うことわざです。そのため目上の人を持ち上げる意味で使いたくなる言葉ですが、自分より目上の人に使うのはなるべく控えたほうがいいでしょう。相手が年下の人から評価されていると感じ、嫌な気持ちになる可能性もあるからです。
「昔取った杵柄」の類語と対義語
「昔取った杵柄」と同様の意味を持つ類語や反対の意味を持つ対義語は、以下のとおりです。
・類語は「亀の甲より年の劫」など
・対義語は「年は争えない」など
例に挙げたもの以外にも、「昔取った杵柄」には複数の類語や対義語があります。それぞれの言葉の意味や読み方もあわせてチェックして、ボキャブラリーを増やしましょう。
類語は「亀の甲より年の劫」など
「昔取った杵柄」の類語には、「亀の甲より年の劫」や「昔の勘を取り戻す」などがあります。それぞれの意味と読み方は以下のとおりです。
【類語1】亀の甲より年の劫(かめのこうよりとしのこう)
長年の経験は貴重なものだということ。
【類語2】昔の勘を取り戻す(むかしのかんをとりもどす)
かつて習得した技術を再度取り戻すこと。
【類語3】年季が入る(ねんきがはいる)
長い間の経験により、確かな腕を持っていること。
対義語は「年は争えない」など
「昔取った杵柄」の対義語は「年は争えない」や「昔千里も今一里」などがあります。それぞれの意味と読み方は以下のとおりです。
【対義語1】年は争えない(としはあらそえない)
老いてくると、体の衰えには勝てないこと。
【対義語2】昔千里も今一里(むかしせんりもいまいちり)
どんなに優れた能力を持つ者でも、年を取れば人並み以下になってしまうこと。
【対義語3】麒麟も老いては駑馬に劣る(きりんもおいてはどばにおとる)
いかに優れた人であっても、老いていけば普通の人にも劣るということ。
まとめ
「昔取った杵柄」とは、若いころに鍛えた腕前が今でも衰えていないという意味のことわざです。自分に対して使うケースと相手に対して使うケースとで異なる意味を持ちます。
相手に対して使うときは褒め言葉ではあるものの、目下の人に評価されることを嫌う人もいるため、目上の人に対しては使わない方が無難です。
「昔取った杵柄」が持つ意味やその言葉ができた背景、類語、対義語などをまとめて確認し、正しく使えるようになりましょう。
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