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2022.05.23

「私淑」の意味とは? 由来や類語、「師事」との違い、英語表現などを解説



「私淑」とは、「尊敬している人物の著作や作品から間接的に学ぶ」ことを意味する言葉。意味や由来、似た意味を持つ「師事」との違いなどを紹介します。

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「私淑」の意味とは?

「○○を私淑する」というように使われる「私淑」という言葉。尊敬している相手から学ぶことを指しますが、間違った使い方をしているケースも少なくありません。そこで今回は、「私淑」の意味や由来、使い方、類語などを解説します。

私淑読み方意味使い方例文類語言い換え英語

意味

私淑(ししゅく)」の意味を辞書で見ると、以下の通りです。

直接に教えは受けないが、ひそかにその人を師と考えて尊敬し、模範として学ぶこと。(<小学館デジタル大辞泉>より)

個人的に尊敬している相手から学ぶことを「私淑」といいます。あくまで直接会わず、尊敬している人物の著作や作品から間接的に学ぶのが特徴です。「私淑」する相手は、専門家や教師など肩書きのある人とは限りません。自分が教わりたいと思う相手が対象となります。直接会っていて、師匠と弟子の関係になっている場合には使用できないため注意しましょう。

由来

「私淑」は、中国の儒学者 孟子(もうし)の言葉に由来するといわれています。孟子は、儒教の祖とも呼ばれる孔子から学問を学びたいと思っていました。しかし、そのとき孔子はすでに故人であったために、直接教えを乞うことができなかったのです。

孟子はその時の心境を「子は私(ひそ)かにこれを人よりうけて淑(よし)とするなり」と記しました。このことから、直接会えない相手から学ぶことを「私淑」と呼ぶようになったとされています。

使い方を例文でチェック!

続いて「私淑」の正しい使い方を見ていきましょう。

私淑読み方意味使い方例文類語言い換え英語

1:ピアニストを志す兄は、幼い頃からショパンに私淑している

「私淑」は、尊敬している音楽家や文学者に対して使われることが多いでしょう。歴史上の人物の場合、すでに故人となっていることもあるので、著作や作品を通して思想や考え方を学びます。

2:経営者として私淑しているドラッガーの著作を何冊も持っている

ビジネスの場面でも、たびたび用いられます。ビジネスマンの中には、ドラッガー氏や松下幸之助氏などをビジネスの師と仰ぐ方も多いはず。彼らの著作から経営哲学やビジネススキルを学び、尊敬しているのであれば「私淑」しているといえるでしょう。

3:私は私淑している〇〇先生に、いつか会ってみたいと思っている

「私淑」している相手は故人とは限りません。尊敬している人が遠方にいる場合や立場が上すぎてお目にかかれない場合もあるでしょう。実際に会うことは難しくとも、心の中で会いたいと願っている状態を表した一文です。

類語や言い換え表現とは?

「私淑」以外にも、尊敬する人物から学ぶことを意味する熟語がいくつかあります。ここでは代表的な類語を3つ紹介しましょう。

私淑

1:師事

師事(しじ)」の意味は、以下の通りです。

師として尊敬し、教えを受けること。(<小学館デジタル大辞泉>より)

師事」には、「教えを受けて、仕えること」という意味が含まれているため、師匠から直接教えてもらう場合に使用します。例えば、師匠や先生の家でアシスタントをしたり、尊敬する人のセミナーに参加することが当てはまります。直接面識があり、師匠と弟子の関係がしっかりと出来上がっている点が「私淑」との違いです。

《例文》
・私の兄は著名な陶芸家に師事した
・憧れのメイクアップアーティストに師事したいと思っている

2:模範

模範(もはん)」の意味は以下の通りです。

1 見習うべき手本。2 器物などを作るときに用いるもととなる型。(<小学館デジタル大辞泉>より)

模範」とは、「見習うべき見本」のこと。他の生徒のお手本になるような優れた生徒のことを「模範生」と呼ぶように、教育の現場で使われることが多い言葉です。また自分自身がお手本となるような行動をとることを「模範を示す」と表現します。

《例文》
・親は子どもに身をもって模範を示すことが肝心だ
・成績優秀なAちゃんは、模範生として生徒会長に選ばれた

3:手本

日常生活で馴染みのある「手本」も「私淑」の類語です。意味を確認しましょう。

1 習う人が模範とすべき字や絵などのかいてある本。2 見習うべき物事。模範。(<小学館デジタル大辞泉>より)

「手本」とは「見習うべき物事」のこと。物や人、動作など参考になる対象に使用します。「お手本にする」「お手本を見せる」というように使うのが一般的。尊敬する人物の技術や動作を真似することに重きを置いた表現といえるでしょう。

《例文》
・兄のバッティングをお手本とした
・生徒に習字のお手本を見せた

4:リスペクト

「リスペクト」の意味は以下の通りです。

尊敬すること。敬意を表すこと。価値を認めて心服すること。(<小学館デジタル大辞泉>より)

英語の「respect(尊敬する)」から派生して、日本語でも「リスペクト」はよく使われます。一般的には「好きなアーティストをリスペクトしている」というように、尊敬している人物への敬意を込めて使われます。

《例文》
・彼の音楽を愛し、リスペクトしているファンがライブ会場に集まった
・私がリスペクトしている小説家が文学賞のグランプリに選ばれた

英語表現とは?

海外の取引先との会話の中でも、尊敬している人物や影響を受けた著作について話す機会があるかもしれません。「私淑」を直訳できる英語表現はないため、「respect(尊敬する)」や「learn(学ぶ)」「inspire(影響を受ける)」などの単語を使って説明しましょう。

《例文》
・John Mayer inspired me to learn how to play the guitar(ジョン・メイヤーの影響でギターを習い始めた)
・She learned patience from her father(彼女は父親から忍耐を学んだ)
・being influenced by the person through her works(彼女の仕事から影響を受けている)
・Book of the person to respect(尊敬する人の本)

最後に

「私淑」とは、「直接に教えは受けないが、ひそかにその人を師と考えて尊敬し学ぶこと」。あくまでも、本人には会わず、著作や作品から間接的に教わるのが「私淑」の特徴です。もし直接会って教えを受ける場合は「師事」を使います。尊敬する人との関係に応じて、適切に使い分けられるとベターです。

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