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「朝令暮改」の意味や由来とは?
■意味や読み方
「朝令暮改」とは、「ちょうれいぼかい」と読みます。意味を辞書で調べてみると、
朝に出した命令を夕方にはもう改めること。方針などが絶えず変わって定まらないこと。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「朝」は、言葉の通り「夜が明けて明るくなった頃」を指します。続いて「令」は、「法令、きまり」。「暮」は、「夕暮れ、日暮れ」。「改」は、「新しいものに替えること」という意味があります。よって「朝令暮改」は、意味の異なる4つの漢字を組み合わせた四字熟語です。
■由来
「朝令暮改」は、中国の『漢書』という書物にその記述が見られます。紀元前180年頃の中国 漢では、文帝という名の皇帝が国を治めていました。当時の法律は頻繁に改定され、内容がコロコロと変わっていたため、農民たちは困り果てていました。
その状況を見た、臣下の晁錯(ちょうそ)が、皇帝に宛て意見書を出しました。その中に書かれた一節が「朝令暮改」です。民が法令に振り回され困っている様子を伝えたことが言葉の由来とされています。
ビジネスで使う時には注意が必要?
「朝令暮改」は、「方針が絶えず変わって定まらない」という意味を持つことから、「あてにならない」「迷惑だ」などの意味合いを持つ言葉です。ビジネスシーンでは主に「会社の方針がコロコロ変わる」「部下や現場が振り回されて困っている」というようなネガティブな意味合いで使われます。
しかし、最近では、肯定的な意味としても使われる機会が増えてきました。現代はネット社会になり、様々な情報が日々更新されます。ビジネスにおいては、スピーディーかつ臨機応変な対応が求められる業種もあるでしょう。一度決めた方針を頑なに守り続けることより、むしろ柔軟に変えていく姿勢が大事であるとして「朝令暮改」をポジティブな意味として使う企業もあります。
このように「朝令暮改」は、肯定的にも否定的にも使用できる言葉です。しかし、もともとはネガティブな意味を持つ言葉ですので、場面によっては「臨機応変」などの角の立たない言葉に言い換えると良いでしょう。