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「会社でのカジュアルって難しい?」そのお悩みをDomani人気スタイリスト望月律子さんがレスキュー!
朝型勤務の推奨や、社員の健康増進のためのシステムづくりなど、オリジナリティに富んだ働く環境づくりにいち早く取り組み始めている、大手総合商社の伊藤忠商事。毎週水・金曜日には女性・男性ともにスーツを着ずに全員がカジュアルな服装で働くという、『脱スーツ・デー』の取り組みを開始し、装いの面からも働き方改革を推奨しています。
そんな『脱スーツ・デー』の取り組みが始まって約1年経った今、「自由にしていいと言われても、会社の雰囲気に見合ったカジュアルって難しい」「デニムコーディネート一辺倒になりがち」などなど、社員からは、新たな悩みが生まれている様子。そこで、カジュアル通勤を推奨しているDomaniが力になれれば、ということで、伊藤忠社員に向けた着こなしセミナーを開催しました。
講師として迎えたのは、Domaniのメインスタイリスト、望月律子さん。新しいアイテムをたくさん買わなくても、考え方を変えるだけでTRYできる、大人のカジュアルスタイルのコツについてお話ししていただきました。
「きちんと服をカジュアルで着くずす」のではなく「カジュアルアイテムをきちんと着る」、この発想の転換がカギに
望月さん「 今回、『脱スーツ・デー』という施策をお伺いしまして、とても素敵な取り組みをなさっているなあと、スタイリストとしても感心しました。カジュアルなアイテムって、基本的にはとても動きやすくて、リラックスした雰囲気で働けますよね。そして、オフィスでのきちんと感の中に、今季のトレンドの“スポーティ”という要素を取り入れやすい。いつものオフィススタイルの幅も広がると思います。
ただ、お仕事服をカジュアルにするって実はとっても難しい。みなさんも、きれいめな服に比べて、バランスが取りにくいと感じることが多いはず。カジュアルアイテムだけ浮いて見えたり、逆に足元がミスマッチに感じたりして、結局いつも変わり映えしないスタイルに戻ってしまうことが多いんじゃないでしょうか。
そこでまず、基本的な考え方として、きちんとスタイルをカジュアルアイテムで「着崩す」のでなく、カジュアルアイテムをきれいめにドレスアップさせるほうが簡単だということをお伝えします。具体的にはデニムやスニーカーというカジュアルアイテムを、どうすれば大人っぽく、上品に見せられるか。その発想の転換だけで、いつもよりスタイリングしやすくなると思いますよ」
カジュアルアイテムでの抜け感が、大人の働く女性を優しく軽やかな印象にする!
望月さん「カジュアルな服のいいところのひとつは、『コーディネートに抜け感が出ること』だと思います。
この『抜け』や『抜け感』っていう言葉、雑誌ではよく使うんですが、じゃあ『抜け』って何なんですか?と言われると、実ははっきりした答えはないんです。なので今回、『抜け感を出す』ということを分かりやすく説明すると、コーディネートに軽やかさをプラスする、って考えてもらうといいと思います。
たとえばニットにスカート、足元はタイツにきちんとしたパンプスを合わせるとしますよね。全身が重たく見えがちなコーディネートですが、そこにパールのピアスを足してみるとか、ツヤのあるパテントの靴に変えてみるとか。それだけで軽やかさがプラスされます。それが「抜けを出す」ということにつながるんです。
ほかにも素材合わせや色のコントラストをつけてメリハリをつける、手首や足首を肌見せさせるなど、いろんな方法があります。今回お話しする、「カジュアルアイテムを投入する」ことも、抜け感を生む方法のひとつです。
全身のテイストがまとまり過ぎちゃったり、洋服の素材感がそろいすぎたりすると、隙がなく見えてしまい、キャリアを重ねた大人の女性は特に少し怖く見えてしまうことも。それが、カジュアルアイテムを入れて崩しを入れることで、優しい印象や話しかけやすい雰囲気にもつながります。大人の女性こそぜひ、通勤シーンでのカジュアルなスタイルを楽しんでいただけたらと思います」
次回は、具体的にどんなアイテムをどうコーディネートすればいいのかについて、望月さんに語っていただきます。
【次回に続く】
スタイリスト
望月律子さん
Domaniを始め、Preciousなど女性誌を中心に幅広く活躍。上質な大人のベーシックスタイルに定評がある。著者に『望月律子のBASIC THEORY』(ワニブックス刊)。
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