仕事服が楽しければ、会社ももっと楽しい!?「脱スーツ・デー」が会話のきっかけに
―――ズバリ、女性たちの「脱スーツ」の印象って、どうですか?
宮本 剛さん(以下、宮本) 女性は全般的に、カジュアルが上手ですよね。最初は、すごくカジュアルな格好をしている日に堅めのお客さんが来ちゃって「伊藤忠、なんなんだ」とか言われてしまうのはイヤだな、と思っていたんですけど、そんなことはありませんでしたね。特に女性は、カジュアルだけどちゃんとしている人が多いですね。
吉村 武さん(以下、吉村) あと、カジュアルアイテムを取り入れるのは、女性のほうが早いですよね。僕なんかも女性たちに追随するように、確認してから取り入れたりします。「あ、こういうのもアリなのか」って。
宮本 正直、男性のほうが迷走していて、ある年齢層以上のオジサンは、制度スタート当初は、7割方くらいゴルフウェアだった気がします(笑)。
―――やっぱり「脱スーツ・デー」は、女性がどういう服で来ているか見ていますか。
吉村 まあ、話題のきっかけになる、というのはありますから。
二俣元則さん(以下、二俣) 今日、後輩の女性が、動物のフクロウがたくさんついていたブラウスを着ていて、思わず「フ、フクロウ??」って言っちゃいました。何でフクロウなのって聞いたら、「私は夜行性なんです。ふふふ」って(笑)。
宮本 すごい、オチまでついているんだ(笑)
二俣 まあそれは極端なんですが、ちょっとした変化球があったほうが、こちらからすると話しかけやすい、というのもありますね。基本、部下の服はまずは褒めます。女性に対して服装のことを話すのはどうかな、と気後れする時代だけど、せっかくの「脱スーツ・デー」という取り組みですし、ポジティブな話であれば、人によっては直接伝えたほうがいいかなと思うので。
宮本 僕も「今日デニムなんだ」くらいは、普通に言うようにしていますね。
吉村 うちの部署も、コミュニケーションがそれほど悪いわけではないのですが、やっぱり金曜日は、ネタ的にプラスアルファになって会話も多いですね。
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―――なるほど。好意的な意見が多いですね。逆に、こういうのはよくない、っていうことはありますか?
二俣 お客様対応という観点で気をつけてほしいのはやっぱり、肌の露出に関してですよね。特にこれからの季節は。「脱スーツ・デー」には、社内のガイドラインがあって、タンクトップはダメとか決まっているので、最低限のところではクリアしているんでしょうけど、夏場はそれでもちょっと気になるときもある。
宮本 確かに、夏のカジュアルは難しいですよね。だらしなく見えがちですし。
二俣 みなさん、胸元はちゃんと意識しているんですよ。だから襟ぐりが開いたものを着ている人はほとんどいないんですが、今って、袖ぐりとか、サイドがけっこう開いている服が多いですよね。
吉村 確かに。流行っているんでしょうね。
二俣 それがけっこうな露出感につながることが散見されて。さすがにそれは直接では指摘できなくて。代わりに女性にしてもらいます。
―――逆に、好印象の「脱スーツ」スタイルってありますか?
吉村 やっぱり僕は、ジーンズとスニーカーはとてもいいと思いますね。女性の雰囲気自体、すごく軽くなったように感じました。表情もやわらかく見える気がします。
宮本 僕は実は、服を選ぶ権利を妻に5年前に剥奪されていて(笑)。そういう身からすると、流行アイテム、例えばガウチョパンツとかを着て、それでいて職場でも違和感ない人を見ると、逆にセンスいいなぁと思って、好印象ですね。
二俣 具体的にどのアイテムっていうことじゃなくて、「ああ、こういうブランドが好きなんだ」とか、「ファッションにお金をかけるタイプなんだなぁ」とか、そういう面が知れると、印象よくなりますね。
吉村 わかります。かっちりしていない分、素の部分っぽい、と感じますよね。
二俣 そうそう。あと、おしゃれしている女性を見ると、つい「これ勝負服かな」とか想像してしまうこともありますね(笑)。いろいろ考えてしまって、ついつい会議の議題なんだっけ…とかなっちゃったりします。
宮本 そこはちゃんと集中してください!
―――なるほど。それでは次回は「脱スーツ・デー」は働き方を変えることにつながっている、について、語っていただきたいと思います。
次回に続く
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