「既成概念」
既成は「すでにできあがっているもの」という意味がある言葉です。既製品・既成事実など、多くの言葉に使われています。概念と合わせると「すでにできあがっている、多くの人に共通する認識」という意味です。
例えば「ポストは赤い」というイメージは、すでに多くの人に広まっている一般的な認識なので、既成概念ということになります。固定観念と近い意味があり、固定概念と既成概念を混同して使っている人も少なくありません。
(例文)
●「既成概念にとらわれない、全く新しい考えを打ち出そう」
●「女性は料理を作るべきという既成概念に異を唱えたい」
「思い込み」
思い込みは先入観と近い言葉で、「こうであると決まっているもの」という考えに凝り固まっている状態のことです。思い込みが強すぎると柔軟な考え方ができず、他者とのコミュニケーションが困難に。ほかの考えや方法があったとしても目を向けようとしないので、失敗することがあるのです。
しかし、デメリットばかりではなく「絶対に成功する」といった思い込みの強さが、自信となっていく場合もあります。
(例文)
●「相手の話をよく聞かず、思い込みで行動したことにより傷つけてしまった」
●「思い込みが深い人を説得するのは大変だ」
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【目次】
使い方や例文
「固定観念」という言葉を理解するには、例文をチェックすることがおすすめです。固定観念とあわせて使われることが多い表現方法を知ると、正しく使えるようになります。
どんな使い方をすればよいのか見ていきましょう。
固定観念にとらわれない
こうであると決まっている思想や考えを、180度ひっくり返すような状態を指して「固定観念にとらわれない」と言います。「従来の発想にとらわれない、自由な考え」とも言い換えられます。
多くの人が「その発想はなかった」と感じられるような物事であれば、固定観念にとらわれていないと言ってよいでしょう。固定観念にとらわれない考えを持つことは難しいですが、実現できれば物事がうまくいく場合もあります。
似たような意味に「固定観念を覆す」があります。覆すは、ひっくり返す・逆さまにするなどの意味があり、どちらの言葉もほぼ同じ意味で使えることを覚えておきましょう。
(例文)
●「固定観念にとらわれない、自由な意見を聞きたい」
●「固定観念にとらわれない製品づくりを目指している」
固定観念を捨てる
心の中で固定された主観的な考え方をやめ、柔軟な考え方を持つことを「固定観念を捨てる」と言います。考え方に柔軟さがないと、新しい物事にチャレンジしづらいでしょう。
「私は根気がないから習い事をしても続かない」と思い込んでいると、新しいスキルを習得するチャンスを失ってしまうことになります。固定観念を捨て「根気がなくても続けられそうな習い事はないか」と考えた方が、新しい世界が開けていくでしょう。
経験則から物事を考えることは悪いことではありませんが、物事に対してポジティブに取り組みたいときは、固定観念が邪魔になってしまうことがあるのです。
(例文)
●「固定観念を捨てなければ、問題を解決できないだろう」
●「固定観念を捨てることで、新しい道が開けることがある」
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