「公明正大」とは私心なく正しい様子
「公明正大」は「こうめいせいだい」と読みます。公平でやましいところがなく、堂々としている様子という意味です。私心をはさまず平等であるという意味合いもあります。
「公明正大」は人や物事の理想像ともいえるもので、座右の銘にされることも多いポジティブな言葉です。
【公明正大】
[名・形動]公平で、良心に恥じるところがなく正しいこと。また、そのさま。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
ここでは、「公明正大」の語源や使われ方について見ていきましょう。
「公明」と「正大」を合わせた四字熟語
「公明正大」の語源は明らかでなく、「公明」と「正大」という、どちらも同じ意味を持つ言葉を合わせた四字熟語です。
「公明」とは公平でかくし立てをしないという意味で、「正大」とは態度や言動などが正しく、堂々としている様子を表します。
正しく生きる人、模範になるような人を指して使われることが多く、自己アピールの長所として「公明正大」をあげる人も少なくありません。
座右の銘に使われる
「公明正大」は座右の銘にされることの多い言葉です。座右の銘とは、常に自分の心に留めておき、戒めとする言葉のこと。こうありたいという理想の姿や信念で、生きていく原動力にもなるものです。
座右の銘は、自己紹介や面接などの場面で登場します。「公明正大」を座右の銘とすることで、良心に恥じるところがなく正しく生きるという、行動の指針ができるでしょう。
「公明正大」の例文
「公明正大」の例文をご紹介します。実際にどのように使うのか、例文を見て把握しておきましょう。
・次の裁判では【公明正大】な判断が下るに違いない
・恩師のような【公明正大】な人でありたい
・【公明正大】を座右の銘として、良心に恥じない生き方をしたい
・我が国の選挙は【公明正大】に行われているはずだ
・リーダーには【公明正大】な資質が要求される
・【公明正大】を心がけ、誰に対しても公平な態度で臨みたい
「公明正大」の類語
「公明正大」には多くの類語があります。「正々堂々」「是々非々」「公平無私」などがあげられますが、それぞれ、「公明正大」を異なる角度から見た類語ということができます。
ほかにも「誠実」「高潔」「清廉潔白」といった言葉が類語としてあげられ、「公明正大」の持つ意味が類語からも読み取れるでしょう。ここでは、「公明正大」の代表的な類語についてご紹介します。
正々堂々
「正々堂々」は「せいせいどうどう」と読み、態度や手段が正しく立派という意味です。立ち振る舞いや手段に着目した言葉ですが、「公明正大」は内面の状態も表している点でニュアンスの違いがあります。
例文を見てみましょう。
・彼はやましいことは何もなかったので、警察の尋問にも【正々堂々】と振る舞った
・相手の弱点を攻撃することなく、【正々堂々】と戦うべきだ
是々非々
是々非々は「ぜぜひひ」と読みます。相手の立場にとらわれず、良いことは良い、悪いことは悪いときっぱりした態度をとるという意味です。公明正大の「公正に判断する」という意味に着目した類語といえるでしょう。
是々非々を使った例文は以下の通りです。
・彼はどちらの意見にも与せず、【是々非々】の態度を貫いた
・【是々非々】で問題に取り組んだ結果、誰もが納得のいく結果となった