「青天白日」の意味や由来とは?
■意味
「青天白日」は、「せいてんはくじつ」と読みます。意味は以下の通りです。
1よく晴れ渡った天気。
2心にいささかも後ろ暗いところがないこと。
3無罪であることが明らかになること。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「青天白日」は、「よく晴れ渡った天気」が転じて「心に少しも後ろめたいことがないこと」をいいます。「青天」は、「晴れ渡った青空」、「白日」は、「照り輝く太陽。真昼」のこと。心のなかにやましいことがないということから、身の潔白を表す言葉としても使われます。ちなみに、「晴天白日」と書くのは誤りなので注意しましょう。
■由来
中国の唐の時代に韓愈(かんゆ)という名の思想家がいました。彼が書いた書物『与崔羣書(さいぐんにあたうるのしょ)』のなかに「青天白日は、奴隷も亦(また)其(そ)の清明(せいめい)を知る」という記述がみられ、この一文が「青天白日」の由来とされています。
ちなみに、中国の国旗は「青天白日満地紅旗(せいてんはくじつまんちこうき)」と呼ばれ、旗の左上には、青地に12の光線を放った太陽を白く染め出した模様が描かれています。
使い方を例文でチェック!
「青天白日」は、天候に恵まれたシチュエーションや疑いをかけられている時などに使われます。意味によって使い方が異なりますので、違いに着目してみましょう。
1:青天白日の下、結婚式が行われた。
「青天白日」の文字通り、青い空と輝く太陽という意味での例文です。よく晴れて雲ひとつない青空の下、華やかな結婚式のパーティーが行われている様子がイメージできますね。
2:彼は晴れて青天白日の身となった。
「青天白日」は、「青天白日の身」と表現されることが多いです。この場合、疑いが晴れようやく釈放された、解放されたという意味として使われます。
3:彼女にはれっきとしたアリバイがある、どう考えても青天白日だよ。
人から疑いをかけられている時には、例文のように「青天白日だよ」といえば、何もやましいことはしていないことを伝えることができますよ。
類語や言い換え表現とは?
先述したように「青天白日」には、「よく晴れ渡った天気」と「心に後ろめたいことがないこと」などの意味があります。それぞれの意味に合った類語を理解しておきましょう。
1:清廉潔白
「清廉潔白(せいれんけっぱく)」の意味は以下の通りです。
心が清くて私欲がなく、後ろ暗いところがないこと(<小学館デジタル大辞泉>より)
行いが正しくて、私利私欲に走ったり不正をしないことをいいます。政治や法律の世界では、やましいことがなく誠実な人柄の人のことを「清廉潔白な人」というように表現しますね。
・清廉潔白な態度が評価され生徒会長に推薦された。
・人気若手議員A氏は、清廉潔白な人柄で有名だ。
2:明鏡止水
「明鏡止水(めいきょうしすい)」の意味は以下の通りです。
曇りのない鏡と静かな水。なんのわだかまりもなく、澄みきって静かな心の状態をいう。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「青天白日」と意味がよく似ていますね。微妙な違いとしては、「青天白日」が身の潔白を表すのに対して、「明鏡止水」は静かな心の状態に重きを置いた言葉です。
・まるで悟りをひらいたような、明鏡止水の心境だ。
3:無罪放免
法律用語である「無罪放免(むざいほうめん)」は、「勾留中の被告人が無罪判決を受けて釈放されること。転じて、疑いがすっかり晴れること」です。裁判の判決時に使われる表現ですね。疑いがすっかり晴れるところが「青天白日」とよく似ています。
・裁判で兄は無罪放免となり、無事に釈放された。
4:品行方正
「品行方正(ひんこうほうせい)」の意味は以下の通りです。
行いがきちんとしていて正しいこと。また、そのさま。(<小学館デジタル大辞泉>より)
規則をきっちり守る真面目な人のことを「彼女は品行方正な人だ」と表現します。礼儀正しく、誠実な人は、心の中もすっきりとしていて邪念が少ないことでしょう。このような点が「青天白日」の類語といえそうです。
・品行方正な彼女は後輩の良きお手本だ。
・品行方正な彼が遅刻などするはずがない。