公平無私
「公平無私」は「こうへいむし」と読みます。公平で、私的な感情や利益を交えないという意味です。「公明正大」も私心をはさまず平等であるという意味合いがあり、よく似た言葉といえるでしょう。
「公平無私」の例文をご紹介します。
・第三者的な存在の【公平無私】な組織の設立が急がれている
・この問題を解決するには、【公平無私】な判断をしなければならない
「公明正大」の対義語
「公明正大」の対義語には「不正不公(ふせいふこう)」「専断偏頗(せんだんへんぱ)」などがあげられます。
「不正不公」は正しくないうえに不公平でもあるという意味で、「専断偏頗」は勝手に自分は正しいと思い込み、考えが偏っている様子を表します。いずれも、良心に恥じるところがなく正しいという意味の「公明正大」とは対極にある言葉です。
ここでは、対義語のひとつである「依怙贔屓」について解説します。
【対義語】依怙贔屓
「依怙贔屓」は「えこひいき」と読み、自分の気に入っている者、関係のある者だけの肩をもつことです。「不公平である」という批判的なニュアンスを持っています。誰にでも平等という「公明正大」とは、正反対の言葉といってよいでしょう。
「依怙贔屓」を使った例文は、以下の通りです。
・あの先生は特定の生徒ばかり【依怙贔屓】している
・【依怙贔屓】をしているつもりはなかったが、結果的に一部の人を優遇する結果になってしまった
「公明正大タイプ」とは
言葉の意味とは少し離れたお話をしましょう。怒りの感情と上手に付き合っていくためのトレーニング方法に、「アンガーマネジメント」というものがあります。1970年代にアメリカで生まれたトレーニングで、企業の研修などでも取り入れられています。
誰でも怒りを感じる瞬間がありますが、アンガーマネジメントは怒りを上手にコントロールするためのスキルを学ぶ方法です。
このアンガーマネジメントには診断があり、診断結果は6つのタイプに分類されています。そのひとつが「公明正大タイプ」です。
公明正大タイプは正義感が強く、使命感に燃えるタイプと診断されます。マナー違反や常識に反する行動を見ると、怒りを感じやすくなるのが特徴です。また、人をジャッジして正そうとする傾向があります。
理想的な在り方とされる「公明正大」も、場合によってはマイナスの方向に働いてしまうということです。
「公明正大」の使い方を覚えよう
「公明正大」は公平で心にやましいところがなく、堂々としている様子を表しています。目標とする姿として、座右の銘にされることも多い言葉です。類語には正々堂々や是々非々など、「公明正大」の特徴を表した言葉が複数あるため、一緒に覚えておくと便利です。
さらに、対義語を知ることで、意味がより深く理解できます。例文も参考に、「公明正大」を正しく使うようにしましょう。
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