蜀紅蓮(しょっこうれん)
蜀紅蓮は、日本の蓮の中で最も濃い紅色の花をつけます。その花の色は“赤黒い”と表現されることもあるほど。花の大きさは25cmほどと大型に近い中型種です。花の形がお椀型で丸みがあり、見た目も鮮やかなことから仏教の蓮のイメージに近く人気があります。
桜蓮(おうれん)
桜蓮は、江戸時代から栽培されていた一重咲きの蓮です。一般的に蓮の花は、開花してから時間が経つにつれて、徐々に花びらの色が薄くなっていきます。桜蓮は、咲き始めはきれいな紅い色ですが次第に退色し、その名の通り桜のような淡い桃色に変化していくのが特徴です。
類語や言い換え表現とは?
真っ赤に燃え上がる炎の色を指す「紅蓮」。日本語には、同じように激しく燃えるさまを表す言葉がいくつもあります。その中から3つ類語を紹介していきましょう。
灼熱
「灼熱(しゃくねつ)」の意味は以下の通りです。
1 金属などを焼いて熱くすること。また、焼けて熱くなること。2 焼けつくように熱いこと。3 物事の程度が最高潮であること。はげしく情熱をもやすこと。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「灼熱」には、焼けるように熱い、これ以上ないくらい熱いという意味があります。じりじりと焼けるような太陽のことを「灼熱の太陽」と表現しますよね。また、人間関係においても情熱的な恋愛を表すときに「灼熱の恋」と言ったりします。
猛炎
続いて「猛炎(もうえん)」の意味も見ていきましょう。
激しく燃えさかるほのお。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「猛」は、「勢いが激しいさま」「勇ましいこと」を指します。「紅蓮」は、燃え盛る炎の色を表すのに対して「猛炎」は、暴れるように激しい炎の様子を表した言葉です。
焦熱
「焦熱(しょうねつ)」の意味は以下の通りです。
1 焦げつくように熱いこと。また、その熱さ。2 「焦熱地獄」の略。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「焦」は、「こげる、こがす」「苛立つ」というような意味を持ちます。太陽のあまりの熱さに地面が焦げてしまいそうな様子が思い浮かびます。先述した「灼熱」には、焼けるような熱さを表すため、意味がよく似ていますね。
また「焦熱」は、「焦熱地獄」の略語にもなっています。「焦熱地獄」とは、八大地獄の内、六番目の地獄とされ、人殺しや盗み、よこしまな心を持つ者が落ちる場所。罪人は、熱い鉄の釜の上で身を焼かれ苦しめられることから「焦熱地獄」と呼ばれるそうです。
英語表現とは?
「紅蓮」を直訳する英語はありません。「蓮」という意味の「lotas」だけでもその花の色が伝わりますが、強調したい場合は「red(赤い)」の単語を加えるといいでしょう。
・I think that red lotas is beautiful.(私は紅い蓮の花を美しいと思います)
最後に
蓮の花の中でも、ひときわ紅い花びらが美しい「紅蓮」。燃え盛る炎や紅蓮地獄という意味を持つなんて驚きましたね。初夏の時期、蓮池の中で特に紅い花を見つけたら、今回紹介した「蜀紅蓮」や「桜蓮」かもしれませんよ。日本には寺院の庭園や植物園など至る所に蓮池があります。ぜひ、本物の「紅蓮」を見に行ってみては?
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