「転寝」とは?
「転寝」は何と読むかわかりますか? 普段私たちがよく使っている言葉で、曲のタイトルや歌詞に使われることも。まずは、「転寝」の読み方や意味を解説していきます。
読み⽅と意味
「転寝」は、「てんね」と読んでしまいそうになりますが、「うたたね」と読むのが正解。また、「ごろね」と読むこともできますが、意味が多少異なります。「転寝」は、「うたたね」読みのほうが一般的なので、ここでは「うたたね」の意味に絞って紹介。まず、言葉の意味を辞書で引いてみると下記の通りです。
眠るつもりもないまま、うとうとと眠ること。仮寝。(<小学館デジタル大辞泉>より)
つまり「転寝」とは、疲れや、睡眠不足などで、ついつい寝てしまうこと。そもそも、「転」という漢字は、「うたた」と読むと、「進行すると、その状態がはなはだしくなるさま」を表します。「寝」という漢字と組み合わせることで「眠気がどんどん強くなる」という意味で、「転寝」という表現になったのかもしれません。
また、「転寝」は、昔から日本で使われてきた言葉です。小野小町による和歌のなかで「うたたねに恋しき人を見てしより夢てふ物はたのみそめてき」と詠われていたり、室町時代には「転寝草紙(転寝の草紙)」というお伽話のタイトルにも使われています。
「転寝」の使い⽅を例⽂でチェック
「うとうとと眠ってしまう」という意味の「転寝」。皆さんも一度は体験したことがあるのではないでしょうか。ここでは、「転寝」を使った例文を紹介します。
「残業が連日続き、仕事中につい転寝してしまった」
夜遅くまで働く日が続いて、疲れがたまると、日中に眠気が襲ってくることも。そんなとき、仕事中なのについつい「転寝」をしてしまうことも少なくないでしょう。そうしたシーンを表現した例文です。
「会議中に転寝した同僚は、先輩にこっぴどく怒られていた」
仕事中に、ほかの社員が「転寝」をしているのを見たことはないでしょうか。この例文では、「転寝」をしてしまった同僚が、会議後に先輩から注意されている様子を表しています。
「子どもは疲れて、転寝してしまったようだ」
大人だけではなく、子どもも「転寝」してしまうもの。外出したときの帰りの車の中や、電車の中で「転寝」をしている子どもを見かけることもあるでしょう。そうした場面を表現した一文です。
「転寝」は身体に悪い? 対策法は?
寝るつもりもないのに、うとうと眠ってしまう「転寝」。ここでは、「転寝」が身体に与える影響について見ていきましょう。
第一に考えられるのは、夜の睡眠の質を低下させてしまうという点。例えば、仕事から帰ってきたときに、疲れて「転寝」をしてしまうことがあるでしょう。しかし、「転寝」をしてしまうと、いざベッドに入って本格的に眠ろうとした際に、寝付けなかったり、眠りが浅くなってしまったりする可能性があります。
そこで、「転寝」を防ぐ方法をいくつか紹介しましょう。まずは、眠くなってきたら体温を下げる工夫をしてみてください。例えば、長袖を羽織っている場合はそれを脱いだり、エアコンを使って室内の温度を下げたりしましょう。また、外に出るのもおすすめです。
人間は体温が上がると自然と眠くなりますが、体温を下げれば眠気が引いていきます。そのほか、眠気を覚ますには、ストレッチなどの軽い運動をするのもおすすめです。
「転寝」のほかの睡眠に関する言葉は?
睡眠に関する言葉には、「転寝」のほかに何があるのでしょうか。ここでは、「ごろね」と読む「転寝」と、「昼寝」「居眠り」を紹介します。それぞれ、意味に違いがありますので、豆知識として覚えておきましょう。
転寝
すでに紹介しましたが、「転寝」は「うたたね」のほか、「ごろね」と読むことも可能。「ごろね」と読む場合、意味は「寝る準備をせず、そのまま横になって眠ること」になります。
「転寝」は「寝るつもりがないのに、うとうとと眠ってしまう」ことなので、意味がやや異なるのです。「ごろね」「うたたね」どちらの意味なのかをしっかり把握してから、「転寝」を使うようにしましょう。