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2024.05.25

「漁夫の利」の意味は?使い方や例文と類語や対義語まで解説

 

「漁夫の利」とは「当事者が争い合っている間に第三者が利益を奪う」ことです。由来は『戦国策』からだと言われています。この記事では基本情報はもちろん、使い方と例文、類義語、対義語を解説します。「漁夫の利」について知りたい方は、以下を参考にしてみてください。

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「漁夫の利」とは

「漁夫の利」はどんな意味の言葉でしょうか。まずは、正しい意味や読み方と由来を確認しましょう。

「当事者が争っている間に第三者が利益を奪う」こと

「漁夫の利」とは「当事者が争い合っている間に第三者が利益を奪う」ことです。読み方は「ぎょふのり」。辞書では以下のように解説されています。

漁夫の利

【漁夫の利】
両者が争っているのにつけ込んで、第三者が利益を横取りすることのたとえ。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「漁夫の利」の「漁夫」は、漁師のことを指しています。一見関係のないように見えますが、由来を知れば、なぜ漁師が出てくるのか納得でしょう。

注目するべき点は、利益を第三者が奪う点です。利益をそのまま奪い取るのではなく、争っている間に横取りするため、ずる賢いといったニュアンスが含まれるでしょう。まれに「漁夫之利」と表記されることもあります。

「漁夫の利」の由来は『戦国策』

「漁夫の利」の由来は、中国の戦国時代の史書『戦国策』の故事にあると言われています。

趙の国が燕の国を攻撃しようとしている時、燕の蘇代が趙の恵文王に会い、次のような話をしました。

ある日、ハマグリを見つけたシギが食べようとしたところ、ハマグリは殻を閉じてシギのくちばしを挟んでしまいました。両者が喧嘩をしている間に、漁師が簡単に両方を捕らえました。

そして、「いま趙と燕が争えば、この話のように第三者である秦が漁夫の利を得るだろう」と説いたことにより、趙は燕を攻めることを中止したのです。

このような話から「漁夫の利」は生まれたとされています。ちなみにシギとは、水辺に住む鳥のことです。

「漁夫の利」の原文と書き下し文

ここからは、「漁夫の利」の原文と書き下し文をご紹介します。「漁夫の利」は、どのように記載され、また翻訳されたのでしょうか。

【原文】

蘇代爲燕謂惠王曰、
「今者臣來過易水。
蚌正出曝。
而鷸啄其肉。
蚌合箝其喙。
鷸曰、
『今日不雨、明日不雨、即有死蚌。』
蚌亦謂鷸曰、
『今日不出、明日不出、即有死鷸。』
両者不肯相舎。
漁者得而并擒之。
今趙且伐燕。
燕趙久相支、以敝大衆。
臣恐強秦之爲漁父也。
願王熟計之也」。

【書き下し文】

趙且に燕を伐たんとす。
蘇代、燕の為に惠王に謂ひて曰はく、
「今者臣来たりて易水を過ぐ。
蚌方に出でて曝す。
而して鷸其の肉を啄ばむ。
蚌合して其の喙を箝む。
鷸曰く、
『今日雨ふらず、明日雨ふらずんば、即ち死蚌有らん』と。
蚌も亦鷸に謂ひて曰はく、
『今日出でず、明日出でずんば、即ち死鷸有らん』と。
両者、相舎つるを肯ぜず。
漁者得て之を幷せ擒ふ。
今趙且に燕を伐たんとす。
燕と趙久しく相支へ、以つて大衆を敝れしめば、臣強秦の漁父と為らんことを恐るるなり。故に王の之を熟計せんことを願ふなり。」と。
惠王曰わく、
「善し。」と。 乃ち止む。

文法として重要なのは「今趙且伐燕」という文字です。再読文字といい「今まさに〜しようとしている」と訳されます。また原文にある「漁者得而并擒之」の「而」は、読まないように注意しましょう。接続詞として使われている言葉です。

漁師が横取りしたということが重要なのではなく、「漁夫の利」はそこから学びを得る話であることが分かります。

「漁夫の利」の使い方と例文

ここからは、「漁夫の利」の使い方と例文を解説します。「漁夫の利」を使う場面は、意味と同様に誰かが争っているうちに、利益を第三者が奪っていったときです。争いが無い状態では当てはまらないので注意しましょう。

以下のような言葉に続いて、使われることが多いです。実際どのように使うのか、例文と共にご紹介します。

「漁夫の利」の使い方と例文
  1. 〜を取られる
  2. 〜を得る
  3. 〜を占める

漁夫の利

〜を取られる

【例文】
・私とA子がBさんを巡って争っていたのに、最近入社したC美に【漁夫の利】を取られてしまった。

ライバル同士で争っている間に、ノーマークだった人に出し抜かれてしまった。なんて経験、ありませんか? そんな場面でよく使われるのが「漁夫の利を取られる」です。この例文では、A子と争っている間に、C美にBさんとの仲を深められてしまった様子を表しています。

〜を得る

【例文】
・揉めている先輩2人を飛び越えて、重要ポストが自分に回ってきた。【漁夫の利】を得た気分だ。

第三者が利益を得るという意味で、「漁夫の利を得る」という言い回しをよく使います。例文では、揉めている先輩を傍観していたら、思わぬ利益を得た状況を表しています。

〜を占める

【例文】
・【漁夫の利】を占めたのは、結局最後に登場したわたしの友人だった。

「漁夫の利を得る」よりもさらに利益を得たことを強調したい場合は、「漁夫の利を占める」を使うと良いでしょう。例文では、最後に登場した友人が利益をかっさらっていった様子を表しています。

「漁夫の利」の類語4つ

「漁夫の利」には、以下の4つの類語が存在します。

それぞれ「漁夫の利」と全く同じ意味というわけではないので、微妙な違いや使い方を解説します。

漁夫の利

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