「嘘は世の宝」
「嘘は世の宝」は、「嘘をつくことも時には大切である」ということ。「嘘も方便」と、ほぼ同じ意味で使うことができます。
「嘘も誠も話の手管」
「嘘と真実とをおりまぜて話すことが、上手い話の仕方だ」という意味のことわざ。「手管(てくだ)」とは「人を意のままに動かす」ことを表します。
「嘘つき世渡り上手」
「世渡り上手には嘘がうまい人が多い」という意味のことわざ。物事をうまくやってのける人ほど、弁が立ち、ちょっとした嘘をつくことが多い、ということをいいます。
「嘘も追従も世渡り」
「追従(ついしょう)」の意味を辞書で調べてみましょう。
他人の気に入りような言動をすること。こびへつらうこと。(小学館『デジタル大辞泉』より)
つまり、「お世辞」や「媚びを売る」というニュアンスの言葉。よって「嘘も追従も世渡り」とは、「うまく世の中を渡っていくには、お世辞を言うことも必要である」ことをいったことわざです。
「嘘をつかねば仏になれぬ」
「仏様でも人を救うために嘘をつくこともある。だから、人間も他人のためについた嘘は良い」という意味です。
対義語は「嘘つきは泥棒の始まり」
「嘘も方便」の対義語には「嘘つきは泥棒の始まり」が挙げられます。意味は、以下の通りです。
悪いと思わないで嘘をつく人は、泥棒をするのも平気になるということ。(小学館『デジタル大辞泉』より)
「嘘をつくことが悪いことだと思わなくなると、そのうち平気で嘘をつくようになる。そうすると、やがて盗みなどの悪事も平気でやってのけるようにもなるだろう」という意味。「嘘をつくことは悪いことだ」と戒める意味合いのことわざです。
「嘘も方便」の英語表現
「嘘も方便」を英語で表すには、「the end justifies the means 」や「a white lie」、「a lie is often expedient 」を使って表すことができます。
「the end justifies the means」
「嘘も方便」の英語表現を調べると、一番よく出てくるのが「the end justifies the means」でしょう。直訳すると、「結果は手段を正しいものとする」。この場合の「the end」は「結果」、「justify」は「正当化する」や「正しいと証明する」という意味。「the means」は手段や手法を表します。
よって「結果が伴えば、手段は何でもいい」というニュアンスの言い回しに。「嘘」ではなく、「物事の結果を出す手段」に注目すると、このような表現をして「嘘も方便」を表すことができます。
「a white lie」
直訳すると、「白い嘘」。この場合の「白」は、「無実」や「無罪」を表します。よって、「white lie」とは「罪のない嘘」のこと。他人を気遣ってついた嘘のことをいいます。「It’s a white lie」(嘘も方便だ)のように表現することができます。
「A lie is often expedient」
「A lie is often expedient」は英語のことわざです。「expedient」は「得策」や「利己的」という意味。「嘘はしばしば良い策になる」ということをいい、日本語の「嘘は方便」と同じ意味合いで使うことができるでしょう。
▼あわせて読みたい