若輩
「青二才」によく似た言葉に「若輩(じゃくはい)」があります。意味は以下の通りです。
1 年が若い者。2 未熟で経験の浅いこと。また、そのさま。自分を卑下していう語。他人に用いれば軽蔑の意になる。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「若輩」も、「歳が若く、経験が浅い人」を指す言葉です。会話の中では「若輩者ですがご指導よろしくお願いします」というようにへり下った言い方をすることが多いです。自分から「若輩」ということで謙虚な印象を相手に与えることができます。
・お前は若輩だが、なかなか腕がいいと親方に褒められた。
・「若輩者ですが今後もよろしくお願いいたします」と言って頭を下げた。
若造
「若造(わかぞう)」は、「若僧」とも書きます。意味は以下の通りです。
若者や未熟者をあざけっていう語。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「若造」も、「若い人や未熟な人」を表します。「若輩者」は自分のことを指して使うこともありますが、「若造」は基本的に相手から言われることが多い言葉です。「この若造が!」とあざける時や、「若造のくせになかなかやるな」というように相手を認めるときなどにも使用します。いずれにしても現代ではあまり使われる機会のない表現です。
・「お前のような若造に何ができる!」と社長に叱られた。
・「若造のくせに偉そうに。容赦しないぞ」と脅された。
ひよっこ
「ひよっこ」とは、「まだ一人前でない者。幼稚で未熟な人」を指します。年上の人に生意気をいう若者に対して「このひよっこが!」と怒るときなどに使われますね。「ひよっこ」とは、元々は「鶏のひな、ひよこ」のことです。卵からかえってまもない幼いひよこの姿を、人間の若者に重ね合わせて生まれた言葉でしょう。
・「ひよっこのくせに生意気な口をきくな!」と親父に叱られた。
・入社して3年経ったのに、いまだに先輩は私のことをひよっこ扱いする。
英語表現とは?
「青二才」の英語表現には「green horn」があります。「初心者、未熟で未経験の人」「騙されやすい人」などの意味があります。「horn」は「角」という意味があることから、元々は「緑色の角を持った若い牛」のことでした。
日本では、未熟なものを「青色」で表しますが、外国では「green(未熟の、ウブな)」を用いて表します。国によって色の違いがあることも面白いですね。
・He is a greenhorn in the matters of love. (恋の手管となると彼は全く未熟だ)
・upstart companies hiring greenhorn high school and college kids. (高校生や大学生の若造を雇っているベンチャー企業)
最後に
「青二才」とは、「経験の浅い年若い男性」のこと。若い頃は何かと粗相をして目上の人を怒らせてしまうこともあるものです。そんな時に若者を嘲っていう言葉に「青二才」や「若造」「若輩」などがあります。いずれも現代ではあまり口にしない古風な表現ですが、詳しい意味を覚えて日本語の奥深さに触れてみてはいかがでしょうか?
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